映画レビュー0410 『アフタースクール』

気付けばもう年の瀬ですなぁ。いやホント。

今年はかなり鑑賞本数も減ってしまい、めんどくさいし「なんプロアワード」もやめようかなと思っていたんですが、振り返るとやっぱりヒトコト言いたい良い映画も結構あったので、やります。誰も期待してませんが、やります!(元気に)

で、今日はたまに登場の邦画シリーズ。

確か我らが大泉洋大先生が出ているというだけで録画しておいたこの作品、邦画の時点であんまり気が乗らないので(だったら観るな)、ひどくダラダラと集中せずに観ていたわけですが、これが実は…!

アフタースクール

After School
監督
脚本
内田けんじ
出演
佐々木蔵之介
常盤貴子
音楽
羽岡佳
主題歌
『あの透明感と少年』
monobright
公開
2008年5月24日 日本
上映時間
102分
製作国
日本

アフタースクール

母校の中学校で働く教師・神野。ある日、彼の同級生で親友の木村が、神野自慢の外車を借りたまま消息不明になってしまう。そこへ、同じく同級生だったと言う男が神野を訪ね、「木村を探している」と連絡先を聞きに来る。どうやら彼は探偵らしいが、神野は彼のペースに巻き込まれ木村探しを手伝っていくうち、大きな事件に巻き込まれていき…。

邦画サスペンスの大傑作では?

9.0

観終わった今振り返れば「最初からもっと集中して観とけやボケ!」と自分を叱責したい。実際。まさか邦画でここまで練られ、かつテンポよく軽快に展開するサスペンスが観られるとは! と驚きました。

文章力のなさも手伝って非常に申し訳ないんですが、あらすじにせよ、途中の展開にせよ、ヘタに書くとすぐネタバレにつながっちゃうような「ネタてんこ盛り」な映画なので、いろいろアレコレ書けないのが口惜しい。なのでレビューおしまい!

というわけにもいかないので、差し障りの無い程度にあらすじ。

まず我らが大泉洋大先生。

彼が演じるのは神野という平凡な中学校教師で、まあお人好しそうで「いかにも大泉洋」なキャラ。

彼の親友は堺雅人演じる木村という、とある一流企業に勤める真面目なサラリーマン。その二人の同級生で中学時代のマドンナだったのが常盤貴子。彼女はまさに出産間近なんですが、その彼女を置いて木村は姿を消してしまいます。

ある日、木村の勤める会社では、彼が謎の女性と密会している場面をたまたま同僚が目撃、隠し撮りした写真で盛り上がっていたところ、社長の側近・唐沢がその写真を引き取り、社長へ報告。

どうやらワケありらしく「木村を探せ」と社長に命じられた唐沢は、裏稼業として探偵を営む男・北沢に木村探しを依頼。北沢は同級生のフリをして木村の連絡先を聞こうとかつての母校へ訪れると、「じゃあ神野先生とも同級生だろ」ってことで神野を呼び出され、北沢は同級生の体で神野を木村探しの助手として連れ回し…とまあ文章でウダウダ説明してもなんだかなーという感じですが、そんな感じで胡散臭い登場人物が入り乱れ、はてさてどーなんねん、というお話。

「失踪した木村と謎の女」を探すのがメインの展開ですが、そこだけでは終わらない二転三転の物語は邦画(とくくるのもなんですが)とは思えないレベルで、途中からの引力は素晴らしいものがありましたね。

「どうせ子供だましの邦画らしいサスペンスなんでしょ」って醒めて観ていたところにグチーンと頭を殴られたような急展開、後はもう一気に見せてくれます。

まず何がうまいって伏線の使い方がウマイ。

もーね、わざとらしくカットが挟まると、やっぱり「あー、これ後で出てくるのね」ってなるじゃないですか。その予想をするりとかわしつつ、きちんと使って「あれなんだったんだよ」が無い、軽いようできっちり作っている内容はお見事でした。

大泉洋主演なだけにそれらしい軽さもありつつ、でもストーリーはしっかりしていて惹きつけるし、軽快でありつつも見応えのある内容はきっちりと「映画」していて、エンタメ系サスペンスとしてここまで完成度の高い作品は洋画・邦画問わずなかなかお目にかかれないと思います。

やっぱり大泉洋主演、サスペンス、探偵登場と来るともはや比べるなという方が無理な探偵は某にいるも想像してしまいますが、あんな超極薄サガミオリジナル的なダメダメ映画を観るんだったらこの映画を観た方が数百倍幸せになれますね。もう間違いなく。

今から5年前の映画、恥ずかしながら全然タイトルも知りませんでしたが、ここまでしっかりとした邦サスがあったとは嬉しい誤算。

監督・脚本はこれまた評判のいい「鍵泥棒のメソッド」も作っていらっしゃるようなので、こりゃーこっちも観ないとあきまへん、と思った次第。

やっぱり邦画なので、当たり前ですが観やすいのも◎。それだけに序盤は集中してなかったという面もあって我ながら悔やまれますが、これはもう一度観てもいいかも、と思えるほどよくできてました。

もちろん、後から振り返れば観客のミスリードを狙ったシーンも結構あるし、「じゃあそれおかしくね?」みたいな部分もご都合主義的展開も当然あるんですが、個人的にはあの世間的にも評価の高い名作「ユージュアル・サスペクツ」よりも観客に対する悪質なミスリードが無いという意味で、良いサスペンスだったと思います。

時間も短めで申し分なし。オススメだ!!

このシーンがイイ!

これがまた良いシーンも結構あったんですが、差し障りの無いポイントとしては、伊武雅刀が笑うところ。あれ良かった。

あとラストカットもすごくいい。最後泣かせたるぜーとか驚かせたるぜーとかそういうあざとさのない、ほんのり笑える良いシーン。ウマイよこの監督さん!!

ココが○

展開以外で言えば、キャスティングがかなり考えられているように思いました。

大泉洋も大泉洋にやって欲しい役だし、佐々木蔵之介もすごく良かったし、堺雅人も(半沢直樹を見てたら違うかもですが)彼らしい役割だし、おまけに謎の女が田畑智子、ってもう。カンペキすぎる。

それがまた伏線というか…うまーく先入観を作ってくれてるのがまた素晴らしい。

ココが×

細かい矛盾点を除けば、特にコレと言って欠点は無いと思います。「邦画でオススメは?」って聞かれてまず最初に挙げたいぐらいかも。

サスペンスとは言えエログロの類も無いから幅広く楽しめる内容だろうし、映画通でも鑑賞に耐え得るいい作りで。知る人ぞ知る名作的な匂いがプンプン。

MVA

本当に役者陣もみなさん良かったんですが、今回はこの人だな、と思って観てました。

北見敏之(大黒役)

木村が勤める会社の社長。

怪しさと只者ではなさそうな雰囲気、そしてあざとくない自然な演技、と非常にお見事で、この人でかなり映画が締まっていたと思います。まさに名脇役でした。

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