映画レビュー1212 『ザ・スイッチ』
今回はウォッチパーティです。
あの「ハッピー・デス・デイ」シリーズ監督作品ということで公開時から気にはなっていたので、まあちょうどいい機会だわと。
ザ・スイッチ
クリストファー・B・ランドン
マイケル・ケネディ
ヴィンス・ヴォーン
キャスリン・ニュートン
ケイティ・フィナーラン
デイナ・ドゥロリ
セレステ・オコナー
ミシャ・オシェロヴィッチ
ユリア・シェルトン
メリッサ・コラーゾ
2020年11月13日 アメリカ
101分
アメリカ
Amazonプライム・ビデオ ウォッチパーティ(iMac)

やっぱりお決まりのパターンすぎて…。
- “曰く付き”のナイフで刺されたことでJKと殺人犯が入れ替わり
- 元に戻るにはタイムリミットあり、その間も被害は拡大し続け…
- 入れ替わり演技の妙が楽しい
- しかし展開はいつものパターン
あらすじ
ウォッチパーティだったこともあって普通に楽しく観られたんですが、一人で観てたら正直微妙だった気もします。我ながらもう本当にアメリカ映画の展開に飽きてるなと…。
とある日の夜、親の留守を良いことにイイコトしていたカップル他4人の高校生を惨殺したシリアルキラー“ブッチャー”ことバーニー・ギャリス(ヴィンス・ヴォーン)。
その家で偶然見つけた怪しげな短剣を持ち出し、後日グラウンドで一人残っていた女子高生ミリー(キャスリン・ニュートン)を襲ってグサリしたところ、短剣に秘められていた魔力が解放されたことで二人は入れ替わってしまうのでした…!
当然ながら四面楚歌のミリー(見た目はブッチャー)は困惑しつつも親友たちに助けを求めに学校へ、一方ブッチャー(見た目はミリー)は起床早々に家族をぶっ殺そうと包丁を手にしますが間一髪未遂に終わり、仕方なく(?)別のターゲットを探しにこれまた学校へ。
かくして殺人犯とJKが入れ替わってやってきた学校では当然別人ということは誰も知らず、それによって新たな被害が出てくるわけですが…この先どうなるんでしょうか…!
いつものパターン
入れ替わりを元に戻すには一定時間内(48時間とかだった気がする)に同じ短剣で「もう一度刺す」必要があり、そのために奔走する物語になります。
一応はホラーですが当然ながら「JKおっさん」的なコメディ感もあり、今流行り(?)のコメディホラーの一種ですね。
またホラーに詳しい人曰くあちこちにオマージュが観られるようで、ホラー有名作に詳しい人であればもっといろいろ楽しめる映画でしょう。「これアレじゃん!」みたいな楽しみがいっぱいあるみたいです。タイトルの文字も十三日の金曜日っぽかったりとか。そもそもブッチャーがジェイソンっぽいマスク着けてたりとかするし。
世間的にも評判は上々なようなんですが、僕は正直…「またこのパターンか〜」という思いが強く、楽しめたものの世間の評価ほどのものは感じられませんでした。
この辺はネタバレになっちゃうのであまりいろいろ書けませんが、まあやっぱり「殺人犯と入れ替わったJKが元に戻ろうと頑張る with 恋愛」ってもうこの一文だけで最終的にどうなるか読めるじゃないですか。んで、その読みの通りに進んでくれるので意外性がまったくないわけです。
別に「いっぱい映画を観てるからわかっちゃう」とかそんなレベルでもなく、普通にどう考えてもこうなるでしょ、という流れに沿ってくれるのでまーやっぱり意外性がない。
それでもいい映画があるのは事実ですが、そこまで思えるほどのものでもなく、やっぱりここ数年この流れに飽き飽きしている人間としては「またこれか」でうんざりしてしまう面が強かったです。
これが例えば「実は連続殺人には理由があった」とか「入れ替わりは仕組まれていて…」とか予想外な要素があればよかったんですが、それもまったくなく至ってオーソドックスに展開していくので「ですよねー」という感じ。
もっともそこに期待する映画でもないとも思うし、「この手の展開に飽きている自分にピッタリハマっちゃう展開だ」と気付いてしまうことでより醒めてしまう部分もあるので、このタイミングで観ちゃったことがこの映画にとっては少し酷だったんでしょうね。多分5年前に観てたらもっと面白かったと思います。公開してないけど。
特に飽きを感じていなければ
一応フォロー…でもないですが、この「またこのパターンか」って感じるのはおそらくバイオリズムのようなものがあって、「これこれぇ!」と同じパターンがたまらなくなる時期もあると思うんですよね。周期的に飽きたり楽しんだりを繰り返すものなんだと思うんですよ。たぶん。
だからまあ…その辺のタイミングの良し悪しを自分で判断して観るか否かを決めればいいんじゃないかなと思います。
ただやっぱりどうしてもハリウッド映画は流れが決まっているのは否めず、個人的にはしばらくはこの「またこれか」が続いちゃうんだろうなぁとも思います。
今もやっているのかは知りませんが、どうしても「試写のときのアンケートによって結末を変える」みたいなマジョリティ志向が透けて見える「おなじみの展開」によって純粋に楽しめなくなってきているのは正直つらいところです。
だからJAIHOばっかり観ちゃうんだけど。当たり外れあっても変わった映画が観たい時期、といったところでしょうか。
あとどうでもいいことですが、「入れ替わりギャップ」のお話的に懐かしの「フェイス・オフ」を思い出しました。なのでフェイス・オフをコメディホラーにした感じ、ですかね…?(適当な感想)
このシーンがイイ!
ラストシーンは良かったですね。品がなくて。もっと全体的にアレぐらい飛ばして欲しかった。
ココが○
なんだかんだやっぱりヴィンス・ヴォーンのJKっぽさが一番のポイントでしょう。2m近い大男なのにかわいいという。本人も楽しそう。
一方キャスリン・ニュートンの方もしっかり殺人犯っぽい凶悪さがにじみ出ててどちらも良かったと思います。
ココが×
一番カチンと来たところはネタバレ項に書きましたが、それも含めてやっぱり「いつものパターン」に終止するところ。
それと若干グロいです。勢いがあるのでそんなに気にならなかったですが、念のため。
MVA
これは順当に。
ヴィンス・ヴォーン(バーニー・ギャリス/ブリスフィールド・ブッチャー役)
役の上では殺人犯ですが、一番長いのはJKでいる時間です。
不思議とかわいい。鼻歌交じりにシャワー浴びちゃったりして。
結局彼のこの演技を見せたかった映画なのかな〜と思います。同様にキャスリン・ニュートンの殺人犯演技と。
もちろん殺人犯のときは殺人犯っぽく、決してGoogleのインターンに応募するタイプには見えませんでした。さすが。