映画レビュー1292 『ガンズ・アキンボ』

本日はウォッチパーティ案件です。

思えばハリポタ以外のラドクリフ、初めて観る…。

ガンズ・アキンボ

Guns Akimbo
監督

ジェイソン・レイ・ハウデン

脚本

ジェイソン・レイ・ハウデン

出演

ダニエル・ラドクリフ
サマラ・ウィーヴィング
ネッド・デネヒー
ナターシャ・リュー・ボルディッゾ
グラント・バウラー
リス・ダービー
マイロ・コーソーン

音楽

エニス・ロトロフ

公開

2020年3月5日 ニュージーランド

上映時間

98分

製作国

ドイツ・ニュージーランド・イギリス

視聴環境

Amazonプライム・ビデオ ウォッチパーティ(iMac)

ガンズ・アキンボ

とにかくスピード感で勝負!

7.5
チャットで暴言吐いたら手に銃取り付けられて殺し合いに強制参加
  • 殺し合いの人気ライブ配信で暴言吐いてたら強制参加させられる一般人
  • 目覚めるとなぜか両手に外せない銃が取り付けられていた
  • とにかく細かいことはほっといてサクサク進む勢い勝負
  • 若干「キングスマン」っぽさのある人の命軽ムービー

あらすじ

消え物感ハンパないんですが面白かったです。たまに摂取したくなるタイプの映画。

世の中では「スキズム」というガチの格闘技…っていうか普通の殺し合いライブが大流行しておりまして、ゲーム会社勤務の冴えない男であるマイルズ(ダニエル・ラドクリフ)も例によってこのビッグウェーブに乗っかって「スキズム」を楽しんでいるわけですが、チャット欄もあるもんで調子こいて暴言を吐きまくっていたところ一人の相手に噛みつかれ、それによってヒートアップしたマイルズは売り言葉に買い言葉でより過激な発言で相手を挑発。

「いやー言ってやったぜクズが」ぐらいの満足感でスッキリしていたところ急に謎のいかつい連中に部屋を襲撃され、訳も分からず囚われの身に。

なんでも過激な言葉を浴びせた相手があろうことか「スキズム」主催のやべーやつだったために「舐めんじゃねえぞ」と身元を特定され、代償を払わされることになったよと。

囚われた後に気を失い、目が覚めたマイルズの両手にはガッツリ穴が開き、そこにはめ込まれるようにして二丁の拳銃がセットされているのでした。

そんでそのやべーやつが言うんですよ。「ニックス(サマラ・ウィーヴィング)と試合をしろ。勝てば開放してやる」と。

そのニックスがこれまたやべーやつで、「スキズム」のエース的な凄腕かつ狂った殺し屋だもんで絶体絶命じゃん、っていうお話です。

かくして配信一番人気の超凄腕の殺し屋 vs 強制両手拳銃一般人の殺し合い、スタートでございます。

FPSブームに乗っかって?

もう始まりからして強引だしスゴいお話なんですが、そのオープニングのテンションのまま最後まで突っ切る迷いのない映画でございました。迷いのない映画はいい映画、好き嫌いはあるでしょうが僕は割り切った作りにむしろ感心しましたね。

設定もあり得なければ生き延びる一般人(すぐ死んだら映画にならないからね)もあり得ないし、そこから最後まであり得ない話が続くんですが、下手にリアルな戦いを描かれたり人間関係挟み込まれたりしても興ざめなので至極真っ当ないい作りだと思いますね。こういう話としては。これで恋愛絡ませてニックスとセックスでもしちゃってたらシャレになりませんよ。ダジャレでしかない。

本当に観たところで何も得るものがない一発勝負な映画だと思いますが、ただ逐一表示される残弾数からも伺えるように結構ゲームに寄せた感覚の映画という印象で、それこそ昨今クソみたいに流行っているFPS(この映画はどちらかと言えばTPSだけど)のブームに乗っかって…というかインスパイアされて作りました、みたいな感じです。次郎インスパイア系みたいな。(次郎はまったく関係がない)

なんとなく全体の“ノリ”とか世界観もクソみたいに流行っているAPEX(ないしはボーダーランズ)に近い感じがして、おそらくは監督があの辺のゲーム好きなんだろうな、という気がします。あんまり関係ないだろうけど主人公もゲーム会社勤務だし。

さて、その主人公を演じるのがダニエル・ラドクリフ。言うまでもなくハリー・ポッターですよ。

実は何気に「ハリー以外」の彼を見るのは初めてだったんですが、自分が予想していた以上に違和感がなくてやっぱり役者だなぁと変に感心しました。偉そうですけども。

モノローグで彼のナレーションも入るんですがその声もなかなか良い声してるし上手だし、まったくハリー感のない無精ヒゲを蓄えたダメ人間感もすごく似合っていて妙に嬉しかったです。

他は未見ですが彼の「ハリー後」の活動はいろいろ変な映画に出ている(きっとこの作品も含まれる)のは知っていたので、あまりにも大きすぎるシリーズで世に出ることになってしまった反動なのか、はたまたガッツリ稼いだので好き勝手したいからなのかはご本人しか知り得ないことではありますが、なんだかイキイキしているような気もして「よかったねえ」と近所のお兄さんモードがここでも発動してしまう、という謎の感慨。

きっとダニエル・ラドクリフ(とルパート・グリントエマ・ワトソン)は永遠にそういう目線から逃れられない業みたいなものも背負っているんでしょう。っていうかルパートくんどこ行ったんだよもっと出てこい。

疑問はすべて置き去りパワープレイ

映画の感想というよりはダニエル・ラドクリフの感想みたいになって参りましたが、まあ映画は正直特にアレコレ言うこともないんですよ。

「なんで?」とか疑問に感じたことはすべて置き去りにしながらスピード感重視、考える暇もなくサクサク進んで終わり! みたいな映画なので、何も考えずにただ観るのに良い映画です。

ちなみに散々ダニエル・ラドクリフについてあーだこーだ言いながらなんですが、この映画の主人公はむしろニックス役のサマラ・ウィーヴィングじゃないか、というのはきっと観た人誰もが感じるところで、それだけニックスのキャラが立っていたことも書いておきましょう。

めちゃくちゃ狂ってるけどめちゃくちゃ強くてかっこいい、あのキャラクターでガンガン戦われたら嫌でも面白くなっちゃうよねという映画です。

まとめとして一言で言うなら「力技の極み」。

パワープレイが好きならきっと楽しめることでしょう。

このシーンがイイ!

廃車置場みたいなところで別のやべーやつらに対峙したニックスがもう最高でしたね。キレッキレで。

ココが○

勢い重視で考えさせないテンションの高さはなかなか他にないレベルで気持ちがいいぐらい。これはこれで技術がいると思います。

銃弾の飛び交いっぷり、殺しっぷりはちょっと「(最初の)キングスマン」を思い出させる良さも。要はちょっとマシューっぽい。

ココが×

一緒に観た人が「(面白いけど)ちょっとネットを露悪的に描きすぎ」と言っていて、それも確かにそうだなと思います。

まあ現実にはあり得ないぐらいぶっ飛んでるから創作として受け入れられるっていうのもあるんでしょう。

それと終わり方はちょっと不満。ネタバレになるので細かいことは書きませんが、なんか雑に終わらせた感じがしちゃったな。

MVA

とても良かったのでダニエル・ラドクリフに…と言いたいところですがこの映画はきっと9割の人がこの人を選ぶでしょう。

サマラ・ウィーヴィング(ニックス・デグレイヴス役)

マイルズの対戦相手。「スキズム」のスター選手。(そもそも選手なのか?)

まあ狂ってるしかっこいい。このキャラ自体割り切って作られてるしそれを見事に演じている彼女がすごい。

観ればわかります。他の役も気になっちゃう。

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