映画レビュー1622 『ワイルド・スピード SKY MISSION』
今週のステイサムです。
これからしばらくはワイスピが続く感じかな…。
ワイルド・スピード SKY MISSION
ジェームズ・ワン
ゲイリー・スコット・トンプソン
ヴィン・ディーゼル
ポール・ウォーカー
ドウェイン・ジョンソン
ミシェル・ロドリゲス
ジョーダナ・ブリュースター
タイリース・ギブソン
リュダクリス
ナタリー・エマニュエル
カート・ラッセル
エルサ・パタキー
ジャイモン・フンスー
トニー・ジャー
ロンダ・ラウジー
ジェイソン・ステイサム
2015年4月3日 アメリカ
138分
アメリカ
U-NEXT(Fire TV Stick・TV)

結局ヴィン・ディーゼルのプロモーションなのか!?
- 前作のボスの兄であるステイサムが弟の復讐のため降臨
- 例によってアクションシーンの見せ場は迫力満点、同時に話の雑さも満点
- 路線転換故に「元トラック強盗」が万能すぎて失笑
- ステイサム本格参戦かつポール・ウォーカー最後のワイスピ
あらすじ
前作は「思ったより良かった」んですが、連続で観ると早くももう良いかな感が出てきました。
弟のオーウェン・ショウ(ルーク・エヴァンズ)がやられ、復讐するべく動き出した元イギリス特殊部隊員(お馴染みすぎる設定)のデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)。
彼は入院し意識もない弟に「結局尻拭いは俺」的なことを言いつつ「弟になにかあったら許さんぞ」と医師たちを脅し、病院から出ていくんですがなぜか病院は壊滅状態、建物すら壊れていてまったく意味がわかりません。弟の入院先に来るのにすべて破壊していかないといけないの??
一方残業から帰宅するエレナ(エルサ・パタキー)を見送ってデスクに戻ってきたルーク・ホブス(ドウェイン・ジョンソン)のデスクには見慣れた影が…そう、ステイサム…!
彼は余裕綽々で勝手にホブスのPCをいじり、当然のようにバトルに発展。ホブスは異変に気付いて戻ってきたエレナとともに爆弾で吹っ飛び、大怪我を負います。
入院したホブスは開口一番「ドム(ヴィン・ディーゼル)を呼べ」とのことでまたも平和な暮らしに戻っていたドムたちがステイサムとの戦いに巻き込まれるよ乞うご期待、と。
ヴィン・ディーゼル推しすぎる
のっけからやりすぎなステイサムに笑った今作ですが、その後もやたら爆弾を多用するステイサムだったり謎のプライド対決で真正面から衝突するドムとステイサムだったりいろいろ笑わせて頂きました。
タイトルにある通り、今作の見どころである「スカイミッション」的な作戦の一部始終はさすがに見応え抜群で、とんでもないアクションとして大変満足致しました。一応車の映画なだけに、さすがカーアクションは力が入ってるしその分他にない凄さもあってよくできています。
が、いかんせんストーリーが雑すぎる。
いやそんなのはわかっちゃいたんですよ。ストーリーの質を求めるシリーズじゃないなんていうのは言われなくても。前回も書いた気がするし。
でもそれにしてもやっぱり気になっちゃうんですよね。これはもう相性の問題かもしれない。
国の機関でも無ければ戦争でもないのに普通にその辺のゴロツキみたいな連中がロスでバカでかいドローン飛ばしてミサイル撃ったりしてるんですよ? おかしくない? 大事件すぎますよ。
せめてウソでも人気のない街とかにしてほしいんだけど「俺たちのホームで決着だ」なんつってホームにこだわるもんだからロスでパトカーがミサイルに撃たれたりしてひどすぎる。
敵が無線を聞いてる描写があるのに大事な作戦のときだけたまたま聞いてない不具合があったりとか。だったら最初から盗聴してなくていいよもう。
あと普通に死んでてもおかしくないのに死なないシーンばっかりなので、それはそれで構わないんですがだったら逆に事故死とか嘘くさいことはやめてほしいですね。絶対生きてるでしょ。どこで生死の線引きがなされてるのよこのシリーズ。
まあその辺は置いといたとしても、やっぱり蒸し返すようですがヴィン・ディーゼルが万能すぎてどうなのかな〜と。
これはもうここまで続いちゃった上にとんでもないビッグタイトルになると思わずに1を作っちゃった弊害だと思うんですが、いくらなんでも「トラック強盗」だった男が何やっても強いし上手く行くしなんなら計画立案能力もある、みたいなチート主人公なのはさすがにやりすぎですよ。
これは僕がヴィン・ディーゼルをあまり好きではないから気になる、というのも多少あるものの、それ以上にそもそもの設定をミスってるのが大きいと思います。
ポール・ウォーカーが演じるブライアンは元FBIという設定があるので、ある程度銃火器の扱いや格闘に強い、っていうのは納得できるんですよ。でもドムはただのトラック強盗ですからね…。
普通に特殊部隊連中に混じってアサルトライフル持って突入してるシーンとか申し訳ないけど笑っちゃいましたよ。なんでもありかよ、っていう。
バックボーンがなさすぎるから、そもそもホブスにせよ今作から登場のカート・ラッセル演じるミスター・ノーバディにせよ「ドムに頼る」という選択肢が出てくる時点で違和感がすごいんですよね。ただの犯罪者やんけ、っていう。
もちろんそれだけ実績を積んできているのも確かだし、急に前作から観始めて文句言うのも違うんだとは思いますが、でもやっぱり設定ミスってるとしか思えないんですよね…。
トラック強盗の前は特殊部隊にいた、とかそういう設定なら納得するんですが…観ていないシリーズ中にそういう後付け設定入ったのかな?
