映画レビュー0807 『ロビイストの陰謀』
今7月下旬なんですが、今年の夏はもう本当にうんざりするほど暑いですね…。ついに今日、熊谷は観測史上最高気温を記録したとか言ってます。
豪雨被害に遭った方たちもこの酷暑は相当にきついと思うんですが、当然ながら根本的な解決法も無いわけで…なかなか厳しい夏ですね、今年は。できるだけ早く日常に戻れるといいんですが。
ということで今回もネトフリ終了間際シリーズです。これも観たかったんだよなー。
ロビイストの陰謀

観やすいけどわかりにくい。
- 金と政治のアレコレ
- 若干おどろおどろしいジャケットとは裏腹にかなり軽いタッチで観やすい
- 肝心の「罪を犯している」ポイントがわかりにくいのが難
例のカミングアウトで各方面から総叩きにあったケヴィン・スペイシーはもう事実上の引退状態なんでしょうか。
確かにあのカミングアウトはひどいものでしたが、ただ役者としては結構好きだっただけに…残念です。
そんなケヴィン・スペイシーがその演技力を遺憾なく発揮した詐欺映画がコチラ。
まさに彼が主演しヒットした連続ドラマ「ハウス・オブ・カード」のような、魑魅魍魎が跋扈する腹の探り合い的なドロドロした政治ドラマなのかと思っていたんですが、まったくそういう雰囲気の映画ではなくてですね。なんなら「ウルフ・オブ・ウォールストリート」に近いぐらいの実話ベースコメディ犯罪映画、という感じでした。
物語は主人公であるケヴィン・スペイシー演じる実在の大物ロビイスト、ジャック・エイブラモフが逮捕されるところからスタート。つまりもうこの人が凋落する運命にあることは最初にわかります。まあ実際にあった出来事ですからね。
で、そこから振り返ること2年前、人生を謳歌する絶頂期にいた頃の彼とその相棒、マイケル・スキャンロンが先住民族の人たちをうまくノセて金をふんだくってやるぜ、ってな悪巧みをする辺りから、その後手がけることになるとある船上カジノの利権を得ようとこれまた策謀を巡らせた結果、逮捕されるまでを描きます。
そもそもロビイストというのは日本ではあまり馴染みがない職種なので、最初から割とわかりづらい面はあるのかもしれません。一応劇中でも少し説明がありますが、要は「特定の権利を確保するために公権力に働きかける私的な政治活動」を主とするお仕事。ある団体の要望を受けて、コネクションがある議員に対して要望を伝えるような人たちでもあります。
日本であれば「タクシー業界のために終電延長はやめてくれよ」と働きかける、みたいな。一応基本的にロビイスト=アメリカというイメージが強い職種だと思いますが、日本にも無いわけではないようです。ただあからさまに癒着感があるせいか表立って「俺はロビイストだぜ」と言う人はあんまりいないので、よりアングラな存在になっている=おおっぴらにやってるアメリカすげーな、みたいな感覚はあります。
そんなわけでネタバレ云々があまり関係ない、結末が最初にわかっている映画なので割と気にせず書きますが、まず「なんで捕まったのか」がすごくわかりづらい話だなーと思いました。
この辺はアメリカの司法に慣れ親しんでいればまた別なんだろうと思いますが、僕は観てて特に何か地雷を踏んだ感も無いままいきなりピンチになった感じがして、その辺のわかりづらさがかなりもったいないなと思ったんですよね。
「○○の罪で逮捕!」みたいな説明的な台詞も無いし、一応詐欺らしいんですが明確に誰をどう騙したのか、みたいなのって出てきてないと思うんですよ。
確かに倫理的に悪いことをしている感じはアリアリと伺えるんですが、ただそれが犯罪としてどこがまずくてどう立証されたのかというのがよくわからないまま「ヤバいぞ!」ってなるのでウーンという。まあ僕が鈍いだけの可能性はもちろんあると思いますが。
おそらくはもう少し司法側の動きが見えたら違ったのかな、と思います。司法側が彼らに狙いを定めて動いてるぞ、みたいな前フリがあれば。
僕の記憶では、マイケルの浮気に激怒した奥さん(婚約者かも)がFBIに接触したところがスタートなんだと理解していますが、アレも思わせぶりにパンツ投げつけただけで何がどう犯罪でどう供述したとかその辺がごっそり抜けているので、結局なんでヤバいのかよくわからないんですよね。そりゃ悪いやつらかもしれないけど何やらかしたの? っていう。
その辺が結構ストレスで乗り切れない感じがあったんですが、ただ映画自体はテンポもよくノリも軽いので、題材の割にとても観やすい映画だったのは良かったと思います。
とは言えやっぱり納得感が薄かったので、だったら長いけど「ウルフ・オブ・ウォールストリート」でいいかな、みたいな。そんな感じでテキトーに終わります。コチラからは以上でーす。
このシーンがイイ!
ホワイトハウスでイキリ立ってるケヴィン・スペイシーなんかは良かったですね。あのイキリ立ちっぷりはなかなかですよ。
ココが○
雰囲気的には想像以上にかなり観やすい映画なので、あんまり構えずに観られるのは良いところでしょう。
ココが×
上に書いた通り、イマイチ納得感が薄いところ。
MVA
相方のバリー・ペッパーもなかなかでしたが、やっぱりこの人かなー。
ケヴィン・スペイシー(ジャック・エイブラモフ役)
ご本人とは似ても似つかない雰囲気なんですが、それでもキャスティングされたのはやっぱり演技力故、なんでしょう。
現状がアレなのでこれ以上彼の新作を観る機会もなさそうだし、こういう過去作で「やっぱうめーなー」と感心するしかないのもちょっと残念ですが、まあしょうがないんでしょうね…。


