映画レビュー0365 『ミクロの決死圏』
本日はおなじみ(なのか)今さらシリーズ。これまた超メジャータイトルですが初めて観ました。第一回午前十時の映画祭上映作品の一つです。
<近況報告>
特になし。(この部分不要)
ミクロの決死圏
斬新な設定も、流れはやっぱりちょっと古さが。
やー、懐かしい。キン肉マンでまったく同じような(っていうかパクリ)話が出てくるんですよね。ウォーズマンの体内に入るんですが。「パクリを思い出す」という矛盾した形で鑑賞しましたが、どうにも睡眠不足故かウトウトしてしまい、またもイマイチ集中できない状況での鑑賞となりましたゴメンナサイ。
この映画が公開されたのは今から半世紀近く前になりますが、今でも実用化されていない技術を中心に据えた物語は、それはそれは当時は斬新だったんじゃないかなぁと思います。
オープニングから30分ぐらいはその辺りの舞台説明と潜入までを描いているんですが、一旦小さくしてからさらに移動してもう一度小さくする、というようなギミックはなかなか今観ても面白かったし、体内の特徴を生かしたトラブルの作り方なんかも、まぁかなり当時は面白かったんじゃないかと思いますねぇ。「ああ、ありそう!」って感じで。着眼点という意味では本当に面白い映画だと思います。
ただ、やはり哀しいかな古い映画なので、当然CGもないだけに体内の描写はかなりチープでもあり、またこういう話に見慣れてしまったコチラ側の問題もあってさすがにグイグイ惹き込まれるような引力はありませんでした。これはこの映画のせいではなく僕のせいなんですが。
どうしても映画というのはテーマが普遍的なものと陳腐化していくものが出てきてしまうものなので、残念ながら後者であるこの映画は、今観て純粋な評価をする、というのはなかなか難しい面がありました。
ただ、その「縮小して体内に入っていく」という大筋と、時間制限と裏切り者の存在を匂わせるサスペンス感、計画通りに進まないトラブルから来るパニック感、おまけにちょっとした謎のサービス的シーンなど、今の映画に通じるようなフォーマットが結構てんこ盛りだったりして、なかなか当時としては「楽しませるぞ!」という意欲にあふれたいい作品だったんじゃないかな、と思います。
反面、「今の映画に通じる」ということは当然既視感も強いわけで、こういう斬新さが大きなウリとなる映画を観る上では、やっぱり“古さ”というのはどうしようもなく重いものになってしまい、「うおー!」とのめり込むほど楽しめず、ウトウトしちゃうのがオチでした、と。
エンディングもこの当時らしい「ここで終わりかよ!」みたいなスッパリ感もあり、あれはどうなったんだ的な疑問も勢いで解消してくれちゃってるのが残念。
そういう意味では(時代性もあるんでしょうが)雑でもあり、企画勝負で突っ走った感じも受けました。これがきっともっと人間ドラマにフォーカスしたような内容であれば今観ても遜色ないものになったのかもしれませんが、ただ当時としてはこれはこれでよかったのは間違いないとも思います。
今の技術でリメイクすると結構面白くなりそうだなぁと思うんですが、まあ「名作」として名が売れちゃってるだけにそれも難しいんでしょう。
リアルタイムで観たかった映画かな、と思います。
このシーンがイイ!
特にビシッと来たシーンは無いんですが、やっぱり謎のサービスシーンは面白かったですね。
紅一点に絡まった謎の藻的なものを男たちが剥いでいくという非常にシュールなシーンで、正直笑いました。
ココが○
やっぱり企画の部分は面白いですね。それだけに映像のチープさが気になってくるというジレンマもあるんですが。
ただ、映像は映像でそのチープさが味になっている部分もあったと思うので、完全に「古いからダメ」っていう映画でもないと思います。
ココが×
一応体内は水中的な扱いなんですが、撮影技術の問題か、あからさまに普通に歩きつつ泳いでる的な動きはどうにも違和感があって、まあこれも正直笑いました。仕方がないとは言え、もうちょっとアラに目が行かないような作りだったらもっと集中できたのかもなぁ、と思います。
MVA
これまた特にこの人、というのは無かったんですが、なんとなくでこの人に。
ドナルド・プレザンス(マイケルズ博士役)
潜入チームのリーダー的存在のハゲ博士。
どっかで観たことあるなーと思ったら「大脱走」の目が見えなくなるおじさんでした。「大脱走」同様、地味ながら丁寧な演技で存在感もあり、なかなかよかったかな、と。