映画レビュー1000 『フォー・ウェディング』

あくまで通過点の一つでしかないんですが、一応記念すべき1000本目ということで。

まあまさか始めた頃は1000本も書くとは思ってませんでしたよ。嫌々ジャケ絵も描きながら。

っていうか(劇場公開のためにまだ描いてない絵もあるんですが)約1000本分も絵まで描くとは思ってもおらず、おまけにいまだに嫌々描いているために少しもうまくならないという衝撃の事実ですよ。「なんでも続けていけば形になる」のが大嘘ってことが証明されちゃいますね。

以前も書きましたが、今「これからいつまでかかってもいいから最低1000本、映画観てレビューとジャケ絵を書け&描け」って言われたら絶対断ると思います。めんどくさすぎる。しかも無報酬どころかサーバー代まで払って。

こればっかりはよくやったなと思いますね。泥水に浸かりきった人生ですが唯一、人に自慢できるかもしれない何かだと多少は胸を張れます。

ちなみにまったく狙ってなかったんですがたまたま更新日の今日が誕生日でして、これもまた不思議な感じ。

さてその1000本目、ずっと「せっかくだし1000本目は何か特別な映画を」と思っていました。考えた結果、これしかないなということでこの映画に。

なぜこの映画なのかと言うと、僕が最も好きな俳優さんであるヒュー・グラントが主演するラブコメ映画で残っている数少ない一本であり、さらに最も好きな脚本家の一人であるリチャード・カーティスとコンビを組んだ一作目でもあるという「絶対に外しようがない」1本だったというのと、一昨年にちょうどAmazonでセールがあって買っておいたブルーレイの1本だったのでちょうどいいやと。こういう機会がないとなかなか観るタイミングが無いので。

かくして鼻息荒く鑑賞に至った「とっておきの1本」、どうだったんでしょうか。

フォー・ウェディング

Four Weddings and a Funeral
監督
脚本
出演

ヒュー・グラント
アンディ・マクダウェル
クリスティン・スコット・トーマス
サイモン・キャロウ
シャーロット・コールマン
ジェームズ・フリート
ジョン・ハナー
デヴィッド・バウアー
ローワン・アトキンソン

音楽
主題歌

『But Not for Me』
エルトン・ジョン

公開

1994年5月13日 イギリス

上映時間

117分

製作国

イギリス

視聴環境

自己所有ブルーレイ(TV)

フォー・ウェディング

恋愛よりも友達の良さが際立つ。

8.0
4つの結婚式と1つの葬式、その間追い続けた一人の女性
  • 親友の結婚式で知り合った一人の女性に惹かれるが…
  • その後も振り回されつつ忘れられない主人公
  • 恋愛以上に友達の良さが感じられる脚本
  • 終わり方は少々気になる点も

あらすじ

「フォー・ウェディング」というタイトル、僕はずっと「結婚のために」、つまり「for wedding」だと思っていたんですが、実際は数字の4、“Four Weddings”だったんですね。「4つの結婚式」というまんまなタイトルでした。

当然、記念すべき1000本目に持ってきたのでかなり期待していたんですが、正直に言うと期待ほどの映画ではなく、同じおヒューの映画で言えば言わずと知れた傑作「ノッティングヒルの恋人」はもちろん、よりダメ人間感が強くてたまらない「ラブソングができるまで」とかの方が好きです。難しいもんです。面白かったんですけどね。

物語はある一つの結婚式の日から始まります。

その結婚式に参列していたアメリカ人女性・キャリー(アンディ・マクダウェル)に一目惚れした主人公・チャールズ(言わずと知れたおヒュー)は、なかなかうまく攻められないもどかしさを抱きつつもなんだかんだよろしくやってイイ感じに。

しかし翌日「いつ婚約発表する?」と唐突なグイグイ系の姿勢を見せるキャリーに引いてしまったチャールズ。彼のはっきりしない態度を見て彼女はアメリカへ帰国してしまうのでした。

それから数ヶ月後、またも行われる結婚式に集まった“いつものメンバー”に加え、キャリーも出席。いまだ後ろ髪引かれていたチャールズは彼女が来たことに喜びますが、しかし彼女の口から出た言葉は「婚約者を紹介するわ」。

そうか、彼女は運命の人ではなかったんだな…と諦めつつもまだ忘れられないチャールズ、果たして彼の運命やいかに…。

尻軽女 vs 優柔不断男

結構な確率で誰もが遭遇すると思われる、いわゆる「結婚ラッシュ」の一時期に出会った男女とその仲間たちのお話。

僕にもありました。っていうか今の職場の同僚3人の結婚式なんて本当にこの映画みたいな感じで同じ年に立て続けにあったんですが、しかし残念ながら特に誰かと知り合うこともないまま数年が経ち、今や一人でくすぶるおっさんと化しております。リアルなんてそんなもの。こっちはまったく面白くもない「スリー・ウェディング」ですよ。

あらすじに書いた通り、主人公のチャールズは最初の結婚式で出会った女性・キャリーといい感じになって惹かれていくものの、彼女は“結婚したい欲”が強かったのか早々に別の男と婚約を決めてしまい、それによってさらに悩みを深めていくチャールズの姿を軽い笑いどころもしっかり織り込んで展開するラブコメです。

