映画レビュー0945 『寝取られ男のラブ♂バカンス』
本日はコチラ。これまたネトフリ終了間際シリーズです。おなじみ。
正直観ようかどうしようか迷ったぐらい微妙なモチベーションだったんですが、なんか久々にクリスティン・ベルを観たかったんですよね。なんか。
寝取られ男のラブ♂バカンス
2008年4月18日 アメリカ
111分
アメリカ
Netflix(PS4・TV)
おなじみ「気楽にただ観るのに最適」なラブコメ。
- 傷心旅行で死体蹴りされる男の話
- しかし旅先にも当然出会いがあって…
- よくあるラブコメだけに突き抜けた良さはないものの安定感あり
- 出演者が好きであれば観て損無し
あらすじ
本作では脚本も兼ねている、なにげに多才なジェイソン・シーゲル主演のラブコメです。
ジェイソン・シーゲルって見た目は微妙なところだと思うんですが、そこを才能でカバーしているような気がしないでもないですね。
しかもあのミシェル・ウィリアムズと付き合ってたんだとよ! マジカヨちくしょう!!
ということでジェイソン・シーゲル演じる主人公のピーター。彼は連続ドラマの主演でおなじみの女優・サラ(クリスティン・ベル)と同棲中の幸せリア充野郎です。
仕事は作曲家なんですが、そのサラが主演している刑事モノのドラマの劇伴を主に担当。自分でも「こんなの音楽じゃない」と今の劇伴界隈にチクリとするセリフも吐いたりしますが、要は「作曲家として名が売れるほどの大物じゃない」作曲家みたいな感じでしょうか。
ある日撮影から帰宅したサラに「別れて欲しい」と告げられ、激烈に愛していただけにショックも大きく、抜け殻状態に。
「忘れるには女しかない!」と数人の女性を抱く(モテるなちくしょう)もやはり虚しさは拭えず。義理の兄・ブライアンに「旅でもして気分転換しろ!」と言われた彼は、「サラも行きたいって言ってたしハワイでも行ってみるか…」とハワイへ旅行することに決めるんですが…なんでサラが行きたいって言ってたところに行くんや自分…見事にサラもおるやないか!! っと泊まろうとやってきたホテルでサラとバッティング、しかも品がない上に頭も悪そうな新彼ミュージシャン・アルダスとイチャイチャ旅行なもんでよりキツイ。
それでも「逃げたと思われたくない(&気になるから)」と同じホテルに泊まることにしたピーター、「隣の部屋から女性の泣く声がうるさいと苦情が入ってます」と言われるぐらいにメソメソしまくっておりますが、サーフィンしたり酒を煽ったりでなんとか気持ちを落ち着かせていたところ、優しくしてくれた上にホットでかわいいフロントのレイチェル(ミラ・クニス)が気になり始めます。
かくしてサラ&バカ彼氏&ピーター&レイチェルによるバカンスラブコメ、開幕でございます。
いつものラブコメ、いつもの面白さ
他のラブコメとの違いは…主演陣は当然ですが、それ以外だと「舞台がハワイでバカンス感が強い」ぐらい…?
