映画レビュー0213 『シマロン』

今日の映画は1961年公開の映画ということで結構古い映画になりますが、実はこの映画も1931年の映画のリメイクらしいです。

僕のことも早くリメイクしてくれないでしょうか。

シマロン

Cimarron
監督
チャールズ・ウォルタース
脚本
アーノルド・シュルマン
原作
エドナ・ファーバー
出演
グレン・フォード
アン・バクスター
アーサー・オコンネル
音楽
公開
1961年2月16日 アメリカ
上映時間
147分
製作国
アメリカ

シマロン

お嬢様育ちのセイブラが嫁いだ相手のヤンシーは、持ち前の行動力で地元の英雄になっていくが、家族を顧みない行動にセイブラはいつも苦労し…。

アメリカの道徳教育が垣間見える。

7.0

時代的にも舞台的にも、一応いわゆる「西部劇」の範疇に入るんだと思いますが、話自体は西部劇らしいガンマンの対決的な内容はほぼなくて、“正義とはなんぞや”という道を貫き通す主人公・ヤンシーと、その影で“家族ってなんなの”と苦悩する妻・セイブラの物語と言えます。

ただ、「苦悩する」とは言え、いつも眉間にしわ寄せカリカリしているというわけでもなく、喜怒哀楽が詰め込まれていつも華やかな感じなので、深刻な印象とは程遠く、「しょうがないわね」という許容する女性像みたいなものが主体だった気がします。

実を言うと、上に「主人公・ヤンシー」と書きましたが、実際途中までは終始ヤンシーが主人公感丸出しなものの、最後まで見ると実は主人公はセイブラの方だな、というのがわかります。耐えて、信じて、支える女性の半生といったところでしょうか。

ただ、イライラカリカリ、息子にも「ちょっとひどいなぁ」と思うようなことを言ったりもするし、決して理想的な女性ではないんですが、むしろそこが逆にリアルで良かった。

今の飽和状態の世界では、こういった開拓・成長による「周りみんなが裕福になっていく」なんて話はもはや存在し得ない悲しさもありますが、差別だったり、金持ちになって変わっていく人であったり、なかなか今観ても(良くも悪くも)「人間って変わんないね」と思わされるような話で、舞台設定を除けば古さを感じない名作と言えるでしょう。

全然泣くとも思ってなかったのに、ラストではちょっとホロッとさせられてしまい、「ああ、イイ映画だなこれ」と温かい気持ちになれました。

途中で気付いたんですが、ヤンシーの人物像は「素晴らしき哉、人生!」の主人公、ジョージと似ている面があります。ヤンシーの方が血気盛んでワイルドなスギちゃん風味ですが、根っこにある道徳性というか、正義感に支配される人物像というのはかなり似ているんじゃないかと。

損するのはわかっていても、自分の正義を裏切れない人。

こういうのって、特に日本人は、だと思いますが、「そりゃそっちがかっこいいのはわかるけど、そうは言ってもなかなか無理でしょ」みたいなところがあるし、何より「こういう時はこっちを選ぶのが人として正しいんだ」みたいなことって照れくさくてまず言えないものでもあると思うので、映画という娯楽を通してこういうメッセージを発することができて、さらにその映画という娯楽自体の価値が日本よりも上に来ているアメリカの強み、というのはすごく思いますね。そりゃあ公益を優先する人間が育つよなぁ、っていう。

日本でこういう映画を小さい頃から観るような環境が整っていれば、今の既得権益最優先人生を送るクソ官僚が大半な霞が関はできてなかったかも、と思うとなかなか羨ましいやら悔しいやら、複雑な気持ちになりました。

もうそうなっちゃった大人が観ても、「フン」って鼻で笑っておしまいだろうし、内容とは全然関係ないですが教育って大事だなーと改めて思いましたね。

「子供ができたらこれ観せていい大人に育てるんだ」って映画が増えるのは嬉しいことですが(以下いつものパターンなので省略)

このシーンがイイ!

序盤の「ランド・ラン」の映像はなかなか迫力がありましたねー。

まったく不勉強なものでこの映画を観て知りましたが、こんな単純な「早い者勝ち」な土地争いがあったとは。時代を感じます。

ココが○

僕自身、観る前の印象がそうだったんですが、「西部劇」と言うと大体想像できる話の内容があると思うんですが、そういう内容とは全然違っていて、結構盛りだくさんな内容だったのが良かったです。

差別、友情、家族、いろいろ考えさせられる視点があって、今観ても全然イイ。

それと、想像以上に映像が綺麗だったのがビックリ。ちゃんとリマスタリングしてるんでしょうね。

古い映画とわかるレベルではあるものの、今の地デジ環境でも許容出来るレベルになっている、っていうのは地味ながら嬉しいですね。

ココが×

時代性の古さ=人物像の古さみたいなものもあるにはあるので、「今だったらこんな風にはなってないだろうなぁ」と思うような部分もありました。ただ(道徳性が含まれている以上)そこから学んで今に活かせよ、という考え方もあるので、そこは受け取る方のレベルが関わってくるのかな、という気はします。

あとは急に何年か進んだりするので、その辺りの放り投げっぷりはちょっと気にはなりました。急に息子でかくなりすぎだろ、っていう。

MVA

結構候補がいたんですが、最終的にはこの人かなー。

マリア・シェル(セイブラ・クラヴァット役)

主人公・ヤンシーの奥さんで裏主人公。

いかにもこの頃の美人女優といった風貌で今観てもお綺麗ですが、それよりなんか「しっかりがんばって演技してます」みたいな潔い感じが良かった。

喜怒哀楽たくさん見せてくれて、こんな人近くにいたら鬱陶しいよみたいな面もありましたが、演技としてはきっちり全力でがんばってたんじゃないかなぁ、と。泣くときも嘘臭くなかったし。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA