映画レビュー0101 『都会のアリス』
地味に「俳優・女優別」「監督/スタッフ別」の人物リスト二つをアルファベット順から50音順に変更しました。ジンガイばっかだしアルファベット順だな! と思って始めたものの、自分で見てみたら恐ろしく使いにくかったので。てへ。
[2017年追記]
上記の話は当然移転前の「なんかのプロジェクトM」での話なんですが、今回も50音順にしています。
略称の扱い(J・J・エイブラムスとか)もあるのでどうしようかなぁと悩みましたが、結局前と変えていません。
まあそんなに厳密にあれこれ考えてるのは自分だけだしね…。来る人あんまり気にしないよね、と甘える方向で。
都会のアリス
何も残りませんでした…。
「ペーパー・ムーン」の翌年の公開作品ですが、監督が「ペーパー・ムーン」の試写を観て、内容があまりに似通っていたために後半を中心に脚本を書き直して作り上げた作品として有名らしいです。そんなわけで「ペーパー・ムーン」好きとして抑えておこうかな、と鑑賞。
結果としては、寝不足気味で集中力のない中観てしまったせいもあり、途中中断して一眠りしたり…とあまり入り込めないまま終了してしまいました。
気になっていた「ペーパー・ムーン」との共通点は、男が他人の少女と旅をする、というぐらいで、本質は結構違う映画じゃないかな、と思います。
じゃあなんであんまり入り込めずに終わったのか、と考えてみたんですが、まず「ペーパー・ムーン」の方は、同じモノクロでも映像がすごく綺麗だったので、絵作りという点でだいぶ差があったのが“つかみ”としての違いに出たのかな、という気がします。
どちらも古い映画で、今ほど撮影技術が進んでいるわけではないので、「綺麗」というよりは「味わい」と言った方がいいかもしれません。作品のポジション(名作と言われている「ペーパー・ムーン」と、しばらく絶版だった今作の違い)みたいなものもあってか、DVDの質、マスタリングの部分でも差があったのかもしれません。少しこちらの方がフラットな、平坦な映像に感じました。
あとはもう、本編の流れとか要素の好みの問題でしょうか。
「ペーパー・ムーン」は主人公の男がコメディタッチと言ってもいいほど、喜怒哀楽がはっきりしていたんですが、今作を観たことで、逆にそれが物語に観客を惹き付ける良い要素になっていたのかなーと気付かされました。もっと言えば、「憎めない」感じが良かったのかな、と。
今作の保護者君はとても31には見えないほどオッサンの雰囲気を漂わせていて、明るさもまったくなく、今で言えばオタクに入るんじゃないか、という感じの雰囲気を持っている部分があり、やや感情移入しにくいものがありました。アリスはアリスで、割と最初から懐いてる風でもあったので、感情の変化を見守るような感覚も少なく。
「ペーパー・ムーン」は商売をしながら旅をするという、その商売がまたいいフックになっていたんですが、こちらは家探しのみの旅なので、その辺りもちょっと導線が弱い気がします。「ペーパー・ムーン」での観客の感情を最高潮に持っていく、グッと来るラストの演出のようなものもなく、淡々と。
淡々とした映画が嫌いなわけでは無いですが、いかんせんちょっと淡々としすぎかな、と。
あっちみたいに「実は本当の親子なんじゃないの?」みたいなものもないので、いくらなんでも恋愛に結びつけるのは難しいだろうし、「関係性の深さ」という点で今ひとつ弱くなっちゃったのも残念。
自分がこういう作品をじっくり観るぞ、っていうテンションの時に観ていれば、もう少し受け取るものや印象が変わってきたかもしれませんが、ちょっと今日観た感じではサラッとしすぎていてすぐに忘れそうな予感。
あとは…やっぱり先に似たような種類の映画で好きな映画があると、なかなか後発を評価するのは難しいなぁという気もします。
この2作もそうですが、例えば「ディープ・インパクト」と「アルマゲドン」とか。僕は先に「ディープ・インパクト」を観たので、あっちの方が好きです。「アルマゲドン」はリヴ・タイラーの大根ぶりが許せなかった、というのもありますがそれは置いといて。
ボケーッとなんも考えないで観ちゃうと、そういう部分での難しさも出ちゃうんでしょうね。興味がある人は「ペーパー・ムーン」よりもこっちを先に観るべき、かもしれません。
このシーンがイイ!
二人でラジオ体操的な準備運動(?)をしているシーン。追ってマネするアリスがかわいくて良かったですねー。
ココが○
結構ラストが味わい深いというか、いろいろ先を考えたくなるようなものだったので、終わり方は悪くない気もします。そのまま受け取っちゃうとほんとにサラッとしすぎてるので、逆に深読みしてどうなるのか考えるのがこの映画の楽しみ方なんでしょう。
僕は今日は頭使わないモードだったので、やっぱりサラッと忘れそうですが。
ココが×
人のせいにするのもなんですが、もう少しだけ、集中するような要素が欲しかったですね。それは反面、余計なものを描いていない、という証拠なんですが、それにしても何も無さ過ぎて、
、みたいな。自分でもビックリするぐらい引っかかる部分がまったく無かったので、悪いテーマではないだけにそこが惜しいなぁ、と。
MVA
まあ、今回も順当に。
イェラ・ロットレンダー(アリス役)
「ペーパー・ムーン」のテイタム・オニールよりもこの時期での見た目は整っているような気がします。逆に言えば、整いすぎててつまらない部分はあったのかもしれません。
でもやっぱり、子役でこれだけ演じられるのはすごいですね。