映画レビュー0409 『デジャヴ』
更新が滞り気味で申し訳ないと思いつつも、元から大してヒット数が無いとこういう時に特に後ろめたい思いもしなくていい、っていうのがいいですね。不人気という安心感。
デジャヴ
捌ききれていない印象。
まず最初にざっくり言ってしまえば、話としてはなかなか他にない面もあって面白かったと思います。
ただどっかで観たような内容のつぎはぎにどっかで観たようなデンゼル×トニー・スコットの組み合わせ、まさにこの映画自体にデジャヴ感が漂っているわけですが、この組み合わせらしい「外さない娯楽感」みたいなものは存分に感じられました。細かいところを突っ込めばキリがないですが、全体を通して程々の期待感で観るには悪くない、まったくもってトニー・スコット&ジェリー・ブラッカイマー「らしい」映画だな、と。
キーとなるギミックは「4日と6時間前の映像を見られる監視モニター」なんですが、これが早送りはできない巻き戻しもできない、「ちょうど4日と6時間前をライブで見ることができるだけ」という代物で、事件的に大事な時間に別の場所を映していると、もうその重要な場面は見られないという謎の装置。
結論ありきで作ったような感じが漂っていて「なんかこれ設定無理やりだなー」と思って観てましたが、一応はその無理やりなところにも理由があるよ、というのが後半の推進力になっていきます。
ただ、こればっかりは言っても仕方がないんですが、この内容とギミック、そしてエンディングまで観ると、どうしても「同じ要素でノーランが撮れば、相当面白くなりそうだな…」という気持ちが拭えず。
それだけ結構入り組んだ、可能性のある舞台装置でもあっただけに、捌き方がうまい人に作らせるとガラリと変わる映画になる気がします。
詳しく書くとネタバレになるので書けないのが残念ですが、一つだけ書くと、やはり「過去の映像」が絡んでくる時点で、タイムスリップの要素は出てきます。どこか「ミッション:8ミニッツ」にも通ずるものもあるし、これまたダンカン・ジョーンズならもうちょっと…と思わずにはいられません。
聞こえてくるノーラン次回作は偶然にもタイムスリップモノらしいという噂ですが。この映画の捌き切れないもどかしさを観ていると、なおさらノーランの次回作が楽しみでなりません。
話が逸れましたが。
エンディングもちょっとモヤッとする感じもあったんですが、ただそれが逆にありきたりじゃなくて良かったような気もします。一応サスペンスのテイではありますが、さほど集中力が必要な内容でもないし、気楽にダラっと観るには悪くないチョイスかな、と。
最初に書いた通り、デンゼル・ワシントン×トニー・スコット×ジェリー・ブラッカイマーという組み合わせ、まさにそれそれ! という感じなので、この辺にピンと来る人は観てみるといいかもしれません。
このシーンがイイ!
特にシーンとしてどうこう、っていうのはなかったかなぁ。
ココが○
安定感。「この映画、人生最高に好きです」って人はまずいないと思いますが、反面「史上最低につまらない」という人もいないであろう、まさにハリウッドの娯楽大作という安定感があります。
ココが×
やっぱり全体的にもったいないところでしょうか。設定を活かせば突き抜けられる土壌はあったと思います。
それと同時に、監視モニターの無理やり感はやっぱり拭えなかったかな…。
MVA
まあ、結局この人だろうという安易な結論で。
デンゼル・ワシントン(ダグ・カーリン役)
もはやお馴染みのデンゼルらしい役ですが、その分安定感は抜群。この辺裏切らないのもまた、「らしい」映画だなと思います。