映画レビュー0925 『待ちきれなくて…』

ウカウカしていると突如として大量に発生するやつら、それはネトフリ配信終了。

今回も悩みに悩んで3本厳選しました。まずはコレ。

待ちきれなくて…

Can’t Hardly Wait
監督

ハリー・エルフォント
デボラ・カプラン

脚本

ハリー・エルフォント
デボラ・カプラン

出演

ジェニファー・ラブ・ヒューイット
イーサン・エンブリー
ローレン・アンブローズ
セス・グリーン
チャーリー・コスモ
ピーター・ファシネリ
ジェナ・エルフマン

音楽

デヴィッド・キティ
マシュー・スウィート

公開

1998年6月12日 アメリカ

上映時間

100分

製作国

アメリカ

視聴環境

Netflix(PS4・TV)

待ちきれなくて…

恋のピタゴラスイッチってか!? 今悩んでいる若い人にこそ観て欲しい!

8.0
高校卒業のその日、それぞれの一夜。
  • 卒業パーティの一夜を描くコメディ青春群像劇
  • 同じ学校の学生たちが同じパーティで織りなす悲喜こもごも
  • テンポよく程よい古さで映画好きにはウケが良さそう
  • 引っ張って引っ張ってすれ違い続ける主人公の恋愛やいかに…!

あらすじ

いわゆる「ワンナイトもの」と言われるアレみたいですが。ついこの前観た「アメリカン・グラフィティ」の系譜ですよね、これは。もう見事にね。

「アメリカン・グラフィティ」は真っ向勝負で青春の“ワンナイト”を描いた映画だと思いますが、こちらはもうちょっとコメディ寄りに、より高校生らしい(良い意味での)バカっぽさと視野の狭さを強調しつつも、やっぱり最終的には「若いって良いな…」としんみりしてきてしまうというよく出来た青春映画でしたよ。

この雰囲気絶対80年代の映画だと思ったんだけどなぁ。2000年間近の1998年にこの雰囲気の映画が作られていた、というのは自分の中では結構意外で、そこがまた嬉しくもありました。

舞台はとある高校卒業式の日、その夜行われるパーティでの出来事でございます。

主人公のプレストンは一目惚れして以来、ずっと片思いを抱いていた同級生・アマンダに今日こそ告白するんだと手紙持参でパーティに参加。

一方そのアマンダはずっと付き合っていた“学校一のモテ男”マイクと別れ、浮かない顔でパーティへ。

彼女はその美貌とスタイル(いわゆるひとつのパイオツカイデー)からマイクと同じかそれ以上にモテているっぽいんですが、しかしそれ故か妬まれている面も大きいようであまり親しい友人もおらず、どこか浮いた雰囲気。

「声かけてくる男、みんな私目当て」みたいな。モテる女性って割とこういう悩み多いみたいですもんね。その典型的なタイプと言う感じ。

そのアマンダをフッたマイク、彼は「JKはもう飽きたぜJD抱きまくってやるぜ」と来るべき大学生活での己の下半身大活躍を信じ、つるんでいる他の仲間たちにも自分と同じく「彼女と別れて大学でチ●コ使いまくろうぜ」と指示するクソチンコ野郎です。

彼も当然パーティに参加、フリーになったのを良いことに他の女もつまみ食いしてやってもいいんだぜ的に我が物顔で練り歩きます。

その他、親友のプレストンのためについてきたものの誰とも仲良くないために居場所がないデニース、「今日こそ童貞捨ててやる」と息巻くイケてない系男子・ケニー、マイクにずっといじめられてきたために復讐を計画する優等生・ウィリアムと言った面々が一堂に会し、それぞれの“高校生活最後の夜”を描きます。

ワンシチュエーションながらテンポ良く飽きずに観られる

舞台はある生徒の自宅で、まあ映画でよく見かける「百人単位のパーティをやれちゃう」ぐらいのとんでもない豪邸なんですが、ここに集まった主要メンバーそれぞれの夜を追ったごくごく狭い範囲での群像劇と言ったところ。

彼らはそれぞれ緩やかにつながっていて、同級生だけど「存在は知ってる」程度の関係が基本。「そこまで近くはない同級生」たちのそれぞれの夜を追っていく感じです。

メインで描かれるのは主人公・プレストンの片思いなんですが、その対象となるアマンダも当然中心だし、それに伴って彼女と別れたばかりのクソチンコ野郎・マイクのエピソードも多くなるし、と友達の輪がつながってますよと。笑っていいともですよと。もうこの表現も通じない時代になってきたよと。

それぞれちょっとずつ描いて進展し、動いたところで他の話に切り替わり…と群像劇らしい見せ場の多さとテンポの良い展開にワンシチュエーションでありながらなかなか飽きずに観られる観やすさもなかなか良かったですね。

裏テーマ(?)がイイ

んでまあ、のほほんと観終わりまして、「いやーなかなか良い映画だったな」と満足気に鑑賞を終え、翌日頭の中で振り返っていたときにハタと気付いたんですが…この映画、多分「スクールカーストなんて社会に出たら関係ないぞ」って裏テーマ(と言うかメッセージと言うか)があるのかなと思ったんですよね。

ネタバレになるのでもちろん詳細は避けますが、当然ながら「高校最後のパーティ」に臨む彼らは、高校時代の自分の立ち位置や評価を軸に行動します。

その延長線上で自信満々に振る舞う人もいれば、それを変えたいと願って行動を起こす人もいるし、新たなスタートに向けて踏ん切りをつけたいと思う人もいる。方向性は違えど、ベースにあるのは高校生活なわけです。

