映画レビュー1612 『ロシアン・ルーレット』

今週のステイサムです。
もうだいぶ残りも少なくなってきて、「ここぞという時に観るぞ」と取っておいているやつか「しょっぱそうだな」と予めハードルが低まった作品ぐらいになってきましたが、今回はその後者のものです。

ロシアン・ルーレット

13
監督

ゲラ・バブルアニ

脚本

ゲラ・バブルアニ
グレッグ・プルス

原作

『13/ザメッティ』
ゲラ・バブルアニ

出演

サム・ライリー
ジェイソン・ステイサム
ミッキー・ローク
レイ・ウィンストン
マイケル・シャノン
カーティス・“50セント”・ジャクソン
ベン・ギャザラ
エマニュエル・シュリーキー
デヴィッド・ザヤス
ロナルド・ガットマン
アレクサンダー・スカルスガルド

音楽
公開

2010年6月3日 アルゼンチン

上映時間

97分

製作国

アメリカ

視聴環境

U-NEXT(Fire TV Stick・TV)

ロシアン・ルーレット

なんて薄っぺらさだ!

5.0
お金ほしさに集団ロシアン・ルーレット大会に参加する青年
  • 仕事先で「1日で大金が手に入る」と聞いた“仕事”になりすまし潜入、ロシアン・ルーレットだった件
  • 大枠の話の筋としては悪くないものの、全体的に薄っぺらくてまったく感情に響かない
  • ミッキー・ロークは余計だし警察は中途半端だし主催については触れないし
  • 過去一小物でしょっぱいステイサム

あらすじ

いかにも安っぽそうな雰囲気に懸念がありつつ観ましたが、まあ早い話が観なくて良いタイプの映画でした。無念。

父が病気で入院中、家を売ってやりくりするいかにも厳しそうな家庭の青年ヴィンス(サム・ライリー)は電気工事士の資格を取得、とあるお宅で配線工事やら何やらをやっております。
そこにそのお宅のご主人が「また(オファーが)来たぜ」「大金が手に入るんだ」「1日でな」と部外者(ヴィンス)がいるのにも関わらず散々美味しい仕事感を言いふらした挙げ句クスリを楽しんでたら死んでしまいまして、金欠のヴィンスはこのチャンスを逃すまいと彼が手にしていた封筒を盗み出し、彼のフリをして怪しい運営の指示に従って指定の場所へ。
無事潜入し「おまえ誰やねん」と一悶着がありつつも参加が許されるヴィンスですが、その参加が許されたものとは「集団ロシアン・ルーレット」という狂気のイベント。
参加者が輪になって前方の人間の頭に狙いを定め、同時に引き金を引いて生き残ったものが次のステージへ、というシステムです。
そこに参加者を連れてきたメンバーや観戦のみの人たちもいるんでしょう、各々が大金を賭け、生き残ったら大金持ちという寸法です。
そこには何もわからないまま刑務所から移送されて参加を強制された男(ミッキー・ローク)だったり、入院中の兄を引っ張り出してきて一儲けを企む男(ジェイソン・ステイサム)だったりがいますが、果たして最後に生き残るのは誰なんでしょうね…!

話は悪くないと思うんだけど…

ロシアン・ルーレットというと自分で引き金を引くのが一般的だと思いますが、この映画では「狙いを定めて相手に向かって撃つ」という珍しいルールです。なので「弾は入っていたものの持ち主が(先に撃たれて)死んでしまったので助かる」ケースも出てきます。不公平じゃね?
もちろん同時射撃が基本なので、輪になった参加者の中央上部に据えられた電球が光ったら引き金を引く、という決まりになっているんですが、ただその電球を光らせるタイミングは例のモザイクおじさんでおなじみのマイケル・シャノンが上段から腕をサッと振り下ろすので参加者丸見えなんですよね。彼を背中にしている参加者はよくわからないだろうし彼に正対しているような位置の参加者はいち早く点灯タイミングがわかるしでもうこの時点でどうなの? っていう。
まあそもそも弾が込められているかどうかが大きいのでタイミング自体はそんなに重要ではない、というのもわからないでもないんですが、でもさっき触れたようにタイミングの違いによって助かる人も出てくるし、1対1になれば先に撃ったものが圧倒的に有利なのは明らかなので「目に入る位置でタイミングを指示する人間がいる」ルールの雑さにもういきなりどうなんだこれ感が漂っていました。うるさいし。マイケル・シャノン。(ルールと関係がない不満)
まあそれはそれとして細かい話なのでいいんですが、まー全体的にすごく薄っぺらいんですよ。なんか。
全体的な流れ、最終的なオチについては(そうなるだろうとは思いつつも)悪くなかったと思うんですが、道中があんまり上手くないからか「ああ、はい、なるほどー」という感じで終わっていくのでまったくグッと来ない。
なんでこんな下手なんだろうと不思議になるぐらいオチの物語的な強さがこっちに伝わってこない作りになっていて、これは結構厳しい映画だなぁと。
一応元は監督本人が作った映画のセルフリメイクだそうで、本人が改めてリメイクするぐらいだから結構評価された映画なんだろうと思うんですがどうしてこうなってしまったのか…。
確認したところリメイク元はIMDbで7.3なので結構良いんですよね。(IMDbは7点超えていればまあまあ悪くない印象)
一方こちらは6.0なのでだいぶ差があります。同じ監督による同じ物語がどうしてこうも違うのか…。逆にリメイク元を観てみたくなりますね。

