映画レビュー0069 『グリーン・ゾーン』
クックックックッ。俺様はワルだから古い映画だけじゃなく新しい映画だって観ちゃうんだぜ!
グリーン・ゾーン
売り方・作り方がもったいない! 惜しい!
入り口がアクションもしくは戦争映画っぽいんですが、実際は陰謀を突き止めるサスペンスモノ。でも、売り方も作り方もアクション色が強いので、そういうつもりで観ちゃう。結果、イマイチ…みたいな評価につながるんじゃないかと。
舞台は戦闘地域の最前線、いつ何が起きてもおかしくない場所だし、不安を煽るような演出をしてるんだけど、なぜかあんまりドキドキ感がない。「うーん、なんだろう」と思ってたところに突如として“配置換え”の話。
「むむっ? 」珍しいパターンだな…と思いつつ、この辺から段々と陰謀臭が強くなってきます。これはもしかすると…面白いかも! …っと期待してたんですが、途中差し込まれる伏線のシーンで結末が読めてしまい…。惜しい。
まあ、つい最近の現実世界の話がベースなので、あんまり現実と乖離した内容に出来なかったのもわかるんですが、それにしてももったいないなぁと。
アメリカ国内でこういう反アメリカ的な内容を作るには、これが限界なのかもしれませんね~。
そんなわけで、今ひとつ盛り上がりきれずに終了。
ただ、それも話の内容と売り方&作り方の不一致が問題なんだと思います。もう少し、サスペンス&政治ドラマの色を濃くすれば、かなり話題の「問題作」になった気がします。監督にその勇気がなかったのか、はたまた配給元にその勇気がなかったのか…。惜しい。
途中からスカッとした自己否定を期待しちゃっただけに、惜しさだけが印象に残りました。典型的な7.0映画。
ココが○
テーマは文句なしですね。
世界中の人が疑問を抱いた、「大量破壊兵器の行方」に、いかにもありそうな説を見せてくれる辺り、ちょっと「ゴルゴ13」に近い印象がありました。
ココが×
この監督の手法なんでしょうが、「ユナイテッド93」同様、「24」ばりに不安定なカメラワーク。
ただ、これもやりすぎると逆効果なわけで。やたらグラグラ、しかも必要ないところまでやってるもんだから、どうにも集中しづらい気がしました。
だからかなぁ。あんまりドキドキ感が無かったのは。
MVA
「24」1stシーズンにちょろっと出てたウォルシュ役の人がまたちょろっと出てましたね。なんか嬉しかったです。
さて、今回は…うーん、決め手がない感じで悩みつつ。
グレッグ・キニア(クラーク・パウンドストーン役)
で。
国防総省のお役人で、本作のキーマン。なかなかお役人っぽさと嫌なキャラクターがお上手でした。対してCIAのブレンダン・グリーソンも良かったですね。あのハリー・ポッターの「“マッド・アイ”ムーディ」とは思えなかった!
あ、マット・デイモンも良かったですよ。最近はだいぶ幼さが抜けてきて、厳しい顔つきになってきましたね。もう間抜け面とは言わせない的な。