チャールズは完全に一目惚れ状態でキャリーを見た途端に惹かれるんですが、「彼女ってどんな人なの」と友人のフィオナ(クリスティン・スコット・トーマス)に聞くと「尻軽のアバズレ女よ」と言われるんですよね。最初は女性間にある特有の嫉妬混じりの評価なのかなと思ってたら、どうやら本当に尻軽らしく。なかなかこういうヒロインは珍しい。それ故にチャールズもお近付きになれたわけですが、ただそこから先へ進む勇気も強さも無いという。

チャールズは当然ながら若かりし頃のおヒューらしくモテモテなんですが、ただ優しいものの優柔不断で頼りなく、また結婚というシステム自体に懐疑的というか…自分には向いていないと感じているようで、草食男子というわけではないものの、煮え切らない芯のない男というような印象。結局は形を変えたダメ人間感ですよ。

ただそんなタイプだからか肉食系のキャリーとは合いそうな雰囲気もあり、だからこそいい感じになりつつもすれ違う二人がもどかしいわけですが…なかなか最後まで「えっ、そうなるの!?」と二転三転しつつ楽しませてくれました。

友達たちのおかげで奥行きのあるラブコメに

ただまあ…やっぱり当然ながらラブコメなのである程度結末は読めるわけですよ。当たってるかどうかはまた別ですが、やっぱり「どうせこいつとこいつがくっつくんでしょ」って思っちゃうじゃないですか。

それはそれとして仕方がないことですが、その辺考えるとやっぱりこの映画は「ノッティングヒルの恋人」と同様に、友達(&弟)の存在がすごく大きい映画だなと思います。

特にチャールズの弟で聴覚障害者のデヴィッド、クリスティン・スコット・トーマス演じるフィオナと、ギャレス&マシューのゲイカップルの存在がすごく良かった。この人たちのおかげで「ただのラブコメ」ではない、ほろ苦さを加えた奥行きのある物語になっていたと思います。

それぞれがそれぞれの人生を、「それぞれに対する眼差しも持った上で生きている」という当たり前ですがなかなかラブコメでは感じづらい人間関係の一端を垣間見られる点で、やっぱりリチャード・カーティスという人は良い脚本家だなぁと改めて思うわけです。

ちなみに原題の「Four Weddings and a Funeral」の「Four Weddings」を除いた部分、これは「お葬式」のことなんですが、結婚式の対比として描かれるその1つのお葬式のシーンがとても良くてですね…。ただの「結婚狂想曲」ではない深みを与えていたのもポイントでしょう。本当にこのお葬式を混ぜた話にしたところがうまいな〜と思いますね。

ラストはちょっと気になる

ただ、正直ラストでチャールズが見せる価値観には少々違和感があったのも事実で、あそこで引っかかっちゃう人も結構いたのではないかなと…。早い話が「それって自分勝手じゃない??」って。

ただそこに至るまででも結構自分勝手だったのも事実なので、チャールズは「そう言う人」ということなんでしょうね。それを周りが受け入れるか否かという話で、観ている側が受け入れるかどうかという話ではないのかもしれません。ただ僕はこの考えはちょっと賛同できないし、いいとこ取りしようとしすぎじゃないのかなーと思いました。

そんなわけでラストの部分で少し引っかかりがあり、そこさえ良ければもっとグッと来た映画になり得たと思うだけに残念ではありましたが、総じて良い映画であることは間違いないでしょう。

思えばおヒューはこの初期の頃にリチャード・カーティスと出会えたのが幸運だったのかもしれないですね。改めてリチャード・カーティスには感謝ですよ。

フォー・ネタバレング

ラストのおヒューの「結婚はしないけどこの先も一緒にいると誓ってくれ」みたいなセリフ、あれは正直無責任すぎね?? と思ったんですがどうなんでしょうね。この頃(の欧米文化)ならむしろしびれるようないいセリフなのかなぁ。あそこが結構引っかかったんですよね。キャリーはキャリーでそこで「誓います」って言えちゃうんだ、って結構驚いたんですが。

結局あれで最終的に二人はくっついちゃったので、「もしかしてくっつかないエンドか…?」と期待した分最後で結構ガックリ来ちゃった面はありました。チャールズがヘンリエッタと結婚するのも唐突でその次の展開のために結婚した感があったし、あの辺はもう少し丁寧に見せて欲しかったところ。っていうか結婚するんだったらヘンリエッタよりフィオナじゃないの…。

結局チャールズは別に悪い人間ではないものの、結婚式は反故にするし最後は責任取らないけど一緒にいてねって感じだしでやっぱりおヒューらしいダメ人間だな、っていうのが良いのか悪いのか…。

このシーンがイイ!

これはやっぱりお葬式のシーンでしょうか。マシューの弔事がね…。

ココが○

上に書いた通り、主人公カップル以外の人たちのキャラクターがしっかり描かれている点がとても良いですね。むしろ彼らも主人公だし、「二人がくっつくのか否か」だけではないラブコメとしてさすがによく出来ていると思います。

ココが×

ラストの価値観が引っかかっちゃったのでそこだけは他の人もどうなのか気になるところ。

MVA

例によっておヒューは本ブログ唯一の殿堂入り俳優のため除外されます。ということで今回はこの方にしましょう。

クリスティン・スコット・トーマス(フィオナ役)

チャールズの友人で長年片思い中。

小さいようで、この片思いのエピソードがこの話に奥行きを与えてくれたんだと思うんですよ。切なさが加わって。

おまけに演じるのは今もご活躍中のクリスティン・スコット・トーマスですからね。どうやらこの映画で注目され始めたようで、それも納得の演技でした。この人は若い頃からタバコが似合うね…。

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