映画レビュー1268 『コールド・ウォー 香港警察 二つの正義』

絶賛無気力骨折中なんですが、そろそろJAIHO観ないと一ヶ月未使用になりそうだなと思い、貧乏性発動して何か観ようかなと選びました。

コールド・ウォー 香港警察 二つの正義

Cold War
監督

リョン・ロクマン
サニー・ルク

脚本

リョン・ロクマン
サニー・ルク

出演

レオン・カーフェイ
アーロン・クォック
アーリフ・リー
ラム・カートン
チャーリー・ヤン
アンディ・ラウ
エディ・ポン

音楽
公開

2012年11月8日 香港

上映時間

102分

製作国

香港

視聴環境

JAIHO(Fire TV Stick・TV)

コールド・ウォー 香港警察 二つの正義

ほとばしる今ひとつ感。

6.5
誘拐された警官5人の救出作戦に権力闘争が絡んできて…
  • 誘拐メンバーに息子がいる現場叩き上げ副長官 vs コストカッター事務方副長官
  • 権力闘争から組織間対立、そして真犯人探しと盛りだくさん
  • しかしイマイチ散漫で入りきれず、どこかで観たような内容も多い
  • 悪くはないものの他でも良い感

あらすじ

途中までは割とそこそこ気になる感じではあったんですが…なーんかピンとこない感じで微妙な映画でしたね。悪くはないんですが…。

香港の繁華街で爆破事件が発生、同時期に5人の警官が車ごと姿を消します。

香港警察のトップである長官は海外出張中のため、捜査の指揮を執るのは次期長官を争う2人の副長官のうちの1人、リー副長官(レオン・カーフェイ)に。

しかし姿を消した5人の警官の中には彼の息子が含まれていたこともあって、強権的な陣頭指揮を続けるリーにもう1人の副長官・ラウ(アーロン・クォック)が公私混同だと反発。

双方が解任を主張する激しいやり合いの末、新たにラウが捜査の指揮を執ることとなりましたが、しかし一向に解決の見通しは立たず、今度はラウに新たな疑惑が浮上。

果たして事件の結末は、そして2人の副長官の争いはどうなる…!

途中からの主人公っぽい彼にガッカリ

ということで2人の警察内出世を争う権力闘争に始まり、さらには警察に対する別組織からの監視に同僚・親子のドラマまでてんこ盛りのポリスアクション。

しかし盛り込みすぎて浅く広くなってしまったためか、どうにも中途半端な感が否めず今ひとつ乗り切れずに終了しました。

これなー…警察内の権力闘争のみで事件が脇役だったらもっと好みの映画になったような気がするんですが、ウイング広げちゃったもんだから捌きの技術が足りなかった気がしてなりません。

中盤までは割といい感じに観ていたんですが、しかし最終的な犯人の残念感もあって「悪くないのに」止まりな印象。

乗り切れなかった理由の大きな一つに、これもかなり個人的な好みになるんですが中盤以降主人公然として登場するICAC(香港の汚職捜査機関らしい)のビリー・チョン捜査官がすごい小物感溢れるビジュアルでハマらなかったんですよね。なんかシャクレてるしさぁ。

いや見た目で判断しちゃいけないのもわかるんですが、どうにもメインを張るタイプのキャラに見えなくて、「えーなんでこいつが主人公なの」って感じでガッカリモードのまま最後まで行ったというか…。

レオン・カーフェイは主人公(アーロン・クォック演じるラウ)からすれば敵役ではありましたが、重厚で雰囲気があって十分メインを張れる雰囲気があったものの、一方相手役となるアーロン・クォックはイケメンなだけで若干大根みを感じてしまったのも残念だし、その上急に出てきたビリー・チョンが主人公っぽく張り切ってるもんで無いわーと高まるガッカリ感。

その上オチもイマイチとくれば…そこまでオススメできる映画でもないなぁという結論です。

紹介ページで「インファナル・アフェア以来の〜〜」っぽい表現を見ちゃったのも良くなくて、ああいうのを期待していたら割と普通の刑事モノっぽく収束してしまうのも残念でした。

くどいようですが権力闘争丸出しの前半戦の雰囲気は悪くなかっただけに、なんで最後そうこぢんまりまとまっちゃうかなぁと期待感があった分ガッカリしたことは否めません。

現実と比べての虚しさも

そもそもキモとなる発端の事件についてもよくわからないまま終わりを迎えるし、そこの掘り下げだけでももうちょっと描いてくれれば多少は違ったような気もするんですが…。

序盤は序盤で内容を把握する前にサクサク進んでいっちゃう部分にちょっと「このあといろいろ控えてるんで権力闘争は説明程度で先に進んでもらえますか」みたいな匂いを感じるし、あちこちアンバランスな映画だなぁという印象。

かと思えば声高に「香港警察はこうだ!」みたいなプロパガンダじみたセリフも盛り込まれてくるんですが、もはや昨今の香港の惨状を思えばむしろそのセリフも虚しく響くだけ…みたいな観たタイミングの悪さも相まって残念さが強く残りました。

現実と創作は切り離して然るべきなのは間違いないところですが、しかし「警察の正義」を前面に押し出した内容であるにも関わらず政治には弱かったんだねという現実を踏まえてしまうといろいろ空々しく感じられてしまうのも事実なので、まあ今から観るにはよほどキャストに思い入れが無い限りは微妙かな、と思います。

ちなみに続編有りげなエンディングでしたが実際続編も作られているようです。これまた観ようかどうか悩ましいところですが…ギリギリ55:45で観ない、って感じ。残念!

このシーンがイイ!

病院での1シーンかな…レオン・カーフェイが良い。

ココが○

舞台装置は悪くないと思うんですよね。よくあるパターンではあるものの、トップを争って二人がいがみ合う形は。

そこをもっと増幅して双方の綱引きがメインであれば…。

ココが×

最終的にはなんか刑事ドラマの1話みたいだな、みたいに小さくまとまっちゃってる気がしてそこが残念。

あとはやっぱりビリー・チョン。なんで劇中での評価が高いのかもよくわからない。穿った見方をするとすごく(監督とかプロデューサーとかの)コネの匂いがするぜ…!

MVA

順当に言えばレオン・カーフェイで文句なしなんですが、それもつまらないしとひねくれてこの人にします。

ラム・カートン(アルバート・クォン役)

リー副長官の右腕的存在のメガネ捜査官。

権力におもねらず、落ち着きのある実力者感が好きでした。こういう役に弱い。

ちなみに調べたところ「イップ・マン」の通訳の人でした。ああー!

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