映画レビュー0356 『ビッグ・ウェンズデー』

今年はまだ「映画観るぞ!」って感じになっていないのでアレですが、時期が来たらそろそろ「前に観た名作のご紹介」的な感じでなんプロにレビュー未掲載の再鑑賞映画を増やそうかと思ってます。映画っていうのは不思議なもので、同じ映画でも数観た後だと印象も変わるし、どっちを先に観たかでも全然変わってくると思うんですよね。(例えばディープ・インパクトとアルマゲドンとか)

果たして昔観た映画が今観ても変わらず面白いと思えるのか、自分自身気になるところでもあるので、そのうち取り上げようと思います。

ビッグ・ウェンズデー

Big Wednesday
監督
ジョン・ミリアス
脚本
ジョン・ミリアス
デニス・アーバーグ
出演
ジャン=マイケル・ヴィンセント
ウィリアム・カット
ゲイリー・ビジー
リー・パーセル
サム・メルヴィル
音楽
公開
1978年5月26日 アメリカ
上映時間
119分
製作国
アメリカ

ビッグ・ウェンズデー

サーファー仲間のマット、ジャック、リロイの3人は、青春を謳歌するように遊び呆けていたが、やがて彼らにも戦争への召集令状が届き、それぞれがそれぞれの道を歩み始める。

サーフィンに馴染みのある人なら。

6.0

かつて「伝説のサーファー」と呼ばれたマットを始めとした3人の、サーフィンを軸にした青春友情ドラマです。

「戦争の召集令状」で一旦散り散りになる仲間たちを描いた青春映画、という意味では「ファンダンゴ」っぽい設定を感じますが、同じ“若さ”こそあれノリは全然違い、実は結構硬派な青春ドラマという感じでした。前半は長めのバカ騒ぎ、戦争を経て後半に物語が展開…という辺り、印象としてはむしろ「ディア・ハンター」に近いかな。

そう、まず前半かなりグダグダ「青春模様」が続くんですよね。パーティで女抱いて喧嘩して酒飲んでイエー、みたいな。前振りとして大事なのは重々承知しつつも、相変わらず自分はこの手のエピソードは好きじゃないな、と感じました。

そもそも僕自身、ご期待に漏れずサーフィンとは無縁の人生を送ってきているので、そもそもサーフィンに賭ける気持ちだとか単語だけは知っていた「ビッグ・ウェンズデー」への思いとかはまったくわからないわけです。その面で、入り口からちょっと共感しにくい部分があったのは否めません。

そのパーティのバカ騒ぎにしても、本当にこういう奔放で若さほとばしる遊びをしたことがないので、この歳になって羨ましさを感じないと言えばウソになりますが、同時になんかイライラするんですよね。なんだこいつら、と。作り物の映画に対してそこまで思う必要も無いんですが、感情的に好きになれない以上、そういう人たちが主役になる物語はやっぱりちょっと入り込みにくい面があります。

ただ、彼らもやがて大人になり、成長していくことで落ち着いた人間になっていき、最後の方はさすがにだいぶ寄り添って観られる感覚があったんですが、その最後に挑む「ビッグ・ウェンズデー」、もっと言えばサーフィンそのものがまただいぶ距離の遠い存在なので、やっぱり感情的にグッと引き寄せられる感じが無かったのが残念。

でもこれは裏を返せば「若い頃は結構波乗ったもんよ」的な人にはかなりグッと来る内容なんじゃないかと思います。

最初にも書きましたが、映画としては割と硬派で、前振りからエンディングまで、しっかりサーファーの友情と青春を描こうとしている良い映画だと思うので、多分サーフィンが好きな人には「No.1青春映画」になってもおかしくないと思います。

なので、単純にサーフィンに対する思いの大小で観る・観ないを決めていいんじゃないかと。サーフィンとはまったく無縁の、それどころか海にすらもう十年単位で行ってない人間が観ても「損した」って感じでは無かったので、良い映画だと思いますよ。

でも、僕は比較にならないほど、圧倒的に「ファンダンゴ」の方が好きです。「ディア・ハンター」のような壮絶な後味も無かったし、「サーフィン好きじゃなくてもグッと来る何かがあったか」と言われれば、それはノーなんじゃないかな、と思います。

このシーンがイイ!

地味なところですが、墓地でワクサーを偲びながら語るマット。ベタですが良いシーンでした。

ココが○

結構古い映画ですが、サーフィンのシーンはなかなか迫力もあって、今観ても色あせてないような気がします。もっともサーフィンに詳しくない人間が言ってもどうなんだ、っていうのもありますが。

ココが×

「サーファーを描いた青春映画」という意味では、おそらく金字塔レベルの名作なんだと思うんですが、単純に「青春映画」として観た時に、実はエピソードにもそんなに深みがない気がします。特に「時を経て再会」するにしても、その間それぞれがどういう人生を送っていたのか、の部分が薄い気がする。

一人は戦争、残りは適当にその日暮らし、みたいな感じというか…。もうちょっとここで深みがあったらまたちょっと違ったかもなぁ、と。

MVA

個人的にドンピシャなのはベアー役のサム・メルヴィルなんですが、ただちょっと終盤存在感が薄れていったのが残念。となるともう、この人しかいなかったかな。

ジャン=マイケル・ヴィンセント(マット・ジョンソン役)

主人公で名の知れた名サーファー。

最初はあどけないぐらいだったのが、歳をとるごとに落ち着きと貫禄すら感じる雰囲気を纏う辺り、なかなかだなと。サーファー的なかっこ良さもあるし、かと言って軽過ぎない感じが良かった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA