映画レビュー1074 『ベテラン』
本日はずっと観たいと思っていたこちらの映画、アマプラにて。
どうでもいい話なんですが、この映画はなぜかアマプラに字幕版が2つ存在しており、片方は普通に観られて、もう片方は「ただいま鑑賞できません」となっている謎仕様なんですが、以前アマプラ無料体験中に「観るぞ!」と検索をかけたら観られない方しか出てこず、「マジカヨふざけんな!」と怒りのアマプラ退会を誘発した自分にとって曰く付きの映画になります。どうでもいい話ですねマジで。
ベテラン

ストレートさが気持ちいい熱血刑事モノ!
- 世話になっていたトラック運転手が親会社の財閥ビル内で自殺未遂
- 独自に捜査を始めるも管轄外&権力の前にうまくいかないベテラン刑事
- ストレートでオーソドックスな展開ながら迷いがないので気持ちがいい
- ファン・ジョンミンがノリノリで良き
あらすじ
ファン・ジョンミンと言えばやはり「新しき世界」のチョンチョン兄貴のイメージなんですが(というか今のところこれしか観たことがなかった)、今作は思いの外かっこよくて結構驚きました。キングカズにちょっと似てる。
主人公のソ・ドチョル刑事(ファン・ジョンミン)は広域捜査隊のベテラン刑事でございます。オープニングで同僚のミス・ボン(チャン・ユンジュ)とカップル客のフリして車盗難転売組織的なやつらを懲らしめております。
彼は仕事絡みで何度か、ペさんという運転手にお世話になっているんですが、ペさんの勤務先はいわゆるブラック的な運送会社のために待遇改善を求めて所長と揉めております。
所長曰く「俺に言ってもしょうがない。直接上(親会社)に言え」とのことで意を決したペさんはヒエラルキー最上位に位置するシンジン財閥のチョ・テオ(ユ・アイン)企画室長と対峙することに。
このチョ・テオ氏、肩書こそ企画室長ですが実際はシンジン財閥直系の御曹司であり、常務ですら操縦の効かない文字通り好き放題生きているクソ野郎なわけです。
ペさんは所長とともに彼の部屋に呼ばれ、そこで「男同士拳で語り合え」とばかりに殴り合いを強要され、大怪我を負って慰謝料を手にしますがその後同じビルで階段から飛び降り意識不明の重体になっているところを発見されます。
一連の動きを知ったドチョルは直接捜査を開始。当然のようにしがらみだらけの“財閥案件”故に捜査は遅々として進みませんが、それでも怯まず戦うドチョル刑事。果たしてクソ御曹司に正義の鉄槌を食らわせることができるのでしょうか。
どストレートな勧善懲悪
「新しき世界」もそうでしたが、やっぱり韓国は日本以上に経済界における財閥系の力が強いんですかね。まあ本当に絵に描いたようにクソボンボンが悪役ということもあり、非常にわかりやすいストレートな物語になっています。
ただそのクソボンボンの尻拭いにしても、捜査を妨害するアレコレにしてもなかなか生々しいリアリティがあり、「現代版勧善懲悪刑事アクション」というところでしょうか。
悪いやつは本当にイライラするほど悪いし、いいヤツはいかにもな熱血漢だしで今どきこの手の話を作るとなると結構小手先でアレコレしちゃいそうな気がするんですが、そういうのは捨ててとにかくストレート勝負、打てるもんなら打ってみろという潔さがとても気持ちいい映画でした。
またドチョル刑事は単独で独走し始めるものの、いつの間にか同じ班のメンバーが手伝っていて気付けばチーム戦になっている辺りも胸アツ。特にオ・ダルス演じるチーム長のオ先輩が良い。
オ・ダルスと言えば先日観た「7番房の奇跡」で監獄内のリーダーを演じていたんですが、あの映画でもこの映画でもとてもいい味を出していて早速好きな俳優さんになっちゃいましたね。コメディ的な味付け役として存在感が大きい。あと顔面も大きい。
今どきなかなかこんなストレートに“正義”を体現しようとする刑事というのはいなさそうだなと悲しくもなるんですが、だからこそこういう創作にスカッとする面は間違いなくあるわけで、現実の世知辛さの裏返しのような勧善懲悪が一周回って評価されつつあるのかもしれません。
ちなみにこの映画は公開から3年の早さで中国にてリメイクされているそうです。それだけどこの国でも鬱屈した権力に対する不満みたいなものが強いんでしょうね。
清々しさすら感じる潔い物語
例によってあとは興を削ぐので特に書くこともなく。
なんとなく思ったのは…こういうストレートな物語を迷わずに、力強く描き切れるのもまた力量だなと改めて感じました。なんと言うか、恥じらいを見せない力強さがすごく良い。
なんとなくこういう勧善懲悪モノは今の時代だと素直に送り出しづらい雰囲気がある気がするんですよね。ひねりが無いことに対する保険をかけたがるような傾向というか。
この映画はそういうことは気にせずとにかくまっすぐ突き進む姿勢があって、それがすごく気持ちが良い。もちろん気付いていない細かいところで巧みな見せ方があったりするんでしょうが、そう感じさせないようにストレートに見せきっているのもまたすごくて、それ故に清々しさすら感じる潔い物語になっています。
普通に続編とかも作れそうだし、もうちょっとこのキャラたち観てみたい気がするな〜。
このシーンがイイ!
奥さんはあんまり登場しないんですが、中盤登場したとあるシーンがとても印象的ですごく良かったですね。人間らしい葛藤を見せつつ矜持を持った生き方をしている奥さん、めっちゃかっこいい。そこで最後に放ったセリフもイイ。
あとうなぎのシーンもね…良いですね。
ココが○
誰にでも理解できる内容でありつつも素直に面白い点。人を選ばない良さがあります。
ココが×
やっぱりひねりは無いので意外性も無いのは事実です。ただそれを求めたら違う映画になっちゃうし、これはこれでもう完成形だと思います。
MVA
主要メンバー皆さん良くてどの人でも良いんですが…結局この人かなー。
ファン・ジョンミン(ソ・ドチョル刑事役)
主人公の熱血漢。
何が良いってノリノリなんですよ。もう。ファン・ジョンミンが。すごい楽しそうで。それだけで最高だなと。
それとやっぱりオ・ダルスも捨てがたい。情けなさと人の良さを感じさせる先輩像がお見事。
あとシンジン財閥のお二方(クソボンボンと常務)も良かったですね。やっぱりストレートな映画なので悪役が悪役らしい活躍を見せてくれないと台無しですから。本当に皆さん良かったです。ミス・ボンとかもね。


