映画レビュー0640 『イーグル・アイ』

BS録画より。公開時よりまったく記憶にないノーマークの映画ですが、なんとなく録画しておいたのでなんとなく鑑賞。

イーグル・アイ

Eagle Eye
監督
D・J・カルーソー
脚本
ダン・マクダーモット
ジョン・グレン
トラヴィス・アダム・ライト
音楽
公開
2008年9月26日 アメリカ
上映時間
118分
製作国
アメリカ

イーグル・アイ

コピーショップの店員として働くジェリー。ある日彼の住むアパートの一室に大量の武器が届き、直後に謎の女から「今すぐ逃げなさい」と電話がかかってくる。戸惑っている間にFBIに逮捕されたジェリーだが、またも受け取った電話から謎の女の司令が届き、同様に謎の女に指示されたシングルマザーのレイチェルが運転する車に乗り込み、逃走を図る。

設定は面白いんだけどいろいろ残念。

6.5

なんかこんな感じの見出し、何回も書いてる気がする。でもそういう感じだからしょうがない。

ジャンルとしてはSFサスペンスなんだと思いますが、でもイメージ的にはアクション映画の範疇を出てないかなーという感じ。設定はとても良いんですけどね。ただ、詰めが甘い感がすごい。んで、その設定の部分も結構「謎めいてる」のが劇中の引力になっているので、ネタバレ回避を信条とするココではあまり詳細を書くことも出来ず…難しい。とりあえず、ちょっと詳しい概要を。

シャイア・ラブーフ演じる主人公のジェリーは元々優秀な頭のいい青年だったようですが、今はコピーショップの店員として冴えない日々を送っています。彼には軍関係の仕事をしている双子の兄がいて、こちらはかなり優秀な人材だった模様ですが事故でお亡くなりに。その兄の葬儀の直後に、日常とはかけ離れた出来事に巻き込まれる事件が続発。都度謎の女性からの電話で指示を受け、また時には駅の掲示板に表示される指示に従いながら、とにかく逃げる逃げる。

同じ頃、シングルマザーのレイチェルも、習っていたトランペットの演奏お披露目のためワシントンに向かった最愛の息子を(乗ってる電車を脱線させるぞ的な脅しで)人質に取られる形で、これまた謎の女性からの電話を受け、言われるがままに車に乗り、待っていたところにジェリーがやってきて一緒に逃げ回ることになります。果たして二人に指示を出す“謎の女性”の正体は、そしてその狙いは…というようなお話です。

終盤近くまで「なぜこの二人が巻き込まれたのか」「この指令を出してくる女は何者なのか」「目的は何なのか」がわからず、ずーっと死にそうになりながら捕まりそうになりながらの巻き込まれ型サスペンスはなかなか緊張感もスピード感もあり、「おっ、意外と良い映画だね」てな感じで見せてくれます。謎が謎のまま、ギリギリまで引っ張って引っ張ってーのサスペンスっぷりは悪くないです。

ただ、まずその逃げ続けるシークエンスが少し長いのでやっぱり見続けるにはしんどいのと、オマージュなんでしょうが「昔こんなような映画あったよなー」みたいなシーンも結構多く、既視感のある流れにただひたすら逃げるだけで目的がわからない状態に段々飽きてきちゃうんですよね。

で、話の全貌がわかってきて「おお、そういう話か」ってそれ自体はなかなか好みだったんですが、そこからがまた少し強引な感じで。

謎の女の正体がわかるまでは無理がなかった展開も、仕掛けが見えてきた後はアラが見えちゃうというか。「だったらこうすりゃいいじゃん」とか「急になんか必死になってきたなこいつ」とか「えー結局それ?」とか、いろいろと残念ポイントが出てきてしまい、少し詰めが甘いんじゃないんですかね、という。

ネタバレにならない程度に書くと、この映画に限らず一般論として、敵が強大であれば強大であるほど、賢ければ賢いほど「じゃあこれこうするのおかしいよね?」って気になるじゃないですか。スゴイ敵を描こうとすればするほど隙を作れないジレンマがあるのがこの手のお話の辛いところで、ましてやこの映画の“敵”は、普通に考えていくら優秀だったとしても、その辺の普通のコピーショップの兄ちゃん(その他)が抗えるような相手じゃないんですよね。

いや、そんなこと言ったら元も子もないのはわかってはいるんですが、ただそんな兄ちゃんが敵を出し抜いたと思わせるにはいろいろと少しお粗末な気がして、そこがとても惜しい映画だな、と思うわけです。

テーマ自体はそれこそ(タイトルを書いた時点でわかっちゃうレベルで)かなり昔から描かれている古いテーマではあるんですが、しかし今なおリアル社会でも議論が行われるようなリアリティのあるホットなテーマでもあるし、現在の(と言っても10年近く前の映画ですが)テクノロジーでそれを描くこと自体はとても良いし、実際かなり好きな話ではあるんですが、それだけにどうしても厳し目にいろいろ見ちゃう部分があって、もう少し神経を張り巡らせたギチギチにキツい話にしてほしかったな、という残念感が強かったです。

総じて“この頃の娯楽映画”から抜け出せていない雰囲気があったし、良くも悪くもハリウッドだな、という感じでもう一つ完成度を高めるためのピースが足りていない印象が強い映画でした。本当に惜しい。

まあ、暇つぶしに観る分には良いと思います。

このシーンがイイ!

アクションはなかなかの迫力がありました。特に序盤の廃車工場(?)は良かったかな。

ココが○

テーマが良いですね。SFとしてはド定番ですが、それでも良いのは今の時代になってよりリアリティを感じられるからなんでしょう。実際にこういう話もありそうだ、と思わせる時代になってきたんでしょうね。

ココが×

上に書いた通り、詰めが甘いところ。特にロザリオ・ドーソンがアレするところなんてね…。こっちは最初っからそれしかないだろ、と思ってたんですけど…。これまた“ピンチを演出するための無駄なイロイロ”感があって嫌。

MVA

多分、ピークに近い時代のミシェル・モナハンだと思うんですが、思いの外普通のオバちゃんという哀しみ。シャイア・ラブーフもあまり好きではなく…ベタですがこの人かなー。

ビリー・ボブ・ソーントン(トーマス・モーガンFBI捜査官役)

まーこのお方は名脇役の一人だと思うので、そりゃ良いわね、という。

あと“謎の女性”をジュリアン・ムーアがやっているんですが、これがまたよかった。

正体は…観てのお楽しみ。

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