映画レビュー1590 『ロックンロール・ハイスクール』
U-NEXT配信終了お近づき系です。
いきなりネタバレになりますが概要欄に「最後は学校が爆発する」と書いてあって絶対面白いだろと観ることにしました。
ロックンロール・ハイスクール
アラン・アーカッシュ
ジョセフ・マクブライド
アラン・アーカッシュ
ジョー・ダンテ
P・J・ソールズ
デイ・ヤング
ヴィンセント・ヴァン・パタン
メアリー・ウォロノフ
ポール・バーテル
クリント・ハワード
ディック・ミラー
ラモーンズ
ラモーンズ
1979年8月24日 アメリカ
91分
アメリカ
U-NEXT(Fire TV Stick・TV)

勢いだけで何が面白いのかわからないけど面白い。
- 新たに赴任した女校長が学校に規律を持ち込み厳しく取り締まる中、それに反発するラモーンズ狂のJKと友達
- 青春っぽい恋愛模様も(かなり下世話な形で)展開しつつ、ただ中身はほぼない
- ラモーンズ絶頂期に本人たちがPVっぽく出てきたりライブをやったりとラモーンズファンは必見の内容
- 時代的に今では絶対に作れないような内容なので超くだらないものの貴重な映画
あらすじ
期待したほどではなかったんですが、なんだか良くわからない勢いに負けて面白かったなという感じ。こういうのキライじゃない。
舞台はとある高校。
前校長が職務不能になった(飯食ってたけど詳細不明)とのことで、新たにトーガー校長(メアリー・ウォロノフ)が赴任してきます。
彼女は「最近の高校生はなってない!」とよくある最近の若者は的な感じで高校に規律を持ち込もうと生徒たちに厳しくあたります。
しかしそんなことは気にもかけないラモーンズの大ファンである生徒、リフ(P・J・ソールズ)は学校のスピーカーからラモーンズの曲をかけて「ロック最高〜!」と好き放題やり、校長から目をつけられております。
リフの友達である実験好きのケイト(デイ・ヤング)は(確か)アメフト部の主将でイケメンながら天気の話しかできないつまらない男・トム(ヴィンセント・ヴァン・パタン)に惚れていてなんとかお近付きになりたいようですが、トムはリフとお付き合いしたいとのことでちょっとした三角関係の予感も。
そんなわちゃわちゃした学校生活は果たしてどうなるんでしょうか…最終的には学校が爆発します。
ラモーンズのPVにしてはくだらなすぎる
お恥ずかしい限りですが僕はラモーンズのことは名前すら知らず、この映画で初めて知りました。
Wikipediaによるとアメリカよりもイギリスで評価の高いバンドだそうで、特に最初に作った3作のアルバムはロック史上において重要な作品と位置付けられているとのこと。また5作目はバンド史上最大のヒットアルバムだそうです。
で、この映画の時期(公開ベースなので撮影時期はわかりませんが)はちょうど4作目〜5作目の間になるので、まさに人気絶頂、ラモーンズ最盛期を彩る映画になったと言えるでしょう。そしてそんな最もいい時期に出た映画がこれで良いのかというツッコミもせざるを得ません。
本人たちがどう思っているのかは知る由もないですが、仮に「この内容だから」ノリノリでやっていたとしたらすごく良い奴らだなと好きになっちゃいそうですね。それぐらい中身がひどいというか無いというか。
それもそのはず、「B級映画の帝王」と呼ばれるロジャー・コーマンが製作総指揮を務めているんですよね。
…としたり顔で言っていますがロジャー・コーマンについても大して知らないので完全にウケウリです。でも「B級映画の帝王」と呼ばれる人が製作総指揮を務めるコメディなんて(いい意味で)ろくなもんじゃないのは間違いないでしょう。そんな映画にロック史に残るバンドの最盛期が収められているなんて時代のいたずらが過ぎますよ。もうそのバックボーンが面白すぎる。
細かい話については…と書きたいところですが本当に中身はあってないようなもので、散漫極まりありません。
内容が内容なのでネタバレも何もねーだろと書いちゃいますが、流れとしては新校長赴任→ラモーンズのライブにみんなで行こうとする生徒たちを認めない→対立が先鋭化→学校爆発という感じなんですが、その大元の流れとはあまり関係のないエピソードがちょくちょく挟まるので、観ていて「結局何が言いたいんだ?」となると思います。特に校長の部下(?)の二人がまあノイズすぎる。面白いどころか絶妙に気持ちが悪い。
ただそういった要素がB級感を醸し出していて好きな人にはたまらないだろうし、「なんかよくわからないけどすごいな」と圧倒されてしまうようなパワーがあったのも確かです。
内容的には「ブルース・ブラザース」だったり「スクール・オブ・ロック」だったりに若干近いものを感じるんですが、ただあちらはドラえもんで言えばオイルの上澄みを使ったドラミちゃん、こっちは沈殿したオイルを使ったドラえもんという感じ。ただ今はこの設定ではないそうなので古い人間にしか伝わらない例えで申し訳。
そんな諸々を考慮すると結局「ラモーンズを観るための映画」にしか思えないんですが、ただ「ラモーンズを観るための映画がこれでいいのか」というのはやはり頭によぎるのが当然で、その困惑含めて面白い映画だなぁと思いますね。「(話が)こんなんで映画作っていいんだ」みたいな。
奇跡のような一本
物語にまったく絡んでこない新入生を天丼的に何度もいじめるシーンが出てきたり、いわゆる“給食のおばさん”たちを給食のまずさ故に縛り上げて食べ物をぶつけたりと今の時代では完全にアウトな倫理観を表現したシーンもちょくちょく出てくるので、「もうそういうの笑えないよ」と少し嫌な気持ちになりつつも、時代だからこその奔放さはやっぱりちょっと今とは違った魅力になっていたりもするので、ラモーンズの話も含めて「このときだけ作ることができた奇跡のような一本」と言えると思います。ただその奇跡がとんでもなくしょうもない物語というのがまた面白いところ。
決して「これは観るべき!」という映画ではないんですが、観たら観たで妙な満足感が得られる…かもしれません。
このシーンがイイ!
やっぱりシャワー浴びながらギター弾いてるPV風のシーンでしょうね。普通に意味がわからなくて爆笑しましたよ。
あとネズミのネタそのものはどうなんだという気がしつつも、実はフリで後半それを利用したところでも爆笑しました。急すぎて。ああいうの大好き。
ココが○
ラモーンズは初めて触れましたが確かに曲が良かったです。音楽的な良さは間違いなくこの映画のウリでしょう。
ココが×
やっぱりストーリーそのものがあんまりちゃんとしていないというかあってもなくても一緒ぐらいの感じなのが…。
笑いとしても一部はかなり面白いんですが大半は微妙でした。これもやっぱり時代の違いが大きいのかもしれません。
MVA
最初からずっと主役のリフより友達のケイトの方が全然かわいいと思っていたので彼女にしようかと思いましたが中盤以降俄然存在感を増してきたこちらの方にします。
ポール・バーテル(マグリー役)
音楽教師。
ロック否定派のくせにラモーンズのライブに誘われたら普通に行っちゃう素直さも去ることながら、最終的には俄然ロック派になっちゃうハゲのかわいいおじさん。いいキャラしてました。
ちなみにこの方マニアックな作品を撮る監督として有名で、あの「デス・レース」のリメイク元である「デス・レース2000年」の監督だそうです。こちらは近々観る予定。
撮る映画はマニアック、出る映画は一流作が多いとWikipediaにあってそれも面白いんですが、「出る映画」だったこの映画も相当にマニアックじゃない!?


