映画レビュー0518 『ラスベガスをぶっつぶせ』

最近更新がおろそかで申し訳ございません。

GWも更新できず、映画すら観ていなかったということで、一部では「いよいよリア充か…!」と言われているとかいないとか言う噂も無いわけですが、なんてこと無い最終章を迎えたために久々復帰したFF11にドハマりしていただけ、という。いい歳こいてまたゲームしてるだけのGWを過ごしていました。お恥ずかしい限りです。

さて、今回も古い映画…に見えそうなタイトルですが、比較的最近の映画でございます。

あんまり馴染みのない主演陣+名のしれた名優、ってケースは割とハズレが多いので、微妙そうな気もしつつ観たところ、さて…。

ラスベガスをぶっつぶせ

21
監督
脚本
ピーター・スタインフェルド
原作
『ラス・ヴェガスをブッつぶせ!』
ベン・メズリック
音楽
公開
2008年3月28日 アメリカ
上映時間
122分
製作国
アメリカ
視聴環境
BSプレミアム録画(TV)

ラスベガスをぶっつぶせ

MITでもトップレベルの優秀な生徒である21歳のベンは、ある日教授からラスベガスで荒稼ぎを繰り返すブラックジャックのチームに誘われる。初めは断った彼だったが、医科大への進学費用のため、「費用が貯まるまで」という条件付きで仲間に入るのだった。

意外といろいろ示唆に富んでて○。

7.5

(「ラスベガスをやっつけろ」へのオマージュとは言え)あからさまに安っぽい邦題に「またセンスクソゼロだな!!」といきり立ったところ、どうやら原作本がこのタイトルらしく、今回は配給会社の責任でもないようで。つーか邦題付ける人、みんなこんなセンスなのかよとウンザリしますが、こんな安っぽい邦題とは裏腹になかなか“今っぽい”、どんでん返し的な内容も盛り込みつつ、「ただのオサレカッコつけ映画なんじゃないか…」と震える予感を良い意味で裏切ってくれた、予想外に面白い映画でした。やったね。

「学費を稼ぐまで」と乗り気でなかった主人公がブラックジャックのチームに引き入れられ、まあ当然ながらのめり込んでいき、いろいろ変わってしまった自分の先に待つものは…。そんなお話。

このお話にはモデルになった人物もいてこういう事件も実際にあったらしく、そういう意味ではなかなかリアルな内容になっています。

余談ですが、僕も少し前にポーカー(日本で言ういわゆる“普通のポーカー”に当たる「ドローポーカー」ではない、「テキサスホールデム」という007 カジノ・ロワイヤル」に出てきたやつ)にハマったことがあり、その時にいろいろ見聞きした話では、実際ブラックジャックには最適解のようなものがすでに見つかっているので、こうしたチームプレーをやれば(モラルの問題その他置いておけば)確実に儲かるのは間違いないようで。

その手法として重要になってくるのが「カウンティング」と呼ばれるカードを数えて記憶する技術なわけですが、まあこれはブラックジャックに限らず、例えばカードゲームの類でも勝負には大事になってきたりするので、割とそういうゲームが好きな人にとっては馴染みやすい話ではあります。

そんなカウンティングに才能を発揮する主人公が、ラスベガスで荒稼ぎして豪遊し、大切だったはずのアレやコレを放り投げて本分を忘れた挙句、はてさてどうなるんでしょーか、という非常に示唆に富んだ内容で、傍から(映画を)見てる人間にとってみれば、そりゃー“出る杭は打たれる”し、何事も程々が一番ですよ、と言ってやりたくもなるところですが、まあやっぱり渦中にいるとなかなかそういう冷静さっていうのも持ちにくいものなんでしょう。

慣れと慢心、そしてその稼ぎが当たり前になった後に元に戻れなくなる怖さ。割とテンポよく(嫌いな表現だけど)スタイリッシュにカッコよく展開させつつも、そういう破滅的な兆候がそこかしこに見られるので、さすがに「このまま儲けてばんざーい」ってな話じゃないのは当然で、さてそれじゃあ限界点を迎えた後にどういうカタを付けるのか、その辺の内容が見所と言えます。

展開としてはやっぱりベタでもあるし、一般ウケしやすいありきたりな内容でもあると思いますが、それでもテンポの良さと、そこかしこに散りばめられる「人間の業」的なものから来るちょっとしたトゲのようなもののおかげで、意外とバカに出来ない“浅すぎない”娯楽映画としてなかなかいいデキではないかと思います。

自分自身、調子に乗った時にいかに冷静に自分を戒めることができるのか、その大事さを考えながら反面教師的に観ていたこともあって、これはこれで結構しっかりこの気持ちを忘れないようにしないといけないな、と持ち帰るものがある映画だった気がします。(もっともこんな絶頂期が来る気もしないけど)

なんか同じような内容を繰り返し書いているような気がしたわけですが、それはそれでいいじゃない、ということで。タイトルの安っぽさから良い意味で裏切られる映画でした。

このシーンがイイ!

電車でキスを拒まれるシーンがなんかリアルで良かったですね。あそこすんなり言ってたら完璧ただのオサレ映画だった気がする。なんとなく。

ココが○

全体的にテンポが良くて飽きさせず、無駄なシーンもほとんどない、軽そうに見えてそれなりに実力のある映画だと思います。誰にでも楽しめるであろうわかりやすい内容なのも○。

ココが×

これはもう一点だけ、特大のものがあるんですが、若干ネタバレになるのであんまりしっかり書けません。

という前フリを踏まえて書くとですね、終盤のあの人、チョロすぎ。あんな単純じゃないでしょう。もうちょっとあそこは丁寧にやって欲しかった。序盤の主人公が乗ってくるかどうか、みたいな描写よりも丁寧にするべきじゃないかと。

MVA

相変わらずケヴィン・スペイシーはお上手。この手の役は似合ってますね。

主役のジム・スタージェスはなんか観たことある気がしてたんですが、「鑑定士と顔のない依頼人」の兄ちゃんだったとは。久々の節穴観客登場の巻ですが、まずまずの演技だったように思います。ただ「鑑定士と顔のない依頼人」での演技の方が良かった。

ということで今回はこの人かなー。

ケイト・ボスワース(ジル・テイラー役)

ヒロインですね。

まあ、ぶっちゃけ演技どうこうよりも、どんな変装してもやっぱり目を引くようなかわいさがあったので、こりゃ役に合ってて納得だね、っていう。観客が男ゆえの選出です。

あんまり観たことがない人でしたが、最初に登場した時よりも時間が経つにつれてどんどん良くなっていく感じで、こっちも惚れちゃいそうな感じで見事にやられました。

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