映画レビュー0355『HACHI 約束の犬』

この前の月曜日、どうも調子が悪くて会社早退したんですが、何年か何十年かぶりにぐんぐん熱が上がって39度を超えて来まして、休んだり出社したりを繰り返しているんですが未だに熱が上がったり下がったり、夜は咳が止まらず寝られないような最悪の体調が続いておりまして、さすがに映画を観ようという感じでは無いので、(元々最近は大して更新していませんが)さらに何週かは少し更新が滞ると思います。(これは先週観たのでアップ)

一応インフルエンザではないようで風邪みたいなんですが、昨日はそんな中同僚の結婚式に出席させられ、なんだかんだアウトローぶっておきながら行かねーよと言うわけにもいかず、まさにザ・ジャパニーズサラリーマンだよな、といつもとは違う角度でさらに悲しくなった次第です。

あのさー、「このキャンドルにはお二人はもちろん、ご来場の皆さまも末永く人生が輝き続けますように、との願いが込められています」とかさー、こっちはもうすでに輝いてねーんだよ!!!

といつも通り、結婚式はイライラMAXで。

HACHI 約束の犬

Hachi: A Dog’s Tale
監督
脚本
スティーヴン・P・リンゼイ
出演
サラ・ローマー
ジェイソン・アレクサンダー
エリック・アヴァリ
音楽
ヤン・A・P・カチュマレク
公開
2009年6月13日 アメリカ
上映時間
93分
製作国
アメリカ・イギリス

HACHI 約束の犬

大学教授のパーカーは、ある日駅で迷子になっていた秋田犬の子犬を保護し、家族の反対も押し切って飼うことに決める。やがて毎日、帰宅時間になると駅まで迎えに来る愛犬と幸せに暮らすパーカーだったが、ある日講義中に突然倒れてしまう。

そらダメ。そらズルい。

9.0

もはや日本人なら知らない人はいないでしょう、言わずと知れた「忠犬ハチ公」のお話。一応位置付けとしては邦画「ハチ公物語」のリメイク版、という形らしいですが、そのリメイク元となる映画は未見です。

元々の話は昭和初期のものですが、この映画は舞台を現代のアメリカに移しています。説明不要だと思うので詳細は省きますが、飼い主である教授(リチャード・ギア)が急逝したことを知らないハチが、毎日駅まで教授を迎えに行き、雨の日も雪の日も待ち続ける姿を家族と駅の人々の姿を通しながら描いた映画です。

何分僕もかなりの愛犬家なので、まあやっぱりこの手の話はダメですね。久々にかなり泣きました。

オープニングの「アメリカに渡るまで」にかなり強引さはありましたが、それでも全体的には“安っぽいリメイク”に成り下がらず、真面目に静かに物語を描いている辺り好感が持てます。

個人的な話になりますが、我が家には犬が3匹います。父母息子の3匹なんですが、去年母親が初の入院を経験した時、3匹とも退院するまでの2週間、毎日玄関の前で待ち続けてたんですよね。夜中にワンワン鳴いてたりもしたし、呼んでも頑なに玄関の前から戻ってこない。そういう姿を見ているだけに、やっぱり犬っていうのはそういう性質があるんだろうと思うし、「ただの美談」ではないリアリティを感じてしまうので、そりゃ泣くなっていうほうが無理な話で。

猫のかわいさは否定しません(むしろ飼ってみたい)が、やっぱりこういう愛情を持っている姿を見ると、どうしても犬には勝てないなぁと思っちゃいますねぇ…。

ちなみに鑑賞後に少し調べたところ、実際の「ハチ公」は、飼い主に飼われていた時期が1年半弱、その後飼い主が亡くなってから10年近く、毎日駅に通っていたとのことです。この飼われていた期間の短さとその後の長さというのは知らなかったので、改めてすごい話だな、と思いますね。

彼の人生(犬生)は飼われていた時期も含めてほぼ駅との往復がすべてと言っていいものだったようで、その健気さ、意志の強さを思うと本当に涙抜きには観られません。

ただ、どうやら実際のハチ公に関しては、この映画のように最初から駅周りの人々から愛されていたわけではないようで、実はかなり虐待に近いような扱いを受けていたそうです。それを哀れんだ人が新聞に知らせたことで「ハチ公」が広く知られ、かわいがられるようになった、ということらしいので、現実はこの映画ほど温かな話ではなく、むしろより悲劇的なものだったとも思えるだけに、なおさらハチ公の「忠犬」っぷりに感動すると共に、日本人として「いい話だろ」なんて自慢げに他所の国に言えるようなものでもないな、と少し残念でもありました。

話を映画に戻しますが、舞台こそ現代アメリカに変わってはいるものの、物語としては割合忠実に、無駄な話もほとんどなく、全編ハチのエピソードで占められ、地味目ながら味のある役者陣に控え目の劇伴も効果的、映画としては十分及第点のデキではないでしょうか。

物語そのものの良さは言うまでもなく、犬好きであれば間違い無く、わかっていても感動できる映画だと思います。嫌な人も出てこないし、ただひたすらに温かい、犬と人間の愛情に思いを馳せる映画です。

これこそ家族で観るにふさわしい“真のファミリー映画”かもしれません。

このシーンがイイ!

犬メインの映画は愛犬家としては名シーンだらけなので迷いましたが、ひとつ挙げるとすれば、ハチが娘の手を舐めて外へ出て行くシーン。犬と人がお互いを理解する瞬間をうまく表現していて、グッと来ました。

ココが○

このレビューを書いていて思いましたが、意外と「ひたすら温かい」ってあんまりないような気がします。

トラブルがあったり嫌なやつが出てきたりっていうのが映画ですが、そういうことがなく、ただただハチと教授の愛情を描いている点は、そのひたむきさそのものがハチを表現しているようで素晴らしい。

曲解していないストレートな良いリメイクと言えるでしょう。

ココが×

特に無し。

「アメリカ版ハチ公物語」っていう時点で少し違和感もあったんですが、そういう心配はまったく必要ありませんでした。久々にタオルが必要なレベルに泣きましたね…。

MVA

リチャード・ギアは非常に合ってたし、彼自信も愛犬家で脚本を読んだ時に涙が止まらなかった、っていう話を聞いて良い配役だなぁと思いましたが、やっぱり物語の性質上、早めの撤退を余儀なくされるのが切ない。そんな中、選んだのはこの人。

エリック・アヴァリ(ジャス・シャビール役)

駅前でホットドッグの屋台を営むおじさん。パッと見ドナルド・サザーランドかと思いましたが違う人でした。

温かい味のあるおじさんといった風情で、こういう脇役は本当に大事だなと思います。非常に地味ながら、キラリと光る名脇役でした。

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