映画レビュー1244 『カウントダウン』
今回はウォッチパーティより。
例によって自分では絶対選ばないだろうなという映画なのでちょっと楽しみにしていました。
カウントダウン
ジャスティン・デク
ジャスティン・デク
エリザベス・ライル
ジョーダン・キャロウェイ
タリタ・ベイトマン
ティシーナ・アーノルド
P・J・バーン
ピーター・ファシネリ
トム・セグラ
2019年10月25日 アメリカ
90分
アメリカ
Amazonプライム・ビデオ ウォッチパーティ(iMac)
ツッコミどころも多いものの先が読めない戦いはなかなか。
- 面白半分で「余命がわかるアプリ」を入れたら余命があと僅かと表示された人が非業の死を遂げる
- 逃げようとすると規約違反でやっぱり死ぬ
- いろいろ雑ではあるものの先が読めない展開はなかなか
- 主人公がかわいいのでオールオッケー
あらすじ
「余命がわかる」ということでちょっと神様メールっぽいなと思ったんですがこちらはホラー、いろいろ言いたい所もありましたが総じてなかなか面白く、これまたみんなでワイワイ観るのに良い映画でしたね。
とあるパーティに集まったヤングたち、面白半分に「カウントダウン」という余命予測のアプリをインストールして「一番余命が短い人がイッキ」的な遊びを繰り広げますが、その中の一人・コートニー(アン・ウィンターズ)という女子はなんと余命が3時間半程度、おっと穏やかじゃないぜということでテンションサゲサゲでパーティを後にします。
彼氏のエヴァン(ディロン・レイン)が車で送っていくよと言うものの彼はかなり酔っ払っているため、「このせいで事故死するのでは」と嫌な予感がしたコートニーは歩いて帰ろうとしますがスマホには「規約違反」の表示、急いで家に帰りますが予定時刻になると謎の力によって死亡してしまい、また同時刻にはエヴァンもめでたく事故にあっているのでした…!
しかしエヴァンは生きていたためとある病院に入院することとなり、その病院で彼の看護に携わるクイン(エリザベス・ライル)は彼の話で「カウントダウン」の存在を知り、周りの看護師や医師とともに気軽にインストールしたところ彼女の余命は残り3日弱と判明。
その後エヴァンは彼の“カウントダウン”予定時刻に病院で死亡、いよいよヤバいアプリなんじゃないか…と怯えるクイン。彼女の運命やいかに。
オカルト故に割と強引
アプリで余命がわかる…となんとも今っぽいお話ですね。今っぽい=時を経ると古くなりがちなので、もう数十年もしたら「うわースマホとかなつかしー!」みたいになるんでしょうか。
アプリに表示される余命は様々で、長いと90歳を越える人もいれば、オープニング女子のように数時間でグッバイと幅があります。
その仕組みについてはついぞ語られないままではあるんですが、なんとなく観た感じ「余命に従って執行される」というよりは「アプリをインストールした人間の中からランダムに短い余命を割り当てて狙われる」ような感じでしたね。アプリによるロシアンルーレットみたいな。
んで、まあ詳細は避けますがこの「余命が来ると死ぬ」のは本来であれば事故だったりするんですが、これは回避不能で逃げようとすると「規約違反」となって謎の存在によって殺される形になります。
なので殺人犯とかそういう普通のホラーではなく、もっとオカルト的なお話にスマホアプリというテクノロジーが組み合わさったようなお話とでも言えばいいでしょうか。
それ故ぶっちゃけなんでもアリっちゃアリなので、いろいろ整合性とかツッコミたくなるんですが所詮オカルトなのでツッコミ自体にも意味がなく、話としては結構強引ではあります。
強引というか…まあオカルトなんでね…。「どうしてこうなったんだ?」みたいな疑問点も全部すっ飛ばして展開する雑な物語ではありますよ。
ただそれもある意味では割り切った作りとも言えるので、あんまり細かいところに目を配りすぎてこぢんまりしちゃうよりかはいいのかもしれません。その分好みは分かれそうな気はしますが…。
主人公を演じるエリザベス・ライルはまだあまりメジャーではない女優さんだと思いますが、どことなく「ハッピー・デス・デイ」のジェシカ・ローテっぽくもあり、また舞台も病院なので余計に(終盤の)ハッピー・デス・デイ感があるなーと思ったんですがあの映画っぽい軽さはまるでなく、作りの良し悪しは置いといてシリアスにきちんとホラーしようとする正統派ホラー感はありました。
またレーティングは全年齢対象なのでグロかったりハードな表現も無いので、比較的誰でも観やすいホラーではないかなと思いますが、反面全年齢対象でありつつちゃんとホラーとして怖がらせようとしたためか急にビックリさせる系の音や演出が結構多いので、その辺りは少々安易な感もありました。(ちなみに今回のウォチパメンバーによってこの手の演出を「ジャンプスケア」と言うことを知りました)
実際にアプリもあるよ…!
途中で“濃いキャラ”の神父さんや携帯ショップ店長が登場し、彼らの活躍に命運が委ねられる辺りはなかなか面白いんですが、しかし濃い割にはあまり美味しい場面もなかったのが少々残念。もうちょっと旨みをあげてほしかった。
終盤の展開は「これどうやって解決しようとするんだろう」と読めない面もあって、世間的評価が低い割にはなかなか楽しめる映画だと思います。
とは言え上に書いた通り「所詮オカルト」な部分も散見されるため、手放しで褒められるような内容でもないのが残念なところです。
ちなみにこの映画のアプリそっくりな「カウントダウンアプリ」もあり、ウォッチパーティ後に話題になっていました。
もちろんこの映画のような展開にならないのはわかりきっているのでネタ的に入れてみようかなとも思ったんですが、しかしこの手のパロディ系アプリはスマホに悪さしそうな怪しさがあるのでやめておきました。
自分の命ではなくスマホの命を懸念した結果です。つまんねえ大人になっちまったもんだぜ…。
このシーンがイイ!
神父さん好きだったので、彼の見せ場である魔法陣的なものを描くシーンの辺り。あの辺がピークでした。
ココが○
結局この手の物語は「主人公がどうやって回避するのか」が中心なだけに、そこの読めなさは結構良かったと思います。
ココが×
とは言え雑な部分も多く、またジャンプスケア(早速使う)の多さも安易な印象。
MVA
下からのアングルだとかなジェニファー・ローレンスにも似ていた主演のエリザベス・ライルに今後も期待しつつ、こちらの方に。
P・J・バーン(ジョン神父)
悪魔オタクの神父。
彼が出てくるシーンだけ妙にコメディ感が出てくるのでちょっと安心感もありつつ、いいキャラしてたので文句なし。
こういうキャラはズルいと思いつつもやっぱり一人いると評価しちゃいますね。