映画レビュー0392『アバウト・ア・ボーイ』

いよいよ新生FF14のβテストに参加しまして、今は一旦終了しましたが本サービス開始も近いだけに、ちょっと映画鑑賞本数が減りそうな予感です。

でも映画は映画でやっぱり観たいので、なるべく観るようにはしますが、更新が減る可能性はあります。あらかじめ。

アバウト・ア・ボーイ

About a Boy
監督
脚本
ピーター・ヘッジズ
クリス・ワイツ
ポール・ワイツ
原作
『アバウト・ア・ボーイ』
ニック・ホーンビィ
音楽
デーモン・ゴフ
公開
2002年4月26日 イギリス
上映時間
100分
製作国
イギリス・アメリカ・フランス

アバウト・ア・ボーイ

父親の印税収入のおかげで一度もまともな仕事に就かず、悠々自適の生活を送るウィル。それなりにモテるために何人もの女性と遊んできたが、長く続いた試しがない。いつも自分から別れを切り出す気まずさに辟易していた彼だが、たまたま付き合ったシングルマザー相手の気楽さに味を占め、片親が互いに励まし合うグループ「SPAT」に行き、2歳の息子がいると偽りながらシングルマザーの女性をデートに誘うことに成功。だが当日、彼女は自分の子供だけでなく、彼女の友達でSPATのメンバーでもあるフィオナという女性の息子・マーカスも連れてきた。

レア設定のヒューマンドラマ。爆発力は無いものの、じわじわいい。

8.0

ヒュー・グラント主演の軽めのヒューマンドラマ。もしかしたら、最近自分としては「ヒュー・グラント主演のイギリス映画」ってもっとも外れないパターンかもしれない、っていうぐらいたまりません。今回のこの映画もご多分にもれず、安定感ばっちりで安心して観られる良作でした。

ちょっとあらすじだけではわかりづらいと思うので、少し砕いてご説明。

定職についていないダメな独身男が、「シングルマザーは勝手に自分が悪いと思ってくれるから楽でいいや」と気付き、シングルマザー狙いを決め込んで片親の集会に参加、良さげな女性を誘ったらその女性の子供とは別にもう一人、別の女性の息子・マーカスがついてきます。

ですがマーカスのお母さんはちょっと“ワケあり”な女性で、そのデートの日、自殺未遂で病院に運ばれてしまい、「母親が元気になるにはどうすればいいだろう…」と悩んだマーカスは、知り合ったウィルの家に押しかけるようになり、次第に二人の間には友情が芽生え…というようなお話です。

物語はオープニングからずっと、ウィルとマーカスの言動の裏でそれぞれの本音が流れるような構成。

表向きは紳士的だけど裏では不満だらけ、というありがち男・ウィルに対し、生意気だけど子供らしく悩みながら暮らすマーカス。お互い初対面は鬱陶しいようなめんどくさいような感じで、特にウィルは子供も別に好きじゃないだけに、マーカスが押しかけてくるようになってもう勘弁してくれよ、という状態から、徐々に「来ないと寂しいじゃないか」みたいに変わっていく様が「大人になりきれない男あるある」的な感じが見えてカワイイ。そしてそれを演じるのはヒュー・グラント、ってことでバッチリ似合いすぎです。

やがてウィルは一人のシングルマザーに本気になっていくんですが、その女性とのやり取りでなぜかまた「息子がいる」設定になっちゃったウィルが、仕方なくマーカスを頼り、彼女に「息子です」と紹介することになります。

独身男ウィルと、彼が惚れた女性とその息子、そして全然関係のない男女の子供であるマーカス。この不思議な関係がどこかおかしくて、相も変わらずイギリス映画らしいちょっと斜めの面白さがたまりません。

ウィルは38歳なんですが、「男は元々子供」という点を差し引いたとしても、定職に就いていたことがないだけにやはり少し精神的に成長しきれていない部分が多少見受けられます。

ただ、あからさまに子供っぽいというわけでもなく、本人が自覚する通り経験不足から来る「中身の薄さ」に起因する面が強く、この辺りは結構共感できる部分が多かったんですが、そんな彼が「鬱陶しい子供」と思っていたマーカスと過ごすことで成長し、またマーカスもウィルと過ごすことで成長して、言ってみれば「大きな男の子と小さな男の子の成長物語」という感じで。

これ、実は結構女性ウケする物語なんじゃないかなぁ、と。同性から観てももちろん面白いし、自分を省みる要素があるんですが、でも女性的に観ると、おそらく「男ってほんと子供ねー」っていう、「仕方ないわね、でもかわいいわね」みたいな感じで観られるような。母性本能をくすぐる系って言うんでしょうか。そういう要素のある、なかなか珍しい映画なんじゃないかと思います。

終盤の展開はベタでもあるし、感動して泣けるとかもないんですが、ただきっちりと「ウィルもマーカスも成長しました」っていう過程がよくわかって、なおかつライトに楽しめる映画的なうまさは好きですねぇ。

他人の子供と男の友情を育みつつ、本当の親子のような関係性を築いていきながら、シングルマザーたちとのアレコレも入ってくるなかなか珍しい人間関係の映画なんですが、その辺りに複雑さを感じさせず、ライトに気楽に楽しめる作りの良い映画だと思います。

このシーンがイイ!

序盤ですが、シングルマザーとの会話のシーンで、ヒュー・グラントの複雑な感情を表す表情がすごく良かった。うまいなぁ、と。

あとマーカスのクリスマスプレゼントも良かった。

ココが○

2000年前後の、この頃の映画っぽい劇伴の良さは書いておきたいポイント。洋楽の流し方がいいです。この頃の映画、特にイギリス映画はそういう傾向が顕著な気がしますね。シーンとのオーバーラップのさせ方がうまいというか。

ココが×

大きくどかーんと何かがある、っていうわけではないので、地味と言えば地味ではあります。

ただ、それでいいと思います。この映画は。本当に気楽に観られるし、多分嫌いな人もそんなにいないと思う。

MVA

マーカスの母親役であるトニ・コレットが、相変わらず(?)難しい役柄をしっかり演じていて、この人にしようか悩んだんですが、まあごひいきということもあり。

ヒュー・グラント(ウィル・フリーマン役)

なんなんでしょうね、この人のマネできない個性。本当に独特の立ち位置にいる役者さんだと思います。すごく普通っぽいんだけど、でもこの人の役はこの人にしかできないものが多いなと。

カッコイイけど嫌味じゃないからダメ男が似合う部分が最大の良さでしょうか。この映画でも存分に発揮しています。でも今まで観た中でも割と細かな演技が多かった気がして、「ただのダメ男が似合うイイ男」じゃないな、と。ヒュー・グラントマニアにはオススメしたい一作。

あとマーカス役のニコラス・ホルトも良かったです。これまた普通の、でもちょっとズレた男の子っぽさが。

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