映画レビュー1297 『ゲット・デュークト!』
今回はウォッチパーティから。
しかしこれを書いている今現在は4月に入りたての時期なんですが、相変わらずストックも無いまま更新があまり進まず低調です。今年は100本行かなそうだな…。
ゲット・デュークト!
ニニアン・ドフ
ニニアン・ドフ
ルイス・グリッベン
ライアン・ゴードン
ヴィラージ・ジュネジャ
サミュエル・ボトムリー
ジェームズ・コスモ
ジョナサン・アリス
ケヴィン・ガスリー
ジョージー・グレン
アリス・ロウ
ブライアン・ペティファー
ケイト・ディッキー
エディー・イザード
アレックス・メンジーズ
2020年8月28日 各国
86分
イギリス
Amazonプライム・ビデオ ウォッチパーティ(iMac)

まったく先の読めないブラックコメディ。
- 強制参加&任意参加の4人が一緒になって課外活動
- しかし途中から謎の公爵に命を狙われる謎展開
- 地元のポンコツ警察も加わって先の読めなさと勢いで突っ切る潔さが◎
- 基本的に登場人物みんなバカ
あらすじ
イマイチ評価が振るわない映画なんですが、いやいやしかしなかなか面白かったですよ。
イギリスで実際に行われているらしい青少年向けの課外活動「デューク・オブ・エディンバラ・アワード」。
詳細は忘れましたが、それに(おそらく懲罰的な意味合いで)強制参加させられた3人の問題児、ディーンとダンカンとDJビートルート(芸名)。
当然乗り気ではない3人ですが、そこにもう1人、おそらく自主的に参加したのであろう優等生のイアンが混ざって4人パーティで課外活動に参加することになりました。
なんでも引率のカーライル先生曰く「毎年行方不明者が出る」という物騒な課外活動らしいんですが、それに地図一つ渡されて「この時間にここまで来い」と放り出される4人。
やる気の無い3人はバカ話したり大麻吸おうとしたりでザ・自由。なんでも“ノリ”でやり過ごそうとする彼らとともに参加するイアンは大変そうですが、なんだかんだ仲間外れにもされずにのんびり目的地へ向かっていたところ、遠くに一人の仮面をつけた男性が。
コンタクトを取ろうとすると突如手に持った猟銃をぶっ放してきてさあ大変。
警察にも通報しつつ、「とにかく逃げろ!」と走る4人、かくして始まる“サバイバル課外活動”やいかに…!
とにかくみんなバカです
問題児3人+優等生(でもなさそうな気がするけど一応相対的に)1人の4人が逃げながらいろんなことを巻き起こすブラックコメディ。ところどころ底が抜けた倫理観を感じさせるくだらなさが最高です。
だだっ広いスコットランドのハイランド地方にある草原でひたすら歩き続けて目的地を目指す、ロケーションは素晴らしいもののすぐに飽きそうな広大な土地で描かれるブラックコメディですが、観ていてこれは実は「ワンシチュエーション」のような気がしてきました。広いからそう感じさせないのが上手いなと思いつつ、実はほぼ(範囲は広いものの)1か所でいろいろあるのをただ観ていく、という。
ひたすら外でワイワイやってるだけなので正直予算的にも財布に優しそう。「そう見えない」形で進める低予算という感じでなかなか上手い作りだなと感心しました。
一応取っ掛かりとして「謎の男から追われる」導入はあるものの、基本的に全員バカなので一向に収拾がつく様子も無く、「これどうまとめるの?」とまったく先の読めない内容はベタな映画に飽きた御仁(おれ)にもオススメできる勢いがあり、なんだかんだ笑いつつ楽しませてもらいました。
まあやっぱりキーワードとしては「全員バカ」でしょうね。
主人公4人はもちろん、その他の面々も抜けているので誰かが出し抜きそうな気配もまるでなく、逃げているにも関わらず深刻さはほぼゼロで、行った先のアレコレも楽しんじゃって「良い課外活動だなぁ」みたいな。アレのこと忘れてない!? みたいな。しかもそれも「追ってくる謎の男」だけじゃなくて他にもあるんですけど、みたいな。
なんだかんだ楽しんだモン勝ちだぜ、的にその場のノリで対処していくさまを観ていくんですが「これなに見せられてるの?」みたいなシーンも結構あってそれがまた笑えます。なかなかのセンス。
途中からは通報を受けた警察が事態の収拾に向けて動き出しますが、この警察がまた輪をかけてバカなので収拾どころかより事態を悪化させる始末。
バカがバカを呼び、混沌としていく物語。まさにカオス。何がしたいんや…!
という感じで観客が少し賢くなった気分で「こいつらバカだなーゲラゲラ」と笑いながら一段上の安全地帯から眺められるコメディらしい良さの溢れる映画と言っていいでしょう。
ところどころ結構なブラックっぷりを発揮しているのもイギリスらしいコメディ感で、「ただのバカ話」じゃないところもポイント。
意外と良く出来てるよ
一応主人公たちの年代的なものもあって「青春」感もほんのりアリ、なんなら「トレイン・スポッティングのバカバージョン」ぐらいに思っておいても良いとか悪いとかいう噂です。
結構起こっている事態は笑えなかったりするんですが妙なパワーによって笑いに転化している勢いもなかなかのもので、「いやこれは結構よく出来た映画なのでは…? でも評価すると自分もバカな気がしちゃうし」とジレンマに陥った結果が世の評価の低さなのかもしれない。
絶対違うと思いますがなんとなく適当に文章量を増やそうと織り込んでみました。サーセン。
このシーンがイイ!
ゾンビに間違われるシーンが最高でした。前段からして頭が悪い。
あとラストのとある絡み(一応伏せます)も最高。謎に高いフォークへの信頼感。
ココが○
なんと言ってもまったく由来の違うイアンを除け者にしない3人のいい子感ですよ。
DQNのようでいて早々に仲間として受け入れちゃう優しさがかわいい。一方で溶け込んじゃうイアンも良い。すごく良い4人組だと思いますね。
あとラップが妙に評価される辺りも笑う。
ココが×
そこそこブラックなところは好き嫌い分かれるかもしれません。あと若干ですがホラー感も。
でも言ってみればそれぐらいな気がする。深さはないけど面白い映画だと思いますよ。
MVA
最近ちょいちょいエディ・イザード観る機会が出てきて嬉しいんですが偏屈な役ばっかりですね。すっかり悪役タイプになっちゃった感じ。
それはそれとして、今回は割と誰でも良い感がありつつ…この人にします。
ルイス・グリッベン(ダンカン・マクドナルド役)
短髪くん。一応は主人公になるのかな?
何が良いって間違いなく一番バカですよ。彼が。並み居るバカの中のバカ。そして友達思いの愛すべきバカ。
中盤とんでもないことをしでかしたりするんですが、それもあってキャラが立ってて良い。これには思わず観客もダンカンコールです。
ダンカン! ダンカン!