映画レビュー0326 『クール・ランニング』
これもかなり今さらな感のある映画ですが、公開当時から観たかったやつです。
クール・ランニング

軽い。
ジャマイカ代表のボブスレーチームがカルガリー冬季オリンピックに出場した時の話を脚色交えて映画化した、実話ベースの映画。結構評判がいい映画なので、必要以上に期待しちゃった面はあったかもしれませんが、ちょっと「映画慣れ」してくると物足りなく感じる部分が多々見られる映画でした。
主人公・デリースのお父さんはかつて100mで金メダルをとった名選手。その血を受け継ぐ彼にも期待がかかっていたものの、隣の選手の転倒に巻き込まれ、国内予選敗退。どうしてもオリンピックに出たい彼は直談判をしに行ったお偉いさんの部屋で父とボブスレーの名選手が一緒に写っている写真を発見、「よし、オリンピックに出るならボブスレーだ!」と同じく失格になった選手と親友を巻き込んで、雪も降らない常夏のジャマイカでボブスレー出場のためにがんばるアレコレ、という内容。
いわゆるスポ根ややコメな雰囲気のド定番映画と言えますが、内容的にも本当にド定番、反目したりトラブルあったり乗り越えたり、と全体的にお決まりのパターンを踏襲していて、ある意味では非常に安心感のある作り。ただ、そのお決まりのパターンがいかにも軽い。
それは「ノリが軽い」という意味ではなくて、エピソードとして軽い。言ってみれば「とりあえず反目のシーン入れよう」「トラブル混ぜよう」と段取り踏んで組み上げていくような感覚。どれも気付けば解決してたり、あっさりと次のシーンで片がついたりと、とにかく軽い。
ジャマイカの陽気なノリって感じでいいじゃないか!と言われればそうなんですが、ただこの手の「ちょっと感動させたいスポーツモノ」としては致命的な軽さに見えたんですよね。全然苦労してる雰囲気がないんですよ。
「ジャマイカのボブスレー初出場」なんていうのは、明るく頑張ってます、だけじゃどうにもならないハードルがあるはずで、もっと苦労して追い込んでる感じが出ないと、その分スカッとした感動には結びつかないんじゃないかな、と感じてしまい。もちろん元々そんなに深く感動させようという映画ではないんでしょうが、ちょっと万人向けにしても軽すぎるな、と。
同時に全体的にちょっとマンガっぽいリアリティの無さも気になりました。初入場で全員が黙って見つめるシーンとか。時代なのかもしれませんが、ドコメディでもない限り、こんな嘘くさいシーン今なら入れないでしょう。
中継の解説らしき人物が「場違いな気がしますね」とか言っちゃうのも、仮にも一国の代表に対してどっかの国の番組出演者ごときがあんな言い方しねーだろ、と。翌日には逆にTシャツ着ちゃってがんばれ、とか。ほんと(悪い意味で)マンガだな、とあくびしながら観てました。(ひどい)
話自体は当然嫌いじゃないんですが、もーーーーいかにも八方美人な作りがかなり映画のレベルを落としている気がして、期待が大きかっただけにガッカリ。さすがに今の時代ならこんな作り方はしないだろうと思いますが、最後まで観た感想としては、正直なところ「子供向け」かな、と。
全体的に軽く、浅い。もったいない。
このシーンがイイ!
あまり印象に残ったシーンも無く…。ゴメンナサイ。
ココが○
選手たちがシリアスになりすぎず、明るく乗り越えていく様はいいんじゃないでしょうか。陽気なジャマイカ的な感じで。わかんないけど。
ココが×
ほんと「軽さ」がすべてですね。物語上の時間軸を薄く引き伸ばして、要所をカットしてダイジェストにまとめた感じというか。もっと深掘りしないと残らないかな、と思います。
MVA
当然ながら基本的に映画の内容に役者の評価は引っ張られるので、大して評価しない映画に関しては役者陣もイマイチ感情的に入り込めず、その分悩むわけですが…今回はこの人かなぁ。
マリク・ヨバ(ユル・ブレナー役)
悪そうな選手。一番振れ幅があった役だと思うので、この人かなと。コーチも良かったけど、まあせっかくだし選手の方から、というチョイス。


