映画レビュー0310 『おいしいコーヒーの真実』

いやぁ、本当に今さらですが、びっくりするほど書くことが無いですね。日常的に。書くネタが尽きない人は本当にすごいなーと思います。どういう生活を送ってたらそうなるのか…。もちろんネタのためにアンテナを張っているとは思うんですが…。

今日(とある日曜日)も僕は、起きる→映画(これ)観る→ご飯→ゴールデンエッグス久々に観て笑う→眠いので昼寝→起きた(今ここ)という無駄感満載の一日でした。この後もう一本観て寝ますJust do it!

こうして人はみな、年老いていくのである。

おいしいコーヒーの真実

Black Gold
監督
マーク・フランシス
ニック・フランシス
脚本
ヒュー・ウィリアムズ
出演
タデッセ・メスケラ
その他コーヒー産業に従事する方々
音楽
アンドレアス・カプサリス
公開
2006年10月6日 アメリカ
上映時間
78分
製作国
イギリス・アメリカ

おいしいコーヒーの真実

全世界の経済活動において、石油に次ぐ第2位の取引規模を誇るコーヒー。だが末端のコーヒー農家は、まともに生きることすらままならないような生活を送っている。そんな状況を打破しようと、流通に変化をもたらすべくアフリカ・エチオピアで奮闘する一人の男性、タデッセ・メスケラを中心に追うドキュメンタリー。

観やすいし観て欲しいドキュメンタリー。

7.5

まず朝出社するとブラック一杯飲まないと仕事が始まんねーぜオイ、というタイプのワタクシ。コーヒー農家が大変だとは聞いた記憶はありましたが、大抵の人たちと同じく、さして詳しくもなく、また関心も持たずに今日まで来ました。ただコーヒー自体が好きなだけに、興味本位でちょっと観てみようかな、と鑑賞。

この映画の主役と言っていいでしょう、タデッセ・メスケラという人は、エチオピアで農協のような組合を作り、その交渉役として先進国で中間業者を通さずにエチオピアのコーヒーを販売するルートを作ろうと奮闘している人です。なぜそういう行動をしているのか、という部分がこの映画の中心と言えますが、極端に端折って書いてしまうと「農家が一番弱い立場にあり、買い叩かれることで生活が成り立たない今の状況を打破したい」というところです。

確かに彼らの生活は非常に過酷で、家が買えないから自ずと大家族になってしまい、お金がないためにきちんとした教育を受けることもできず、靴すら買えない生活を強いられているような状況。ではなぜそこまで追い込まれてしまうのか、そしてそれを改善するためにはどうすればいいのか、という話を、過酷なエチオピアの農家と、華やかなシアトルのスタバであったりバリスタ大会であったりといった先進国の現場との対比で浮かび上がらせる内容になっています。

さて、もう概要の時点で多少は経済に興味がある人ならわかるとは思いますが、実はこれってコーヒーに限ったことではないんですよね。日本国内に限っても、一次産業から消費者までの流れというのはいろいろ問題があるわけですが、この映画ではもっと大きな、グローバルな経済活動の中で、先進国と発展途上国に存在する格差、その末端で何が起きているのか、という「現代的経済問題の縮図」として非常に考えさせられる内容の映画になっています。

この映画で語られている問題については、もうあまりにも広範に及び過ぎている面もあるし、僕なんぞが「こうしたらいいんじゃないの」なんて軽く言ったところでどうにもならないような話なので、その辺はひとまず置いといて、映画としてどうなんだ、という話をすれば、まず「コーヒー」というテーマがいいですよね。おそらく誰もがそれなりに価格感を持っているもので、身近だし。

劇中でも、農家の人たちや豆の選別をしている人たちにどれぐらいのお金が渡っているのか、そしてそれがいくらになれば多少は違うのか、といった話を、具体的な数字を挙げつつ見せてくれるので、現実味があって理解しやすい内容になっていると思います。

