映画レビュー0599 『さよなら、人類』
「アントマン」と一緒に借りた、ちょっとマニアックな映画。観に行きたかったんですがマニアック故に近くでやっておらず。
なお、そろそろ年末進行で毎日更新していくぐらいの勢いがないと捌けそうにないので、ちょっと更新頻度が増します。来る人ほぼいないですが、一応お知らせ。
さよなら、人類
眠いまま終わった。
暗い人たちの群像劇。ジャンル的には群像風刺コメディとでも言いましょうか。ヴェネツィア映画祭で金獅子賞受賞ということで、鑑賞後に知って「ああー、なんかわかるわ」と。そんな感じの映画です。(どんな)
非常に説明が難しいんですが…ある日、ある場所にいた人たちの日常を見せる群像劇とでも言うんですかね…。すべてのシーンが固定カメラでまったく動かず、全体的に彩度の低い世界はまるで絵画のよう。登場人物も全員一様に顔色が悪く、美男美女どころかどちらかと言うとクセのある醜めな人たちが多め。
こういう漫画、あった気がするんだよなー。海外の風刺画のようなビジュアル、とでも言えばいいでしょうか。映像に関して言えば、まったく動きのないカメラ割り含めすごく独特なものがあり、どことなく「只者ではない」感が漂います。とても味のある雰囲気は感じられるんですが、しかしその実内容にまったく面白さを見い出せませんでした。
ただ、これは僕が極度に嫌う「功名心だけで映画に対する愛がない」とか「独りよがりの監督自慰映画」とかその手の類ではなくて、単純に僕の学が足りないような気がしました。この映画に込められた深い意味を見出せない程度の浅さがバレたような。そんなちょっと哲学を感じる映画だったんですが、まあでもぶっちゃけたら「これが面白い人はなかなか変態」な気がします。深すぎるのか、それとも思わせぶりなだけなのか…僕には答えが見つかりませんでした。
金獅子賞の映画、ってなーんかこういうタイプの映画が多い気がして苦手なんですよね…。事前に知っていたら回避してたかもしれません。それぐらい苦手。「父、帰る」とか。クソつまんなかったし。
この映画も、昼食後という観たタイミングも悪いんですがまあ眠かった眠かった。一回止めてしっかり寝てまた観るも眠いまま終了、と。
ちょっとね、シュール過ぎます。全体的に。
なんか言いたいことがあるんだろうけど、それを理解しようと頭を回転させたくなる程の引力がないし、そもそも群像劇だから登場人物に感情移入どころか誰が誰だかよくわからないまま終わるし。個人として認識できたのはセールスマンの二人とか国王様ぐらいで、後は何度か出てきたかもしれないけど気付かなかった、とかそんな感じがほとんどでした。集中力も欠いていたからね…。
一体なんだったんだろうか、この映画は…。
人間に対する皮肉が込められている…のはなんとなくわかりはするんですが、それにしてもシュール過ぎてちょっとね…。こういうのって理解できる人が少ない故か、“それっぽく作るとそれっぽく見えちゃう”という欠点があるので、本当にすごいことを語っているのか、それとも“それっぽい”だけなのか、その違いすらわからないという…僕にとっては難しすぎました。
まあ、自分の能力の低さ故にわからないことを「わからないからつまらなかったよ」と恥ずかしげもなく正直に書くのがなんプロ唯一の拠り所なので、そこだけは曲げずに書きたいと思います。
つまらなかったよ。
このシーンがイイ!
一番やっぱり観ていてキャッチー(と言っていいのかどうか)だったのは、奴隷が回転する何かに放り込まれるシークエンスでしょうね…。あれはなかなか…。
ココが○
映像だけは本当にすごく印象的で、内容は一切覚えていないのに映像だけはずっと覚えている、そんな映画になりそうです。特に血色の悪い登場人物たちがすごく不気味でそれが良かった。しゃべり方もなんかツラい。聞いてて。ヨナターン。
ココが×
一切面白さが感じられなかった点。
最終的にいろいろつながって…とかもなく、群像劇のまま散漫に終わっていきます。個々人がどうこうというより、人間そのものについて思いを馳せなさい、ってことなんでしょうが、しかし難しすぎた。せめてオチぐらいはもうちょっとグッとくるものにして欲しかった…。
オチのシーンが一番シュールだったよ…。
MVA
いつもつまらなかった映画は特に誰、ってないんですが、まあ消去法で。
ホルゲル・アンデション(ヨナタン役)
セールスマンの片割れ。頭の弱そうな方の人。
なんというか、人としての哀しみを感じました。ヨナタン、っていう名前もなんか気の毒。(ひどい)
自分も歳取ったらこうなるんだろうなぁ…。そう考えると、なんだか突然悲しい映画に見えてきましたね…。