それなりに面白かったのでこんなこと言っちゃうのもアレですが、正直「他のラブコメとの差異もようわからん」ぐらいに平均的で代わり映えのしないラブコメと言っちゃって良いような気がします。
良くも悪くも「何も考えないで楽しめるけどそれ以上の何かはない」、人生に刺さる重みゼロの「消え物映画」的なアレですよ。おなじみの。
おそらくあらすじから「こういう話になるんじゃないの?」と予想した通りの展開で意外性もなく、でも笑わせどころもしっかりあるし転換点もきっちり描いているので大きな不満もなく楽しめる、本当におなじみの“ザ・ラブコメ”という感じ。主演が主演なのでややコメディ寄りの傾向が強いかもしれません。ゲスト的に登場するポール・ラッドなんて出てくるだけでなんか笑っちゃうし。僕がツボなだけかもしれませんが。
これで主演がおヒューなら(僕の場合は)もうヨダレもの案件で一挙手一投足がツボでゲラッゲラ笑うことになるんですが、残念ながらそうではないので「まあいつものラブコメだね」で落ち着いちゃうという悲しみ。
僕もこの手の映画が好きなのでそれなりに観てきてはいますが、改めて「どこが違うんだ?」とか「この手の映画をいくつも観てなんになるんだ?」とか疑問が頭をもたげないわけではないです。むしろやや混迷の中にいると言っていいでしょう。
しかし「そんなん考えた方が負けやで!」と脳内のリトル関西人のおっさんが申しております。ほっといてもそれなりに面白いんだからしょうがない。
ラブコメの良さについて考える
改めてラブコメの良さってなんだろうと考えてみたんですが、ラブコメって当然ながら恋愛が基本にあるので、例えば「(ただの)コメディにそういう色恋いらないから!」みたいな「期待してるのと違う」現象が起こりにくいのも一つなのかなと。あくまで“余計な色恋不要勢”の僕個人の考えなんですが。
コメディの場合は文字通りコメディが軸の映画なので、コメディとしての完成度が足りなくて恋愛とか成長話に“逃げ”ちゃって不満、みたいに思うことが多いんですよね。
ラブコメの場合は基本にもう恋愛が含まれちゃうので、そういう「こんな話だと思わなかった」みたいな不満が起こりにくい=平均点が高くなるような傾向はあるのかな、と。もう完全にこの映画個別の話ではなくなってますけど。
序盤の笑いどころはなかなか
この映画の話に戻せば、序盤の「フラれたせいで何を見てもつらい」状況はかなりシンパシーも感じられてよかったです。
ましてや舞台はハワイ。誰もが幸せそうでカップルだらけの中、一人失恋直後でメソメソする大男の図はなかなか笑えるものがありました。気持ちもすごくよくわかるし。
でも自分だったらフラれた直後に元カノと同じホテルは無理だなー。気になる気持ちもわかるけど、多分メンタルが崩壊する。
まあその辺の序盤の笑わせどころはしっかり笑いましたが、後半に向けてピーターもレイチェルといい感じになってくるので「早々に次が見つかってよかったね」と逆に舌打ちしながら観る、みたいな。なんて心の狭いお客さんなんだ…!
あとはまあ、やっぱりいつも通りのラブコメなので、いろいろ予想通りのことが起こりつつ普通に楽しませてもらってエンディング、って感じですよ。
結局は暇つぶしに最適というおなじみのまとめ
一部話が逸れましたが、そんなわけで「ラブコメ好きなら暇つぶしに最適」というおなじみのまとめで引き上げる感じですよ。
この映画ならではの何かが無いのがつらい。となるとやっぱり関心の有無はキャスティングで左右されるところでしょうね。
僕としてはヒロインがまったく違うタイプの二人だったので、そこがなかなか良かったなと思います。どっちが来てもこっちは準備万端だぜ、みたいな。(最低の発言)
くどいようですが「気楽になんか観たいなって時には最適」の棚にぶち込むには良い映画なので、そんな気分のときにどうぞ。
このシーンがイイ!
海上でポール・ラッドと語るシーンかなぁ。
あとエンドロールのちょっとしたサービスシーン、無駄に豪華で笑いました。
ココが○
クソつまんねーな、って人はほとんどいないと思うんですよね。誰が観てもそこそこ楽しめるであろう無難さが良いところかなと。
ココが×
何度も書いてますが、すぐ忘れそうなぐらいに持ち帰るものが何も無い点。おそらく恋愛の勉強としてもまったく得るものがないぐらいに何も無いです。だからこそ気楽に観られて良いんですけどね。
MVA
久々に観たクリスティン・ベルはやっぱり妙なキュートさが良かったですね。性格悪い役だったけど。
ジェイソン・シーゲルは相変わらず安定したコメディ感が◎。新彼役のラッセル・ブランドもバカっぽくて良かった。
あと義理の兄役のビル・ヘイダーも良かったんですが、今回はこちらの方に。
ミラ・クニス(レイチェル・ジャンセン役)
ミラ・クニスって生意気女子なイメージ(おそらくブラック・スワンのせい)なんですが、今回はキュートでホットで「友達っぽい彼女候補」的な雰囲気がピッタリハマってたと思います。お見事。
あとポール・ラッドは出てくるだけで笑う。(2回目)