映画レビュー1173 『キラー・メイズ』
今回はウォッチパーティより。
これも自分では絶対に観ようと思わない映画なので、当たり外れは置いといてそういう映画を観る機会が作れるウォッチパーティはありがたいですホント。
キラー・メイズ
ビル・ワッターソン
スティーブン・シアーズ
ビル・ワッターソン
スティーブン・シアーズ
ニック・スーン
ミーラ・ロフィット・カンブハニ
ジェームズ・アーバニアク
ステファニー・オーリン
カーステン・バングスネス
スコット・クリンスキー
フランク・カエティ
ジョン・ヘニガン
リック・オーバートン
アダム・ブッシュ
モンド・ボーイズ
2017年8月18日 アメリカ
80分
アメリカ
Amazonプライム・ビデオ ウォッチパーティ(iMac)

美術とアイデアはピカイチ、ストーリーは二の次。
- 趣味でダンボール迷路を作ってたら相当な規模になってしまい戻れなくなった主人公
- 同棲中(?)の彼女と取材班が彼を迎えに迷路に入るとそこにはトラップやモンスターが…!
- 全部ダンボール製のコミカルホラーでグロさゼロの安心設計
- ただ話自体はよくわからず、細かいことは突っ込まない方向で
あらすじ
やっぱりイマイチハマらなかったので「自分が観ようと思わない」のはアテになるんだな…と妙に感心しつつ、ただこの映画ならではの世界は観られたのでそう言う意味では良い映画だと思います。オリジナリティのある映画と言うか。
冴えない芸術家のデイブ(ニック・スーン)は自宅にダンボールの迷路を作り始めたものの、中から出られなくなってしまったようで帰宅(?)してきた恋人のアニー(ミーラ・ロフィット・カンブハニ)に現状を伝えつつ、「入ってくるな」と警告します。
が、その迷路の物珍しさに友人や取材班までもが家までやってきて大騒ぎになり、結局は警告を無視して迷路に入って彼を探そうとするアニー。
中もダンボールでできた他愛のない迷路のように見えて、その実危険なトラップやモンスターが生息する想像を絶する迷路になっていたのでした…。
見た目10割
もう細部は導入含めてすっかり忘れました。なんで取材班が来たんだっけ、とか。観てからそこまで日にちが経っているわけでもないんですが。
この映画は確実に「ダンボールでできた迷路の世界」を見せるために作られた映画だと思われ、正直ストーリーは二の次で段取りも適当さは否めません。
導入からオチに至るまで「おおっ、そう来るか!」みたいな感覚はまったく無く、「あ、そうなんだ」が連続して終わっていく感じ。なぜ自宅の地下(?)にやたらでかい迷路が作れたのか、その構造的な理由付けも特に語られること無く「そういう話なんデー」で走り切るのはむしろ潔さすら感じます。
上映時間も80分とかなり短いので、その辺の「普通だったら触れるであろう部分」は綺麗サッパリ切ってただただ見せたい映像を見せるためだけに作った感がすごい。
さて、その肝心の「見せたかった」部分であるダンボール迷路についてですが、そこはさすが力が入っていて、まあよう作ったねと感心するぐらいハンドメイド感たっぷりでよく作られています。
この映画のジャンルは「ファンタジーホラー」になっていて、一応ホラーにカテゴライズされているだけあってそれなりに残酷な場面もあります。あるっちゃあるんですが、迷路内での「ホラー描写」なのでそれらもすべてハンドメイド感溢れる、ストップモーションアニメのような描写になっていてそこがすごく良かったですね。グロに弱い人間としては。
例えば血が飛び散るような場面でも、紙のテープがわさわさ飛んでいくような作りになっているのでグロさはまったくなく、むしろコミカル。そこは確実にこの映画ならではの表現になっていて、「ホラーなんだけどかわいい」面白い世界観が観られるのが良いところ。
どんなギミックが表現されるのかと言う意味で先が気になる部分もあるし、間違いなく「見た目の面白さ」が味わえる映画だとは思います。
愛のある映画
結局自分が求めるものが見た目なのかストーリーなのかの違いで評価が分かれる部分はありそうですが、それもわかってなのか意識的に短い時間の映画にしている気もするし、ある意味「実験的な映画」っぽく割り切って好きなものを作りました、みたいな映画かもしれません。
話のテーマとしても「クリエイティブ」についてっぽいし、もしかしたらこの作品は監督の投影…さらに言えばこの映画そのものについての投影なのかもしれません…。
と適当なことを言って終わろうと思います。
ちなみにウォッチパーティ後に各人が感想をツイッターにあげたところ、何人か公式アカウントからお礼のリプがついていたようです。僕には来ませんでしたが。
その辺のちょっとしたノリの良さみたいなものもこの映画っぽい感じがして、商業映画と言うより自主制作映画のような、やりたいことをちゃんとやったんだなみたいな雰囲気が感じられて、正直面白いかと言われれば微妙だったものの、作品自体の印象は良かったです。愛がある映画ですね。
このシーンがイイ!
くどいまでに女性器らしきものの誘惑を訴えるシーンは笑いましたね。あれ女性器だと思うんだけど違うのかな…。
ココが○
CGよりお金かかるんじゃないか、ってぐらいにハンドメイドで迷路作って大変そうなビジュアル。楽しい。
ココが×
話が最後までいまいちピンとこなかった点。「なんで?」だらけだったけど多分気にしたら負け。
MVA
あまりメジャーどころは出ておらず、でもひときわ光っていたのはこちらの方かなと。
フランク・カエティ(音声さん役)
取材班の1人、音声担当。
観ればわかると思いますが、なんかかわいくて味があるキャラクターで良かったです。セリフはほとんど無かった気がするけど。