映画レビュー0348 『いずれ絶望という名の闇』

この時期、朝起きるとどうにも喉が痛くなるので加湿器が手放せないんですが、一昨年買った安いやつは翌年には死亡、去年仕方なくまた安いのを買ったんですが、今回もどうも怪しい。結局何も手入れしないズボラーな使い方がまずいのか、と軽く手入れしようかとフタを開けてビックリ、中が鍾乳洞のようになってました。

「こりゃある意味ホラー映画だな…そうだ、映画観よう」ということで、こちら。(別にホラーではないという謎展開)

いずれ絶望という名の闇

DIAMANT 13
監督
ジル・ベア
脚本
ジル・ベア
原作
ユーグ・パガン
出演
アーシア・アルジェント
アンヌ・コエサン
アイサ・マイガ
音楽
フレデリック・ヴェルシュヴァル
公開
2009年1月21日 フランス
上映時間
98分
製作国
フランス

いずれ絶望という名の闇

刑事のマットは、同僚であり友でもある麻薬捜査官のフランクから怪しげな金儲けの話を持ちかけられるが断る。その後、フランクはその金儲けの仕事中に殺されるが、彼と事前に会っていたマットにも魔の手が迫り…。

すごそうですごくない。

5.0

あるいは裏切りという名の犬」「やがて復讐という名の雨」に続く、オリヴィエ・マルシャル系フランス警察三部作、最後の1本でございます。

前2作同様、キャストは結構かぶっていて、今作の主人公はおなじみ超絶尻鼻男、ジェラール・ドパルデュー。概要を書くのが非常に難しいかなり説明の少ない映画でしたが、さらっとおさらい。

優秀な刑事であるマットは、同僚であり友でもある麻薬捜査官のフランクからある稼ぎ話を持ちかけられますが、断ります。その当日、フランクは一人でその仕事を遂行しようとしますが、あえなく殺されてしまい、その死体をマットが見つけます。フランクを殺害した人間は、事件の前にフランクとマットが密会していたことを知っていて、フランクが奪った金とクスリの行方をマットが知っているのでは…と疑い、マットも狙われることになり…というお話。

ここにかつての恋人であり現上司である女とかジャーナリストらしき女が入り乱れ、事件が複雑に絡み合い…的な感じですが、本当に極端に説明不足で不親切な進行のおかげで、まあとにかくわかりにくいことこの上ない。その人はどういう立場の人なのか、なぜそういう状況にいるのか、その他諸々の諸事情がほとんど見えてこない映画なので、なんとなく漠然と眺めていたような感じでした。

これはおそらく僕の映画の見方の問題でもあると思いますが、この手の説明不足な映画は「最後まで観ればつながるんでしょ」とか、「面白かったから後で情報補完しよう」とかそういう風に考えちゃうので、あんまり序盤はしっかり追いかけようとしないんですよね。かなり期待している映画でない限り。この映画もそうやって観てた結果、終わりまで観て「ウーン」と。

結局、結論から言ってしまえば「なんかすごいぞ」とか「シビアでハードなボイルド映画だぜ」とか、上っ面を塗りたくるために複雑に見せてるようなフシを感じてしまい、最後まで観て振り返ると、「アレどうなったんだ」とか「それムリあるでしょ」とか「いやいやベタすぎるでしょ」とか、いろいろ拙さを感じちゃったんですよね。

前2作同様、かなり重厚にしっかり見せようとしている映画なんですが、その雰囲気に内容が完全に負けている感じで、言ってみれば“雰囲気勝負”な映画になっていたような気がします。

「あるいは裏切りという名の犬」は「なんプロアワード」に入れようか迷ったぐらいの名作でした。「やがて復讐という名の雨」は重すぎてきつかったんですが、話はよくできていたと思います。この映画は、その2作のイメージを引き継いでいる分期待もさせるんですが、残念ながらじっくり筋を追うとかなり中身が薄いと思います。

ネタバレになるので書けませんが、最後も予想通りな上に「あいつはどうした」って感じで終わっていくので、消化不良に終えていったような感覚。その“予想通り”の人が吐くセリフでも、ちょっと「男としては気持ちいいけど、いくらなんでもそれはないでしょ」みたいな動機が語られてたりして、残念ながら古臭いハードボイルドなデコレーションでごまかした刑事サスペンスという感じ。

それと何よりも、主人公の超絶尻鼻男ジェラール・ドパルデューが太り過ぎ。ちょっとね…。アクションも見るに耐えないというか。もう少しシャープにして欲しかった…。

前2作の主人公を演じたダニエル・オートゥイユも決して細いとは言えませんが、彼が「やがて復讐という名の雨」で見せた恐ろしいまでの“闇”の雰囲気を思うと、今回も彼の方がまだいい映画になったと思います。ただ、そうすると女性ジャーナリストとの絡みに既視感漂い過ぎるんですけどね…。

結論としては、犬>雨>闇。犬は本当にものすごく良く出来ていたので、あれだけ観れば十分かなと思います。

このシーンがイイ!

女性ジャーナリストが去り際に後ろ姿でひっそりと涙を拭うシーン。あそこはすごく印象的でした。

ココが○

前2作の雰囲気を引き継いでいるだけに、ああいうハードボイルドで重めの刑事モノ、っていう感覚は相変わらずあって、好きな人にはたまらない雰囲気は持っていると思います。ただ、返す返すも内容が残念なわけですが。

ココが×

もうバッサリ書いちゃいますが、多分「丁寧にやると面白くないのがバレる」って思ったんでしょうね。無駄に難解にして中身が薄い、っていうのはちょっと映画としては致命的かな、と。

MVA

ほんとジェラール・ドパルデューが残念だったわけですが、他の人達も(多分に映画の評価に引っ張られますが)イマイチパッとせず、強いて挙げるなら、でこの人に。

オリヴィエ・マルシャル(フランク役)

普通に観てて、「あーなんかこの人渋くていいな」と思ってたんですが、観終わって調べてビックリ。三部作の要であり、犬の監督さんでした。

役者もやるのねーと思いつつ、今回も自分で監督すればよかったのに、と…。自分で書いただけにわかってたんですかね。この映画はイマイチになりそうだな、って。

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