映画レビュー0929 『特捜部Q キジ殺し』

ウッカリPrimeセールで久しぶりにAmazonPrimeお試し無料会員になったので、ここぞとPrimeで良い映画やってないかなと探ったところ「特捜部Qあるやないか!!」と言うことで急いで観ました。

確か僕の記憶ではネトフリで1と2が同時に終わっちゃうから仕方なく1の方だけ選んで観たんですよね。そしたらエラいデキが良かったもんで3の終了時にも手を出してしまい、結果的に1→3→2の順で観ることになりました。

特捜部Q キジ殺し

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監督
脚本

ニコライ・アーセル
ラスマス・ヘイスターバング

原作
出演

ニコライ・リー・カース
ファレス・ファレス
ピルー・アスベック
ダーヴィッド・デンシック
ダニカ・クルチッチ
サラ=ソフィー・ブースニーナ
ヨハン・ルイズ・シュミット
マルコ・イルソ
ソーレン・ピルマーク

音楽
公開

2014年10月2日 デンマーク

上映時間

119分

製作国

デンマーク・ドイツ・スウェーデン

視聴環境

AmazonPrimeVideo(PS4・TV)

特捜部Q キジ殺し

ミステリーと言うより特濃人間ドラマ。

8.5
かつての先輩刑事に依頼された双子殺しが時を経て今を縛る
  • 元刑事がカールに直訴した双子殺しの捜査
  • キーマンの過去で語りつつ、事件の真相と現在の犯人の姿を描く
  • 特捜部はどちらかと言うと振り回される側
  • このシリーズらしい重さと“間”の見事さは変わらず

あらすじ

いやー今回も良かった。素晴らしいですねこのシリーズは。好みすぎて鼻血出そう。この手のミステリーシリーズでここまでハマった映画は初めてかもしれません。とにかくデキが良い。

一応軽くご説明。

この「特捜部Q」シリーズは、ユッシ・エーズラ・オールスン原作の小説を元にしたもので、1に当たるのが「檻の中の女」、今作「キジ殺し」が2作目、3作目が「Pからのメッセージ」、そして2019年現在、4作目となる「カルテ番号64」まで映画化されております。ちなみに小説も同じ順番ですが、こちらは7作目まで出版されています。いつか原作も読んでみたい。

なおこのシリーズの映画を観ている人は当然ながら主役二人に愛着が湧いているものと思いますが、この二人の主演は4作目「カルテ番号64」までで終了だそうで、それ以降は別の俳優さんが演じることになるとのこと。寂しい…。

ということで2作目。前作で一応の結果を残した特捜部が表彰されるものの、相変わらず同僚たちからは醒めた目で見られている状況のようです。

そんな中、一人になりたかったのかパーティを抜け出して外に一服しに行ったカールのもとに、みすぼらしいおっさんがやってきて「あの事件をもう一度調べて欲しい」と懇願します。「明日は日曜日だから…」と。「いや木曜だし」とあしらったカールですが、翌日おっちゃんは風呂場で自殺、遺体となって発見され、かつて同じ署に勤めていた刑事であることがわかります。

おっちゃんはカール宛に資料を残していて、それを受け取った彼は他の案件を差し置いてこの事件の捜査に乗り出すことを決意。

おっちゃんが再捜査を懇願した事件は(確か)20年ほど前の双子殺しで、被害者はおっちゃんの子供。犯人も逮捕されていたんですが、やけに短い刑期に加え、お金がないと思われる犯人とは似つかわしくない金持ち相手の弁護士がついていたところから怪しい匂いを感じ取ったカール、徐々に捜査を進めていくんですが…あとはご覧くださいませよと。

業を感じさせる重厚な物語

今作の物語開始早々に秘書配属で3人体制となる「特捜部Q」ですが、マンパワーが増した以外は特に変わらず、前作同様のとても安定した作り。

まあとにかく画作りが抜群にうまいですね。このシリーズ。陰影の捉え方、カメラワーク、登場人物の間の取り方、全部が引き込まれるレベルの高さで、比較的マイナーな国の映画でありながら、日本はおろかハリウッドでもちょっとこのレベルはなかなか観られないぐらいに素晴らしい仕立ての良さが光ります。好きだわー。ほんと好きこのシリーズ。