構成としても、ごくごく標準的なドキュメンタリーと言えると思いますが、ベタに「先進国が悪い!」みたいな語り口は当然無く、生産農家と消費者に近いところと双方の話を差し込みながら、世界に存在する問題を浮かび上がらせる手法は興味を引くようにできているし、何より80分弱という長さがいい。長いドキュメンタリーはやっぱりどうしても興味の持続が難しい部分も出てくるので、構えずに「勉強になる1時間強」というだけで、何らかの行動を起こすか否かは関係なく、たくさんの人に観てもらいたいなぁと思える映画でした。自分の口にするものに無知なままなのは、それだけでもちょっと問題があるな、という気もしましたねぇ…。

映画としての価値を言えば、単純に「経済の勉強になる」という意味で観て損はないと思います。もちろんそんなに難しい内容ではないし、知ってて当たり前の部分はあるんですが、僕自身、この流通の問題点は知っていると思いながらも、「大枠で理解している」のと「現場で実際にどういう問題があって、彼らはどう生きているのか」を知るというのは、天と地ほどの差があると言っても過言ではないので、「大体知ってるよ。農家が安く買い叩かれて中間業者が儲かってるんでしょ」とか単純に記号化した内容で「理解している」と思っちゃうと問題の本質を見誤っちゃう部分があると思うし、一度「経済活動をリアルに感じる」意味で、興味がある方は鑑賞してみるといいのではないかと。

僕は以前、カルディという入口でコーヒーを配っているのでお馴染みの輸入雑貨屋さんで、「麻薬栽培の農家がコーヒー栽培に切り替えて食べていけるように」というような理念で作られたコーヒー(ドイトンコーヒー)を買ってみて、味もなかなかだったしなんか役に立った気がするしで自己満足したことがあったんですが、そういう自己満足も悪くないな、と改めて思いましたね。

今回この映画を観てそのことを思い出して、「こりゃあなるべくフェアトレードの製品を買わないとなぁ」と思ったわけですが、その気持ちをなるべく拡散したいと思い、劇中でタデッセさんが言っていた言葉を引用して、みなさんに「フェアトレードを気にしてみてね」というメッセージと変えさせて頂いてですね、今回は終わりにしようかなと思います。

ちなみにフェアトレードというのは、“発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通じ、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す運動”のことです。(Wikipediaより)

あとは願わくば、フェアトレードの規模がバカにならないレベルになった時(もうなってるかもしれませんが)に、それを利用して搾取する輩が登場しないように、なんらかの監視体制ができあがって欲しいな、と思います…。

〈劇中でのタデッセさんのお言葉〉

一緒にフェアトレードを世間に訴えてほしい。消費者が意識してフェアトレードを求めれば、世界は必ず変わるはず。コーヒーだけの問題ではない。途上国の産物は低価格で取引され、生産者を圧迫している。

このシーンがイイ!

ドキュメンタリーなので、このシーンがいいとかどうとかは無かったですね。ただ一つ気になったのは、なんかイケイケなカナダ人バリスタの兄ちゃん、結果はどうだったのかな、と。

ココが○

今、日本に暮らす人で「コーヒーは飲まないよ」って人はたくさんいると思いますが、でもこの映画で語られている問題についてまったく無縁の人っていないと思うんですよ。誰もが当事者である、という意味では、他のどんなによくできた映画よりも観る意味はあるように思います。

そして何より80分弱という短さ。

散々書いてきてはいますが、とにかく映画の長さは大事だし、こういうドキュメンタリーならなおさら「短く観やすい」ことの価値はものすごく大きいです。

ココが×

無いです。そりゃあドキュメンタリーなので、「劇的に面白いぜ! ヨダレが出ちゃうほど!」なんてことはないですが、でも普通に興味を持って鑑賞できるレベルの作品だと思います。

MVA

ドキュメンタリーのたびに書いてる気がしますが、「ドキュメンタリーにMVAもへったくれもないだろう」って話ではあります。まあ、でも一応。通しではほぼこの人しか出てないので一択ですが。

タデッセ・メスケラ(ご本人)

エチオピアの農家のために世界中を奔走する人。

あまり情熱的過ぎない感じがいいですね。クールに真面目に取り組んでる感じが。あと少しだけローレンス・フィッシュバーンに似てるな、と。(どうでもいい)

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