思うにまず人物描写が薄いのかなと。
それぞれがもっと背負っているものがあって…とかあれば多少は違うと思うんですが、主人公も(親の入院等はありますが)金欲しさに来ただけだし、ミッキー・ロークもよくわからないまま刑務所から連れて来られただけだし、ステイサムはよくわからないし。感情移入しようがないというか。
開始早々に警察が追ってくるんですが警察の介入もかなり中途半端で空気だし、一番闇が深そうな大会運営側の話は一切出てこないのでそこもかなりモヤモヤします。
結局なぜこの大会が行われているのか、誰が権力者なのか等まったく触れられていないので単なる場の提供でしかないんですよね。こんなキワモノの大会が。
その上参加者の人物描写も薄いと来たら何に心を動かされれば良いのかサッパリわかりません。わたくし。
ワケアリっぽいヴィンスを参加させるハンドラー的な連中も結局なんだったんだ感が大きく、あまりにもいろいろ放り投げっぱなしな印象。
全体的には非常にシンプルな話なので、そのまま行けばおそらくそれなりに悪くない映画になったような気がするんですがそこに上乗せしてきた要素がことごとく無駄な上に中途半端なので最終的に「なるほどー」で終わる、という。
なんだかなぁ…ちょっと良さが見出だせない映画でした。

気の毒サム・ライリー

一応(勝手に)ステイサム企画として観ているので最後にステイサムについて触れておきますが、今作はかなりレアな「アクションしないステイサム」です。そして自分が観た中では過去一しょっぱい小物のステイサムでした。ロシアン・ルーレットにも参加しないし。
過去含め何度か金のために兄貴を引っ張り出し、勝ってもどうやら兄貴には渡さず自分だけ美味しい思いをしているっぽい感じだったし。
そしてこれは売る上では仕方がないのも重々承知しつつ、ポスター等のビジュアルではステイサムはデカデカと主役級で中央に鎮座しさらにコピーでまで言及されていますが脇役です。逆に言えばそれでも中央に置かれるぐらい売れているのがすごいわけですが。
主人公、完全にサム・ライリーですからね。なのに日本に限らず本場(アメリカ)でも端っこの方に寄せられてて気の毒極まりありません。
それだけパッとしないと見なされたのかもしれませんが、彼のパッとしなさ以上に映画がパッとしないというのが回答です。
映画もロシアン・ルーレット、ハズレを引くことがある…そんな戒めなのか!?

このシーンがイイ!

うーん…何もなかったような…。

ココが○

これも特には…。「集団ロシアン・ルーレット」って設定は面白いとは思いますが、それを活かしきれない詰めの甘さもまた同時に感じました。

ココが×

いろいろ書きましたが一番はやっぱり人物描写の薄さだと思います。マジでミッキー・ロークとか雑音でしかなくてなんでいるんだよ感がすごい。(彼が悪いわけではなく、彼の役が悪い)

MVA

いやーほんと誰でもいい。ぶっちゃけ。ここまで各キャラに何かを感じ取らなかったのは久しぶりです。
でもまあ一応ルールなので…不満もありつつこの人に。

サム・ライリー(ヴィンス・フェロー役)

主人公の参加者。
やっぱりいきなり極限状態に放り込まれた緊張感みたいなものはよく出ていたと思います。参加前とは人間が変わったような表情を見せて。
彼とステイサムの兄役のレイ・ウィンストンは良かったんじゃないでしょうか。まあメインの二人ではありますからね…。

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