映画レビュー1061 『ベイブ』

今年は(絵を描くのもレビューを書くのも面倒だから)もう新しい映画観ねぇ! と思っていたんですが、大晦日に配信終了が来る映画の中にどーしても観なければと思っていた映画が残っていたため、やむなく観ることにしました。それがこの映画だぜ。

ベイブ

Babe
監督

クリス・ヌーナン

脚本

ジョージ・ミラー
クリス・ヌーナン

原作

『The Sheep-Pig』
ディック・キング=スミス

出演

クリスティーン・カヴァナー
ジェームズ・クロムウェル
マグダ・ズバンスキー
ポール・ゴダード
ミリアム・マーゴリーズ
ヒューゴ・ウィーヴィング
ダニー・マン
ミリアム・フリン

音楽

ナイジェル・ウェストレイク

主題歌

『If I Had Words』
Mice

公開

1995年8月4日 アメリカ

上映時間

92分

製作国

オーストラリア・アメリカ

視聴環境

Netflix(PS4・TV)

ベイブ

優しい世界にほっこり。

8.0
食われる予定の子豚、まさかの“牧羊豚”の道へ
  • 寡黙な農夫にもらわれた子豚が牧場での生活に適応し、育てられる
  • 動物たちがバンバン喋る、動物から見た世界が中心
  • 優しさ溢れる世界に汚い魂が浄化される
  • やや低年齢層向けな感はアリ

あらすじ

非常に好みの近い映画友達にオススメして頂き、これは観なければと温めておいたところ「ネトフリにあるじゃん!」「でももう終わるじゃん!」ということで鑑賞。

少し自分の中で観るべきタイミング、ピークの時期を過ぎたような気はしますがそれでもさすがに評判通りの良作でした。

主人公は子豚のベイブ。彼(?)は養豚場で生まれ、他の豚同様に食用で出荷されるはずだったところを祭りの「体重当てコンテスト」用にもらわれていき、見事その体重を当てた農場主のアーサー(ジェームズ・クロムウェル)の元へ行くことになりました。

彼の経営する農場には、羊や牧羊犬、馬に牛にニワトリにアヒルと様々な動物たちがいて、ベイブは彼らからこの農場のルールについて学びつつ、牧羊犬のフライを母親代わりに日々過ごします。

しかし当然…豚の用途は唯一つ、「食用」です。よっていつかは食われる運命にあるベイブだったんですが、とても優しく賢いベイブの姿を見たアーサーは彼を普通に育て始め、やがて牧羊犬と同じ仕事を担う「牧羊豚」のような形で農場に居場所を見出します。果たして彼の運命やいかに…。

豚への複雑な思いを抱かされる

ジェームズ・クロムウェルが主役とは渋い映画だぜ…と思っていたんですが、実際は動物たちが主人公の感が強く、めっちゃ喋ります。動物たちが。

その中でもベイブは小さい頃に連れてこられたからか純粋で優しくかわいらしい豚なので、当然ながら観客も親のような気分で彼を見守ることになるお話です。

まー豚がこんなにかわいいとは思ってなかったよ、と誰もが言うであろうレベルでかわいらしい子豚像を感じさせてくれる素晴らしい作りで、この映画の出演を機に本格的なヴィーガンになったというジェームズ・クロムウェルの逸話も頷けます。っていうか豚肉食べるときに思い出さないように気をつけないと本当に食べられなくなりそう。それぐらいベイブが健気でかわいい。

展開としては予想できるものだし、動物たちのキャラクターもひねりすぎないので思っていたより低年齢層向けのファミリー映画感が強かったんですが、ただそれと同時に動物自身が人間とは違って無垢な存在であるのも事実なので、「子ども向けに寄せたキャラクター」というよりは「動物が話せばこうなるだろう」という無理のなさが、逆に人間の罪深さのようなものを浮かび上がらせていたという気がしないでもないという深い話かもしれません。

やっぱりどうしても豚=食用家畜であることは動かしがたい事実なだけに、「このかわいい動物を食べていいのか」みたいな観点を抱かざるを得ない映画だと思いますが、一方でそういう思想に呼び込むある種のプロパガンダ臭が無いわけでもないので、まるっきり感化されるのも危険だし、かと言って何も感じずにただただウマイウマイ言って食ってりゃ良いという話でもなく、その狭間で揺れ動く複雑な気持ちが「思ったより深い話かもしれない」という思いに至らせたという噂です。

となるとやっぱり…できるだけストレスのない健全な環境で育てられた豚を、感謝の気持ちを抱きながらありがたく頂くのが一番なんじゃないか…という思いを改めて抱いたんですが何の話をしているんでしょうか。そんな話でもないんですが。

妙なところで真面目なタイプなので、そういうところまで考えていろいろ思いを馳せてしまったのは事実です。でも豚肉好きなのでヴィーガンも無理だよな…みたいな。

犬も忘れるべからず

だいぶ話が逸れてしまって申し訳ない限りですが、もう一つ言っておきたいのは「母親代わりの牧羊犬」フライのかわいさ。

ご存知の通り愛犬家としてはこの子の聡明そうな見た目と母性溢れる役どころはたまらないものがあり、何かと猫オシ傾向の強い昨今の世の中に感化されつつ「やっぱり犬、いいな…」とじんわり来ましたよ。今度猫飼うつもりだけどさ。でもやっぱり犬もいいじゃない。

「牧羊犬ならぬ牧羊豚になる」お話なだけに、先輩牧羊犬であるフライと彼女の旦那的存在のレックスもかなり重要な役割を担っているのがまたいいですね。序盤に出てくる彼女の子どもたちもスーパーかわいくて最高でした。

間違いなくファミリー映画ではありますが、大人もほっこり優しい気持ちになれる映画でもあるので、ここはぜひ…やっぱり親子で一緒に観てほしい映画ですね。

そして僕は今年も子どもどころか結婚どころか交際の予兆もまったくない一年を送りましたが、もう慣れたので特に何も感じていません。アディオス!

このシーンがイイ!

これはやっぱり、貴重なジェームズ・クロムウェルのダンスシーンですよ。とても良かった。ほっこり度高し。

ココが○

ベタですが、やっぱり純粋な主人公というのはどこか胸を打つものがありますね…。ベイブ、本当にかわいかった。

ココが×

ひねりがない分、あまり響かずに終わっちゃう可能性はあると思います。良くも悪くも「古き良きファミリー映画」って感じでしょうか。

MVA

まあほぼ一択なので…。

ジェームズ・クロムウェル(アーサー・ホゲット役)

ベイブをもらってきた農場主。

朴訥で静か、でも優しさのある農夫がもうピッタリハマりすぎ。

今となっては大俳優の一人ですが、しばらく鳴かず飛ばずだったのがこの映画をきっかけに知られていくようになったらしく、となると結構な遅咲きになりますね。苦労人だ。それだけに余計に似合う気がする。

多くを語らないけど優しさが感じられる雰囲気、とても良かったですね。

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