映画レビュー0838 『ROCK YOU!』

オススメ映画その2。タイトルすら知らない映画でしたよっと。

ROCK YOU!

A Knight’s Tale
監督
ブライアン・ヘルゲランド
脚本
ブライアン・ヘルゲランド
出演
シャニン・ソサモン
ルーファス・シーウェル
マーク・アディ
ローラ・フレイザー
ジェームズ・ピュアフォイ
音楽
公開
2001年5月11日 アメリカ
上映時間
132分
製作国
アメリカ
視聴環境
TSUTAYAレンタル(ブルーレイ・TV)

ROCK YOU!

貴族や騎士のみが参加できる馬上槍試合が盛んな中世。ある日の試合前、従者として世話になっていたエクター卿が死亡してしまったウィリアムは、試合に出なければ食べ物すらままならないためにエクター卿と偽って試合に出場、辛くも勝利を遂げる。そこから彼の本当の旅が始まった。

王道中の王道を堂々と歩く潔さ。わかってるんだけどたまらない!

8.5
中世を舞台にした、貧しい従者のサクセスストーリー
  • イロモノかと思いきや王道中の王道、少年ジャンプのようなストーリー
  • ヒース・レジャーのハリウッド初主演作
  • わかりやすい構図にわかりやすい展開は嫌味がなく爽やか
  • わかってても最後は男泣き

邦題の「ROCK YOU!」は例のクイーンのアノ曲から取っていると思われ、実際オープニングでも中世なのにあの曲に載せてリズムを刻む兵士その他の姿が描かれます。

ジャケ裏にも「使われている洋楽リスト」的なものが書いてあり、「もしや中世を舞台にしたロックミュージカルとかなのか…!?」とか不安を感じつつも借りた(オススメされたのであんまり詳しくジャケットは見なかった)んですが、これがびっくりするぐらい王道のお話でした。

中世でロックその他現在の音楽を使う、っていうのは確かに物珍しいんですが、でもその部分はそこまで大きく押し出しているわけでもなく、ギャップがあるシーンなんてそのオープニングの他に1つぐらいなもので、後はもう本当に普通の中世立身出世物語です。なのでまたもや邦題センスねーな問題が降り掛かってくるわけですが、まあそれは置いておきましょう。

主人公のウィリアムはエクター卿というベテラン騎士の従者をやってまして、他にローランドとワットという2人の従者と合わせて4人で各地を転々としていたんでしょう。

エクター卿は流行りの馬上槍試合の選手(って言うのか?)が主な稼ぎとしている騎士様のようなんですが、映画冒頭にお亡くなりになってしまいます。

おそらくすでに結構なお歳でそんなに強くも無かったんでしょうね。仲間従者のワットが「もう3日も食ってねーぞどうすんだよ!」といきなりブチギレてのスタートとなるわけですが、「サーセンエクター卿死んじゃいやして」で終わるとそのままいつまで経っても飯のタネにはありつけない…ってことでウィリアムがエクター卿のフリをして試合に挑むことに。

元々この日までにエクター卿は「よほどヘマしなければ負けない」ポイントを稼いでくれていたため、見よう見まねで参戦した試合は辛くも勝利となり、なんとか周りにもバレずに賞金をゲットした3人。

じゃー飯食って各々で帰って達者でな、となるところを…昔から「いつか騎士になる」ことが夢だったウィリアムが提案するわけです。「勝てるとわかったから今後も騎士のフリして試合に出よう」と。

最初は猛反対するローランドとワットでしたが、ウィリアムの熱意に負けて承諾。途中で出会った詩人で身分証明書の偽造も請け負うジェフリーも仲間に引き入れ、“ウルリッヒ・フォン・リキテンシュタイン”として馬上槍試合のツアーに出る…というお話です。

主演のウィリアムを演じるのはヒース・レジャー。これがハリウッド初主演作ということで、ここからスターとして登り詰めていく彼の姿と劇中のウィリアムの姿がダブってより高揚感を誘うとか言う噂。おまけにこの映画とは直接関係はないものの、若くして亡くなってしまったその後も知っているだけにより輝きを増すというか…。なんとも言えない感情を抱く面もありました。

物語は最初に書いた通り王道中の王道のお話で、偽騎士として各地を転々としつつ実力をつけ、色恋ありつつ嫌なライバルも出てきつつのはてさてどうなるという物語。特段変わった部分はありません。

はっきり言って「ああこの出会いが前フリになるんだろうな」とか「ピンチはアレで乗り切るんだろうな」とかもう最初っから最後までほとんどわかりきった作りなんですよね。ほとんどの人は間違いなくどっかで似たような展開を観ていると思います。

だが!