普通に考えてこんな街のゴロツキ上がりが元特殊部隊員と互角に戦うのってありえないと思うんですけどね。
敵役なのに純度100%でステイサム応援しちゃいましたよ…。おかしいだろ、って。
もう一歩譲って設定云々も置いとくとして、その上でやっぱりヴィン・ディーゼルのプロモーション的な映画に成り下がっている気がしてそこがどうしても乗れませんでした。
結構なごっつぁんゴール的勝利のあとにドヤ顔決め台詞を吐くんですが、いやカッコつけてそんなセリフ吐けるような勝利じゃないだろ、っていう。
あと「俺は家族を大事にする人間なんだ」アピールに余念がないところとか、ところどころでヴィン・ディーゼルの神格化が進行している気がして、そこがどうしてもダメでした。
主人公だからよく見せるのは仕方がないとも思いますが、いくらなんでも他のメンバーと比べて明らかにドムの「いい人間」「優秀」アピールが多すぎる。チームでやってるんだからもうちょっとそのアピールをチームメンバーに振り分けてあげてほしい。
ブライアンが家族思いで子どもがどうたら〜って話でも奥さんがドムの妹なのでそこにもドムが絡んできて見守ってます感出してくるし、さすがに今作は鼻についてしまい、非常にしんどかったです。
ポール・ウォーカーありがとう
まあこれも僕が彼のことを好きであれば「たまんねー!」となっているのは目に浮かぶので、結局好みの問題なんでしょう。でもどうしてもヴィン・ディーゼルってかっこいいとは思えないんだよな…。
ステイサムは存在感もあってよかったんですが、それ以上にヴィン・ディーゼルのオレオレ感が強かったのでなんだかなぁという。
最後に一つ、これもやはり触れずにはいられませんが、今作の撮影中に不慮の事故で亡くなったブライアン役のポール・ウォーカーにとってはこれが最後のワイスピであり、彼の遺作にもなります。
ポール・ウォーカーは割と好きだったので改めてすごく残念ですね…。
一応ここまではダブル主演に近いシリーズだったと思いますが、ポール・ウォーカーが欠けるとなるとなおさらヴィン・ディーゼルのプロモーションになっていく懸念が強くなるので余計に次作以降が心配です。
ステイサムがその分頑張ってくれるのか…それに期待するしかないんですが。
来週もおそらく観ると思いますが、不安が大きいですね…。
このシーンがイイ!
詳細は一応伏せますが、クライマックスでホブスが出てきてアレする場面はひどすぎて爆笑しました。「なんでだよwwww」って普通に声に出てましたからね。
あと最初のヴィン・ディーゼルとステイサムが正面衝突する場面でも「なんでだよwwww」って言ってました。この辺は面白かったんだけど。
ココが○
ステイサムがやりすぎてるところと、中盤に出てくる重要なミッションのやりすぎ感。やりすぎてると評価が上がります。
アクションとしてもめちゃくちゃ見応えがあったし、こっちに注力してくれれば不満も少ないんですが…。
それとラストはおそらくポール・ウォーカーの弟が出てきて撮りきったんだろうとわかりましたが、それ以外のシーンでは特に違和感もなく「ちゃんとポール・ウォーカーがやってた」感じで作られていたので、そこは制作サイドがすごく良いお仕事をされたと思います。全然途中で亡くなった影響は感じませんでした。
ココが×
緩急をつけるためにもメンバーのいろいろが入るのは良いんですが、やっぱりヴィン・ディーゼルがカッコつけすぎというか彼を活かすためのすべてに見えてくるのがしんどいです。
MVA
主役が気に入らないとなると当然この人になります。
ジェイソン・ステイサム(デッカード・ショウ役)
本作の悪役。
前作と比べると悪役としての存在感も強いし、アクションは魅せるしでさすがのステイサム。
なんだかんだ一番肉弾戦してるステイサムを観た気がする。


