映画レビュー1162 『ボルサリーノ』

今回もJAIHOから。

先日亡くなったジャン=ポール・ベルモンド追悼企画として配信されていたので、同じく追悼として鑑賞です。

ボルサリーノ

Borsalino
監督
脚本

ジャン=クロード・カリエール
クロード・ソーテ
ジャック・ドレー
ジャン・コー

原作

ユージェーヌ・サコマノ

出演

ジャン=ポール・ベルモンド
アラン・ドロン
ミシェル・ブーケ
アーノルド・フォア
アンドレ・ボレ
カトリーヌ・ルーヴェル
ニコール・カルファン

音楽
公開

1970年5月20日 フランス

上映時間

126分

製作国

フランス・イタリア

視聴環境

JAIHO(Fire TV Stick・TV)

ボルサリーノ

“バディ”の二大スターが魅せる。

7.5
喧嘩から仲良くなった男二人、裏社会で成り上がる
  • 喧嘩スタートで相棒となった少年ジャンプ的な二人が裏社会でのし上がっていく
  • 当時のフランス二大スター共演
  • 物語はシンプルながら「二人」を上手く活かした良シナリオ
  • ただ最後だけが個人的に不満

あらすじ

当時のフランス映画界の二大スター、アラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンド初の本格共演映画だそうです。その後も二人は親交があり、先日のジャン=ポール・ベルモンドの訃報でもアラン・ドロンは大変悲しんでいたとか…。もしかしたらこの映画のような関係性があったのかもしれませんね。

服役から出所してきたシフレディ(アラン・ドロン)は、“自分の女”であるローラを探しますが「カペラのところに行ったよ」と無情なる宣告を受け、ふざけんじゃねぇとそのカペラ(ジャン=ポール・ベルモンド)の店まで押しかけます。

ローラを見つけたシフレディは「行くぞ」と彼女を連れ出そうとしますが、出ようとしたローラにカペラは「どこに行くんだ?」と圧。「行くぞ」「どこに行くんだ?」の繰り返しの後、始まる殴り合い。そして笑い合う男二人。

「お前もやるな〜」とジャンプばりに仲良くなった二人はその夜仲良くカペラ宅でローラの手料理を平らげ、「簡単に金になる話があるんだ」とカペラはシフレディをスカウト。

かくして二人は行動をともにし始め、徐々に裏社会で名の知れたコンビとなっていきます。

しかし当時のマルセイユは確固たる二人のベテランギャングによって統治されている状態。そのシマを奪うべく計画を立てるカペラとシフレディの二人ですが…。あとはご覧ください。

今でも光るスター性

年代的にもそこそこ古いだけあって、内容的には比較的「オーソドックスなマフィアもの」と言った印象ですが、ただ主人公が「2人1組のコンビ」からなるボスというところに面白さがあります。ですが詳しくは書けません。ごめんよ。

当時の二大スター共演と言う触れ込みから、互いが切磋琢磨するのか、はたまたどっちかが上にいてそれを追い落とそうとするのか、それともどっちかがマフィアでどっちかが警察だったりとか、いわゆるライバル関係のような映画なのかと思いきや、序盤にあっさりと仲良くなっちゃってあとは相棒として「互いに上を目指す」バディモノのような内容になっているのも意外で面白い。

見た目的にも愛嬌があって人懐っこい雰囲気のあるジャン=ポール・ベルモンドと、言わずと知れたクールな二枚目アラン・ドロンの雰囲気そのままにキャラクターも作られていて、素直にストーリーが入ってくる非常に観やすい映画だと思います。マフィアモノの割にはあんまりバイオレンスしてないし。古い映画らしく血糊も安っぽいチープレッドで安心です。

当然この映画の一番の“引き”はこの二大スターの共演ということになるんだろうと思いますが、時を経てその説得力に陰りが出てきた現在でも「普通に面白い」し、やっぱり今でもスター性が感じられるので色褪せない魅力があるのも良いところ。

ジャン=ポール・ベルモンドについては僕は今回初めてちゃんと観たんですが、想像していた「大スター」よりもずっと親しみやすく、また味のある役者さんだなという印象でした。

一方アラン・ドロンについてはもう言うまでもなく相変わらず二枚目すぎるので、彼が登場するだけで絵が引き締まるのがすごい。今になってもここまでのスター性を感じさせる俳優さんは他にいるかどうか怪しいもんです。見た目の暴力がすごい。

よってもうこの二人のバディモノっぽい“成り上がり”だけで観る価値があると言い切っちゃって良いでしょう。

最後だけが惜しい

展開的にも終盤は「なるほどそう来ますか〜!」と盛り上がっちゃうぐらいになかなか良い展開を見せてくれていたんですが、最後の最後の部分だけちょっと納得が行かず、そこだけが惜しかったです。アレが無ければもう1点プラスしても良かったかもしれない。

とは言え飽きずに観やすい良い作品なので、機会があればぜひ。といういつもの論法で終了です。

ネタバレーノ

軽く補足しますが、僕が残念に思ったのは、最後の最後、カペラが撃たれちゃうところ。

あれは最後に死なせるんじゃなくてそのまま去らせて欲しかった…。「2人1組で成り上がったものの、未来を見据えて袂を分かつ」ってカッコいいじゃないですか。本当に殺し合いになる前に、まだお互いちゃんと話ができる“相棒”でいる間に、自らを許せるような人生にしておきたい、って言う。 カペラの後ろ姿でエンドロールが流れたらめちゃくちゃしびれたと思います。

死なせれば劇的になる…かもしれませんが、それはやっぱりちょっと浅い気がしたんですよね。「レイヤー・ケーキ」のエンディングと同じガッカリ感。残念だ…。

ちなみにこの映画は続編も作られているそうですが、カペラを生かしておけばもっと面白い続編になっただろうに…とまだ観てもいないのに思うわけですよ。

それこそ「やっぱり俺にシマをよこせ」と対決に持っていくことだってできるし、また二人で組織を大きくしていく話にだってできるわけだし。

アラン・ドロンだけになっちゃったら結局は「ただのアラン・ドロンの映画」でしかなくなっちゃうので、それも含めて惜しいなぁと思うわけですよ…。

このシーンがイイ!

ラスト近くの二人の会話がめちゃくちゃ良かったです。だからこそそのまま行って欲しかったんですが…。

ココが○

勝手に予想しただけですが、やっぱり「二大スターの共演」でありつつ対決ものに持っていかなかったのはむしろ古くなってきた今だからこそ価値があるというか、そこに新しさを見出だせる気がします。

ヒート」を例に出すまでもなく、やっぱり“二大スターの共演”は対決させるのが普通だと思うので。

ココが×

やっぱりオチの部分かな。悪くはないんだけどもったいない。

MVA

どちらも当然良かったわけですが、アラン・ドロンはいろいろ観てきたのでこちらの方にします。

ジャン=ポール・ベルモンド(フランソワ・カペラ役)

役割分担的にはボスかつフロントマンに近かった気がしますね。アラン・ドロンのシフレディは右腕兼裏担当みたいな感じで。

その役割の違いそのままにカペラの方は明るく社交的に見えるし、シフレディの方は影があってちょっと怖い。その対比が良かった。まあ結局どっちも良かったって話なんですが。

ただジャン=ポール・ベルモンドの方が動きだったり表情だったりで読み取らせる部分が大きかった気がします。まあ何せ相方がアラン・ドロンなのでそうせざるを得ない面もあるんでしょう。

余談ですがカペラがお熱になるジネットを演じたニコール・カルファンもかわいくて良かった。

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