もちろんこれは珍しいことではなく、この年頃であれば至極当然の話でしょう。

まだまだ自分の知る世界は狭く、学校での自分にしか“自己”が無い。しかし裏を返せば、そこから脱却するのも高校卒業のこのタイミングがチャンスなわけで、それ故に彼らの意志がより際立って見えてきやすい舞台になっていたと言えるでしょう。

で、エンディングで主要メンバーそれぞれのその後が文字ベースで描かれるんですね。昔よくあった例のアレですよ。僕ああいうの好きなんですが。ファイアーエムブレムのエンディング的な。(伝われ)

それを見れば、この当時(高校時代)それがすべてだと思っていたそれぞれの評価や見え方が、その後の人生においていかに無関係かを思い知らされるんですよ。

もちろん創作と言ってしまえばそれまでですが、でも実際「高校時代はモテたんですよ」って言ってるやつが今は無残なハゲオヤジ、とか普通にあるじゃないですか。

そんな見た目の問題だけに限りませんが、この夜を境にピークを過ぎる者、上っていく者、大切なものを見つける者、いろいろ出てきて見事に「それまですべてだった」自分を捨てていくことになるんですよね。捨てたかったのか捨てたくなかったのかはそれぞれなんですが、結果的にはみんな捨てざるを得ない。

これがねー、とても良い話だと思います。

聲の形」のときも書きましたが、学生時代の人間関係ってもうそれがすべてだし、それこそが青春なんだろうと思うんですよ。

一方でこの映画が描いているように、その後の人生はまったく違うものになる人だって珍しくないわけです。

いわゆるスクールカースト、学校内での序列に悲観してこの世に見切りをつけるとか、本当にもったいないしまだ“何者にもなっていない”状態であることを強く意識して、今辛い学生さんはとにかくその今の時期をやり過ごしてその先にある可能性を見つめて欲しいと思います。そしてそれを伝えているのがこの映画なのかな、と。

なので、そんな余裕はないかもしれませんが、今学校に行くのが辛い、今いる組織が辛い人にぜひ観て欲しい映画だと思います。

表面上は軽いコメディタッチの青春恋愛群像劇っぽいですが、その実中身はものすごく強力な弱者への応援歌だと思うんですよ。そこがすごく好きです。

アメリカン・グラフィティも一緒にどうぞ

ということで自分でも思わぬメッセージ性を受け取ったような気がしてちょっと嬉しくなった一本でした。

自分の中では青春映画は当たり外れがある印象なんですが、最近は歳をとったせいかトンと弱くなりましたね…。

この映画に関しては、間違いなく「アメリカン・グラフィティ」を観ていて良かったと感じただけに、未見の方はセットで観て欲しいなと思います。そこまで似ているわけでもないんですが、やっぱりあの映画の延長線上にある映画だと思うので、どちらもぜひ。

ネタバレしちゃって…

僕はねぇ、エピローグが始まっちゃってたんで、ついにプレストンとアマンダはすれ違いのまま終わるんだろうな、それはそれで切ないけどイイな…と思って観てたんですよ。

最終的にはくっついちゃって、それはそれでベタだしうーんと思わなくもなかったんですが、それでもやっぱり「やったな! 報われたな!」という思いもあって、どっちに転がっても良かったなと言う気がしましたよ。あたしゃー。

リアルで良かったのが、マイクとウィリアムの友情が一夜限りだった点。

もし翌日マイクがウィリアムを受け入れてたらなんか綺麗事過ぎちゃうというか、あそこで(連れにいつもの自分であることを誇示するために)突っぱねちゃう辺りに若かりし頃のプライドが垣間見えてイイんですよ。

そしてエピローグで二人の格差を思い知らせる辺りも◎。あの対比は“裏テーマ”そのものだし、あれがあるからこそ良い映画だと思えた部分はあったと思います。

あとはやっぱり“エンジェル”かな…。彼女とのやり取りでプレストンのその後は変わったし、さらにそこからデニースの「運命はあるんだよ」で最後に繋がる感じ、良いですよねぇ…。

このシーンがイイ!

これはやっぱり…“エンジェル”とプレストンのシーンでしょう。あそこすごく重要だし、ロケーション的にアメリカン・グラフィティを彷彿とさせるしでいろいろたまりませんでした。

ココが○

ただの浅い青春バカ騒ぎ映画じゃない、という点でしょうか。軽いタッチの割に意外と深いと思います。

あとは当たり前ですが主人公(プレストン)がいいヤツ、という点。観客が応援したくなる気持ちがものすごく大事な映画だと思います。

ココが×

コメディベースというせいもあって、やや出来すぎな感は否めません。そこがまた良かったりもするんだけどね。

MVA

各人良かったと思います。個人的に全員馴染みがないのもイメージがつかなくて良かったし。

ってことで演技的にはこの人かなと。

ローレン・アンブローズ(デニース・フレミング役)

主人公プレストンの親友で、一緒にパーティに参加した赤毛のショートカット女子。

なんとなく身近にいそうな“かわいすぎない”雰囲気と、なんと言ってもラスト前のプレストンとのシーンにグッと来ましたね…。ちょっと大人びた口調もそれっぽくて◎。

ただ演技どうこう抜きにすればもうアマンダ役のジェニファー・ラブ・ヒューイットのホットさにぶち抜かれましたけどね。僕はね。

引っ張って引っ張ってようやく登場するんですが、その引っ張りの期待感にがっぷり四つで応える美貌、そしておっぱい。最高のキャスティングだと思います。

「美人」とか「かわいい」とか「エロい」じゃなくて「ホット」って言いたくなるんですよ彼女は。ホットなの。ホットなの!!

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