映画レビュー1283 『ロスト・エモーション』

今日も今日とてJAIHOだぜ!

評価はイマイチなものの設定が大好物過ぎたので観ました。はてさて。

そして今年の更新はこれで終わりだ! バカヤロー!

骨折でしばらく更新が止まったりもしましたがまた無事一年続けられて満足です。今年もありがとうございました。

皆さま良いお年をお迎えください。年明けはいつものアレでお会いしましょう。

ロスト・エモーション

Equals
監督

ドレイク・ドレマス

脚本
原案

ドレイク・ドレマス

出演
音楽

サッシャ・リング
ダスティン・オハロラン

公開

2016年7月15日 アメリカ

上映時間

102分

製作国

アメリカ

視聴環境

JAIHO(Fire TV Stick・TV)

ロスト・エモーション

設定はいいのに…。

6.0
感情を排除した人間の共同体で惹かれ合う二人の男女
  • 無感情人間しかいないディストピアもの
  • 感情を持つことは病気とされ、主人公とヒロインが罹患
  • 日本でもロケされ、安藤忠雄の建築物が使われている
  • 設定の良さに物語が負けている印象

あらすじ

めっちゃ好みのディストピアものだったんですが、正直に言って話はイマイチ。どうしてこうなった感がすごい。映像は良いんだけどなぁ…。

世界戦争によって地上の99.6%が破壊されてしまった近未来、人類を破滅させる元凶は「感情」だ、ってことでそれからの人類は遺伝子操作によって感情を排除されたロボット的な人たちしかいない共同体「イコールズ」になりました。まさにディストピア。いいですねぇ。

イコールズに暮らす人間は常に監視され、愛情だったり欲情だったりの感情が発露すると病気と判定されます。そして投薬治療等の段階を経て強制隔離→安楽死という流れ。ベルトコンベアに載せられたように人が死んでいく世界だぜ…!

そんな世界に暮らす主人公のサイラス(ニコラス・ホルト)は、出版局だったかそんなような部署で働いており、記事のイラスト制作を担当しております。

ある日、彼の勤務先の建物で飛び降り自殺が起き、現場を無表情で眺める面々の傍らで、感情を押し殺すように現場を見つめる女性が一人。

彼女はサイラスの同僚のニア(クリステン・スチュワート)。彼女に興味を持ったサイラスは彼女に近づいていき、やがて彼自身も感情の発露を認識するに至ります。

バレればバイヤーなこの状況、二人はどうなる!?

すべてが予想通りに展開する

いやー面白そうでしょう? こういうディストピア近未来SF大好きなんですよね。

でも結果はダメダメだったよ、ってことでね。もう嫌になりますけども。

ディストピアの設定はしっかりあり、どう考えたってこの世界おかしいでしょという素地もしっかり、それに抗う存在もいて、そこに主人公が身を投じていく…これで悪くなるはずがないと思うんですがやっぱりオチの弱さがすべてを台無しにしております。

話の帰結としてはまあ悪くないかなとも思うんですが、フリが利きすぎてるので「どうせこうなるんでしょ」と思った通りの展開をたどるのがまずつらい。ここで裏切らなくてどこで裏切るんだよ、っていう。

そしてそれをちょっと揺り戻すエンディングもお決まりすぎて超ガッカリ。久しぶりにそれいらねーよ出ました。ラストシーンで。

もうなんなんだよマジでこの定番の流れはよぉ!? これだからアメリカの映画は飽きてきちゃうんだよなぁ…。

これが人生初のディストピアものであればもしかしたらめちゃくちゃ面白かった可能性もあります。それでもしんどいだろうとは思うけど。

しかしこれだけ作品が溢れている現代でこれは…一体何を見せたくて作ったのかがさっぱりわかりません。流れでこなした仕事感。

もう一切ドキドキポイントがないんですよね。「ヤバい!」とか「どうなるの!?」が。「ああこのあとああなるのね」「やっぱりね」のオンパレード。

ここでピンチが来るんでしょもわかりやすいし、そのピンチの結末も予想通り。マジでテンプレあるんじゃねーか、ってレベルでいつも通りの展開でした。

つまり設定やらビジュアルやらの装いだけがこの映画のオリジナルで、核の部分はどこかで観たような内容に終止しているわけですよ。

いつものマネキンをミニスカサンタにしたところでこっちは興奮しないわけでね。いい加減にしろよと。お前を車に乗せて時速60kgの衝突実験に使ってやるぞとお怒りです。

なにせ(評価がイマイチなのは知りつつも)序盤からドストライクな世界観で期待値が高かっただけに、後半のベッタベタな展開には心底がっかりました。

良いのはビジュアルと設定だけ

ディストピアらしいビジュアルはとても良かったのでそこは評価したいんですが、物語がダメダメなので逆に言えば評価すべきはそこぐらい。

とても日本でのロケが混ざっているようには見えないのも新鮮でした。でも本当にビジュアルと設定だけの映画だと思います。

仏造って魂入れず的な、一番大事なところが抜けちゃってる映画ですね。

ちょっと「ガタカ」っぽい世界なのがまた惹かれたんですが、これ観るんだったら繰り返し「ガタカ」観たほうがいいです実際。

今年はコレで終わりかぁ…と思うとすごく残念なんですが、お口直しに観たことがある別の映画を観ようと思ってます。

ということで今年は以上!

ロスト・ネタバレーション

どうせ薬飲んじゃうんでしょと思ったらやっぱり飲んで愛情喪失からの「やっぱり愛が残ってるかも」的なエンディング。マジクソ。あの最後マジでいらない。

悲劇にするならとことん悲劇で終わって欲しいし、ハッピーエンドとしても中途半端。ああいうオチは本当にゲンナリしますね。

以上、愚痴でした。

このシーンがイイ!

通勤シーンが好き。いかにもディストピアで。こういう状況で働いてることに違和感を感じない人間しかいない、その環境がたまりません。

ココが○

設定とビジュアル。マンションも良かったなー。外から丸見えじゃねーかとは思ったけど。

近未来SFはビジュアルだけでワクワクするんですが、それだけに中身が薄いと…。

ココが×

もうレビューがほぼ愚痴で占められているのでそちらをご参照くださいということで。期待した分ガッカリだぜ!

MVA

ニコラス・ホルトと言えば「アバウト・ア・ボーイ」。そう、おヒューとの共演作です。ボーイだった彼も大きくなりました。もうだいぶ忘れたけど。

彼のロボットみある無機質な感じも良かったんですが、なんとなく今までのイメージと違う印象があったこちらの方に。

クリステン・スチュワート(ニア役)

感情を持つ女性。ヒロイン。

クリステン・スチュワートはもっと強いイメージだったので、繊細な弱女子役はなかなか新鮮でした。良かったです。

描いたジャケットがすごくかわいくなくなっちゃってごめんね、と謝りつつ終わりましょう。

あ、あとガイ・ピアース出てたのも嬉しかったな。

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