それでも良い。いや、それが良い。

なんなんでしょうね、もう全力で王道をやりに来て、わかりきってるんだけど感動しちゃうし泣いちゃうし。

きっと下手に奇をてらわず、きっちり真面目に良いものを作ろうとした結果なんでしょうね。清々しいほどに王道で、清々しいほどに素敵な映画でした。

こういうの、小学生ぐらいの子供と一緒に親子で観たりしたら素敵だろうなぁ。きっと良い子に育つに違いありません。

一つだけちょっと不満だったのが、ヒロインのキャスティング。

もちろん綺麗な人ではあるんですが、ものすごく崇められる“絶世の美女”的な扱いの割にあんまりパッとしないんですよね。

彼女の従者があのベレニス・ベジョなんですが、なんなら彼女の方がかわいいじゃんっていう。

もっと言えば成り行きでウィリアムに協力することになる鍛冶屋のケイトが一番かわいいっていうね。まあ彼女も重要なキャラなのでそれはそれで良いんですが…。

ただ本当にコレでもかと「誰もが奪い合う絶世の美女」感を出してくるお話なので、それでコレかよ感は拭えませんでした。これぐらい煽るなら「レッドクリフ」のリン・チーリンぐらいの説得力が欲しい。「オーシャンズ11」でのジュリア・ロバーツ的なガッカリ感がありましたね。

まあね、そんな不満はあえて言えばのレベルなんでね。もうこれは観てください案件ですよ。本当に王道中の王道かつそれがハマっている映画なので、嫌味なく誰にでもオススメできる良さがある映画だと思います。

むしろこの映画が「ベタ過ぎてちょっとね」って思っちゃうようだとオレも汚れちまったな的な残念感すら漂う気すらします。「たまには王道観たいぞ」ってな時は最優先でオススメしたい。良い映画でした。

NETABARE ROU!

はい、おなじみ「ネタバレルー!」のコーナーですよ。ダジャレが細かい。

やっぱりなんと言ってもエドワード王子ですよ。ズルすぎでしょあの人。いやそりゃ最終的に絶対あの人が助けに来るんだろうとは思ってたけどもさ。けどもさ。かっこよすぎでしょう。

…の辺なんてベタの極みだったと思いますが、でもやっぱり「王子ー! 頼むー!」って感じじゃないですか。観てる方としては。

あそこで全然違うやつが助けに来たらもうガッカリすると思うんですよね。アダマーの従者とか。「アダマー様を倒してください…!」みたいな。えーっていう。

やっぱりその辺で狙いすぎず、素直に期待通りの展開を見せてくれる王道感が良いんだと思います。この映画は。「そうそうこれこれぇー!」みたいなね。

最後アダマーに勝った後に仲間4人が決め台詞を吐くシーンも、普段なら「はいはい出た出た」って感じそうなところなんですが…素直な人間に浄化されていたためか、「くぅー!」ってなっちゃうんですよね。「やったね決まったねぇ〜!」って。なんか。

ジェフリーによる決戦前の口上もベタなんだけどこっちとしては待ってましたで最高だったし、なんならその前に「口上もうないの?」ってちょっと寂しいなと思わされていたのでその辺もまた上手いなと。

悪役が悪役然としすぎな気もしましたが、それはそれでまたこの話には合っていたとも思うし、逆に最後に良い人ぶられても冷めそうだからこれで良かったと思うし。

やっぱり全体的に「普通に観ていれば望ましい王道の展開」をきっちり見せてくれたのが良かったんでしょう。

このシーンがイイ!

もーね、これは最終試合前のアレですよ。超胸熱。っていうか待ってた。ヨッ待ってました感半端なかった。

ココが○

くどいようですが王道過ぎるのでわかりきったお話なんですが、ただその王道の期待を高める→きっちり応える、っていう単純な構図の作り方がすごく上手い映画なんだろうと思います。これほど安心しながら世界に没頭できる映画もなかなか珍しいんじゃないでしょうか。素直で良かった俺、みたいな。

ココが×

個人的にヒロインがイマイチだった点を除けば特に無かったですね。ベタなのでどうしても突き抜けた期待以上感は薄いものの、ここまでしっかり気持ちよくさせてくれれば満足です。

MVA

ヒース・レジャーはもちろん良かったんですが、ただ普通のイケメン主人公的雰囲気以上のものはなかったかな、と。まだこの頃は、なんでしょうが。

それよりも彼の仲間である4人がとても良くて、みんなそれぞれ魅力的だったと思うんですが…でもこの映画は絶対この人の映画でしょう。

ポール・ベタニー(詩人ジェフリー・チョーサー役)

素っ裸で登場の貧乏詩人。

ギャンブル好きでどうしようもなくダメ人間感漂ってますが、口のうまさから来る口上の佇まいもたまらないし、もう本当にこの人の見せ場がたくさんあって。口だけじゃなくて止めるべきところで止めに入る感じとかも好き。

ポール・ベタニーは僕の中では不遇の役者というか…演技は上手いんだけど悪人面だからかあんまり良い役が来ない印象だったんですが、この映画は彼の代表作と言っちゃって間違いないぐらいにめちゃくちゃ似合ってたし良い役でした。

やっぱりウィリアムと同じ従者出身の他2人とは出自が違う分、知的で器用な面がよく見える使われ方もすごく良い。とにかく最高のポール・ベタニーでしたよ、ってことで。

ちなみにこの「ジェフリー・チョーサー」というのは実在する有名な詩人で、彼の個人史において何をしていたのか不明の時期にこういうことをしていたよ、という設定らしいです。

映画上ではその後「この物語」を紡いで有名になった、ってことなんでしょうね。このサイドストーリーもまた胸熱じゃないですか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA