映画レビュー1457 『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』

おヒューが出ているので観たかった一本。ネトフリにあるじゃん! ってことで小躍りしながら再生です。

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り

Dungeons & Dragons: Honor Among Thieves
監督
脚本

ジョナサン・ゴールドスタイン
ジョン・フランシス・デイリー
マイケル・ジリオ

原案

クリス・マッケイ
マイケル・ジリオ

原作

『ダンジョンズ&ドラゴンズ』
ハズブロ

出演
音楽
公開

2023年3月31日 アメリカ・日本

上映時間

134分

製作国

アメリカ・カナダ

視聴環境

Netflix(Fire TV Stick・TV)

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り

王道でベタ、でも映像の良さと悪役の良さで上々。

8.0
かつての仲間に裏切られ、彼を止めるべく冒険へ
  • 脱獄してかつての仲間に会いに行ったら裏切られて許すまじ
  • 同名RPGを元にしたファンタジーらしいゲーム感のある楽しさ
  • 展開は王道ながら映像も力の入った素晴らしい出来
  • ただし結局おヒューが全部持って行く系

あらすじ

まあ僕がファンだからなだけだとは思いますが、結局おヒューが全部持って行く映画でした。

吟遊詩人のエドガン(クリス・パイン)は、チームメンバーである女戦士のホルガ(ミシェル・ロドリゲス)、魔法使いのサイモン(ジャスティス・スミス)、詐欺師のフォージ(ヒュー・グラント)と金持ちのみを標的とする、いわゆる義賊的な活動をしていたんですが、あるとき彼に目をつけたウィザードのソフィーナ(デイジー・ヘッド)からの依頼でかつて所属していた組織であるハーパーの要塞に盗みに入り、「おれ、この仕事が終わったら盗賊やめるんだ…」とフラグ感満載の事情を吐露してしまったこともあり失敗。サイモンとフォージは逃げ延びたものの、ホルガとともに投獄されてしまいます。
2年後、脱獄した2人はかつての仲間であるフォージが領主となったことを知り、彼に託した娘キーラ(クロエ・コールマン)と要塞に忍び込んだ際に盗んだ「よみがえりの石板」を返してもらおうと会いに行きますが彼の裏切りによって捕らえられてしまいます。
なんとか逃げた2人は「フォージ許すまじ」ってことでかつての仲間であるサイモンに会いに行きますが…あとはご覧ください。

よくできたゴリゴリのファンタジー

テーブルトークRPGの古典中の古典であるダンジョンズ&ドラゴンズ、通称D&Dの映画版です。僕も親友がやたらD&Dのアーケードゲームにハマっている時期に観ていた記憶があります。ワレニカゴー。(自分はハマらなかった)
そもそも映画が公開された当時も特に興味はなかった(クリス・パインあんまり好きじゃない)んですが、かつて20年以上前にFF11でフレンドとなり、今もつながりがある数少ない友人のHNサザエさんに「おヒューがいい味出してたよ」と伝えられて俄然興味が湧いた一本です。おヒュー出てるの知らなかったんでね…。
別にサザエさんはおヒューファンでもなんでもない、むしろあまり洋画も詳しくないはずなのにおヒュー指名で「良かった」と言われたのでこれは相当だろうと期待したんですが確かにおヒューが美味しい映画で最高でした。
ちなみにサザエさんはまだPS5がまったく手に入らない頃に僕が欲しい欲しいと言っていたら出先のヨドバシで偶然発見し、「送るよ」と購入して送ってくれた我が家のPS5の恩人でもあります。(もちろんお金は払いました)

ということでダンジョンズ&ドラゴンズの映画版です。ゴリッゴリのファンタジーで映像も気合いが入っていて、この手の映画にありがちなコスチュームが過度に安っぽいとかもなく、世界観の再現がしっかりできている今の時代らしい映画ですね。
しかしRPG原作となるとどうしても考えちゃうんですが、吟遊詩人が主人公で相棒となる女戦士に(心もとないとは言え)魔法使い、ドルイドまではいいとして詐欺師ってパーティーメンバーにいらなくない!? なにすんの!? だから余計な仕事が増えちゃうんじゃないの!? と思わなくもない。(一応設定的にはローグらしいので盗賊的な感じなんでしょうが)
それはさておき魔法を使った戦いやダンジョン的な舞台の使い方、その他ギミック関係も含めてとてもゲームらしい映像が良くできていて、キッズが観たら大喜びしそうないい映画ですね。普通に出来がいい分続編もありそう。悪役とは言え元仲間なだけにおヒューもワンチャン出てくるかもしれないし。
一方でその辺しっかり作り込んだ作品なだけにお話はどうしても奇をてらうこともできないので王道になってしまわざるを得ず、話の展開としては少々退屈ではありました。
結局内容的には数多ある(ゲームも含めた)展開に終止するので、意外性は期待もできず、物語に期待するなら観なくてもいい…んですが、そこで光るのがやはりおヒューですよ。
まー胡散臭い。相変わらず。
元仲間という設定なだけにボスキャラ(悪役)としては力量不足もいいところで、特に強いわけでもないんですがその辺の役割は同床異夢の悪役仲間・ソフィーナが請け負っているので問題無し、おヒューは存分に等身大の胡散臭いおっさんを彼らしい愛嬌ある演技で魅せてくれます。
くどいようですが僕は一番のお気に入り俳優がヒュー・グラントなので参考にならないとは思うんですが、しかしこの役をこれだけ胡散臭くかつ憎めないキャラクターとして演じられるのは改めて唯一無二だなと。
やっぱりちょっと腹が立ちすぎると話が変わってきてしまうだけに、ムカつき具合が絶妙な彼のキャラクターは本当に見事だと思います。
世の中の大半はまさか「ラブコメの帝王」がこんな個性派悪役俳優になるなんて思いもしなかったでしょうが、僕は信じてましたよ。ここまでとは思わなかったけど。
むしろラブコメ終了後の方が売れちゃってる気もするし、まさかの大活躍で今後も非常に楽しみでなりません。今度ホラーもやるそうだけど。

一見の価値アリ

そんなわけでベタだけど映像の良さとおヒューの美味しさで楽しかったよ、というところでしょうか。
ハリポタのような深さがない分、やや低年齢層向けな印象もありましたが、しかしゲーム好きな人であれば一見の価値アリだと思います。
まあ日曜の昼間にのほほんと観るのにちょうどいいんじゃないでしょうか。なんとなく昼下がり向けな気がする。

このシーンがイイ!

オチ、超好き。あのせいでおヒューが全部持っていった。
それに続くエンドロールもグラフィックがめちゃくちゃ良くてニッコリ。
あとおデブなドラゴンのシーンも好き。

ココが○

魔法とかゲームっぽい描写がすごくよくできているので、今後のこの手の映画にも結構期待が持てるというか可能性を感じる映像だったなと。

ココが×

やっぱりもう一つ盛り上がりに欠ける物語でしょうか。しょうがないんですが大体過去何かで観てきたような内容に終止するので…。

MVA

普通に行けば当然おヒューなんですが当ブログで唯一殿堂入りしているので、やむを得ずこちらのお方に。

ジャスティス・スミス(サイモン・アウマー役)

頼りない魔法使い。一応ハーフエルフらしい。
彼の成長が物語の一つの鍵にもなっているので割と重要なキャラですが、いかにもキッズが親しみやすそうな身近な雰囲気がなかなか良かった。
すごくこの世界に馴染んでいるキャラだった気がします。

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