映画レビュー0063 『明日に向って撃て!』
「スティング」を観た以上、やっぱりこの映画も観ないといけないでしょう、ということで遅まきながらの初鑑賞。
明日に向って撃て!
ラストが最高です。
歴史に残る名作と言われる作品ですが、タイトルと役者二人の風貌から、勝手にラストシーンは背中合わせで歩いていって「1…2…3 BANG!」的な西部劇かと勘違いしてました。
実のところは人間ドラマ…でしょうか。
主人公二人は銀行&列車強盗で名を馳せた完全なる悪党なんですが、この二人がまったく憎めない。列車強盗のくだりでその辺をよく見せることで、まず観客の感情移入を助けてくれる。「こいつら憎めないなー」が本作のスタート。
そこからひたすら追われて逃げていくわけですが、その道中も悲壮感は無く、「おー、がんばれがんばれ」と素直に応援したくなる感じ。
会話もところどころにセンスのいいセリフがちりばめられ、カッコイイし可笑しい。
。どことなく、二人とも逃げてる割に余裕がある感じなんですよねぇ。追い込まれてないから、逃げてても明るい。
ボリビアでの銀行強盗なんてどれも手口が秀逸で、もうニヤニヤクスクスしながら観ちゃう。
ラストもしっかり前半の絡みを活かした会話をしながら、「明日に向かって」撃つ二人。
これ、邦題のセンスがまたスバラシイですよ。最後まで観て、いいタイトルだなぁとしみじみ感じました。
原題は二人の名前なので、この映画に関しては邦題の方がいいタイトルだな~と思います。
オープニング&途中に差し込まれるセピア調の場面と軽やかな音楽、「この曲ってこの映画だったんだ!」っと思わされる自転車のシーン、そしてラストのストップモーション。
そこかしこに名場面がちりばめられ、こりゃー確かに名作だ、と。
「スティング」の時と同様、「うわぁ、映画っていいな」と本当に心から思わされる、映画好きにはぜひ観て欲しい名作です。
特にラストの二人のセリフとラストカットまでの一連の流れは天才的ですね。
観客にどういう結末になるのか予想できる流れを見せておいて、はたしてどう終わらせるのかと思ったらあのラストシーン。やられましたねー。
最初から最後までかっこよく、気持ちのいい映画でした。
ココが○
今回ブルーレイでの鑑賞だったんですが、さすがに古い映画なので劇的に変わりはしないものの、全然古くさくない程度に綺麗になってて、これはすごいな、と。
DVDだと多分結構古い感じが出たと思うんですが、この画質ならブルーレイで観る意味があるな、と。
名作だけに、ちゃんとリマスタリングしたんでしょうね。
あとのいいところは上に全部書いた! たぶん!
ココが×
はっきり言って、無いです。
昨今のハリウッド映画と比べれば、確かに地味だったり刺激が足りなかったりするかもしれませんが、「映画慣れ」した人間ほど、この映画の良さはわかる気がします。
MVA
はてさて今回は…実は結構悩んだんですが、この人にしようかなーっと。
キャサリン・ロス(エッタ・プレース役)
いわゆる「ヒロイン」役なんですが、若くて芯が強い美人そのもの。
古い映画の女優さんってどうしても「昔の美人」って感じがするんですが、この人は全然、今観てもかわいい人でした。
また昔の衣装もすごく似合ってて。自転車での彼女もすごくよかったですね~。