今作はある一人の少女の寄宿学校時代の描写から始まり、「この子が被害者の子?」と思いながら観ているとどうやらそうではないようなんですが…その彼女の目を通した過去の描写から事件を紐解き、またそこから現在へのつながりを描く内容になっています。

今作はこの彼女が“影の主人公”とでも言うべき人物で、ある意味では彼女の過去と現在がすべての物語です。それに振り回される特捜部、って感じ。

ただそれが悪いと言うわけでもなく、「過去の事件を掘り起こす特捜部」というスイッチのおかげで彼女や真犯人たちの現在が回り始め、それによって彼女たちの現在に過去が襲いかかってくるという構図はなかなか“業”を感じさせる素晴らしいシナリオだと思います。

今作は特捜部の面々があまり役に立っていないというか、主導権を握る立場ではないので、それ故かネット上の評価としては「微妙」とか「2作目でペースダウン」とか言っている人も多いようなんですが、僕は全然そんな風には感じませんでしたね。むしろきっちり手を抜かず、前作以上に力が入った素晴らしい作品だと思います。

確かに「刑事」という役割だったり「サスペンス or ミステリー」として観ると物足りなさがあるかもしれませんが、それを補って余りある物語の重厚さに大満足でしたよ。いかにも小説原作映画らしい佇まいが感じられて、しっかりとした力量のある人たちが作っていることがよくわかります。

骨太硬派ミステリー好きは絶対観ろ案件

相変わらず重いし暗いしなかなかキツイ話でもあるので、どうしても人を選ぶ面はあると思いますが、それでもこのシリーズは観る価値があるんじゃないかと思いますね。

本当に語彙力不足で申し訳ないんですが、簡単に言うと「映画としての質がトップクラス」みたいな。何を持ってトップクラスなのかよくわかりませんが。

これだけ質の高い映画ってあんまり観ないよな、ってレベルで映像も演技も物語の質も素晴らしいんですよ。この映画に限らず、シリーズすべてが。これは相当すごいことだと思います。

もはやこの手の刑事モノでは抜き難い領域に達したんじゃないでしょうか。(順番が前後したせいで)僕としてはこのシリーズ3本目の鑑賞になりましたが、「今回も期待してるでぇ」という観る側の期待を真っ向から受け止めてきっちりがっぷり四つで受け止めてくれる力強い作りは本当に素晴らしいと思います。

ブルーレイで出てたら全部揃えて持っておきたいレベルでお気に入りなんですが…残念ながらDVDしか出ていない模様。なんとかしてくれないかなぁ。

もうね、「たまんないよレベル高いよ」しか言うことがないのでこの辺で終わりますけどね。骨太硬派ミステリー好きにはぜひ観て頂きたいシリーズですよと猛プッシュしておきます。

このシーンがイイ!

カールとアサドがリッチ野郎の家に行った時、キスしようとするリッチ野郎とそれをかわす奥さんをしっかり見てるアサドのシーン。

ありきたりかつ細かい部分ですが、あれをしっかり拾ってこその「リアル地道な捜査」だと思うので良いシーンだなぁと。

あとベタだけど課長が決断するところね。「課長ー!」って言っちゃったよ思わず。

ココが○

全体のクオリティ。これ以上のシリーズはなかなかお目にかかれないと思います。

ココが×

刑事モノとしては不満が残る部分はあります。当然ラッキーもあるし。

もっともその辺求めるとキリがないのもあるし、あんまり気にしない方向で。

MVA

相変わらず主演二人も素晴らしいんですが、今作はこの人かなぁという印象。

ダニカ・クルチッチ(キミー役)

事件の鍵を握る女性。

こちらは現代の方のキミーを演じた方で、若い頃のキミーを演じたサラ=ソフィー・ブースニーナもとても良かったんですが、やはりどこか鬼気迫るものを感じた大人キミーの方を選びたいなと。

化粧っ気ゼロで迫真の演技、いやはや素晴らしかったです。

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