映画レビュー0784 『ハッピー・ゴー・ラッキー』

またもネトフリ終了間際シリーズなんですが、主演がサリー・ホーキンスとエディ・マーサンっていうだけで観ようと思ったんですよね。

映画好きじゃないと引っかからない地味なコンビだとは思うんですが、だからこそなおさら面白いんじゃないかと。しかもイギリスのコメディドラマだって言うし。

ハッピー・ゴー・ラッキー

Happy-Go-Lucky
監督
マイク・リー
脚本
マイク・リー
出演
アレクシス・ゼガーマン
シルヴェストラ・ル・トゥーゼル
サミュエル・ルーキン
音楽
ゲイリー・ヤーション
公開
2008年4月18日 イギリス
上映時間
118分
製作国
イギリス

ハッピー・ゴー・ラッキー

小学校教師で彼氏もいない30歳の独身女性・ポピー。同僚のゾーイと長年二人暮らしをしながら、自動車教習を受けたりフラメンコ教室に通ったりと自由気ままに日々を過ごしていた。

答えが無い映画がダメな人には不向き。

5.0
前向きアラサー女子に振り回されたり振り回されなかったり
  • 新しい趣味を取り入れることにも貪欲な前向き女子が周りとアレコレ
  • 日常描写が中心で大きな事件も特に無い普通のお話
  • エンラーハー

ちょっと期待しすぎたのかもしれないんですが、ンマー全然合わなかったですね。もう退屈で退屈で退屈で…。

主人公のポピーは、30歳で彼氏もいない独身女性、劇中でも自虐気味に枯れたオールドミス的なことを言っているんですが、ただ本人は特に気にすることもなく、至って自由気ままに暮らしている人です。早い話が毎日楽しそうだし幸せそう。

そんな彼女の仕事(小学校教師)だったり自動車教習だったりフラメンコ教室だったりの日常を淡々と追うだけの映画です。それ以上でも以下でもないという…概要終わり。

主人公のポピーは…一言で言えば天真爛漫、って感じですかねー。明るく分け隔てない性格でみんなに好かれそう…ではあるんですが、日本的に言えば「空気を読めない」面が結構強い人なので、これはこれでなかなか一緒にいるのも大変そうな人ではありました。実際、僕はこういうタイプは苦手です。常にポジティブで自分中心というのは、羨ましいと思いつつも多分合わない。

そんな彼女が悪意もなく周りと接する日々を描く映画なんですが、「周りを巻き込む」まで行かないというか…それぞれ彼女が誰かと絡んで次、また別の人と絡んで次、って感じで最終的にすべてがつながる的な深さもなく、本当にただ単純に日々を重ねているだけなのが退屈でした。イメージ的には部活を辞めない桐島的な。(わかりづらい)

もちろん一応話も時間も流れてはいるので、一人の人物を中心にした続き物のストーリーではあるんですが、ただそれなりに起伏はありつつもそこまで大きな事件も無い、本当に一般人の日常をただ見せられているだけという感じの映画なので、自分もしくは親しい人がキャラクター的に近かったりとか相当な感受性がない限りはイマイチピンと来ない映画なんじゃないかなぁと思うんですよ。

ただロッテントマトでは相当評価が高かったようで、相変わらず己の見る目の無さに落ち込むわけですが…。でもなー。本当に何が面白いのかサッパリなまま終わっていったんですよね。

一応相手役として名前の上がっているエディ・マーサンは彼女が自動車教習をお願いする教官なんですが、彼のキャラクターとかエピソードについてはいろいろ思うところがありつつも、それでもやっぱり心動かされるほどのものでもなかったし、「わかるけど…うーん」というなんともモヤモヤした感覚で終わっちゃいました。

おそらくは僕のような「答えを想像したくなる映画」が好きな人には向いてないんじゃないかと思います。

答えなんて無いんですよ。こうやって日常を積み重ねて生きている、普通の人間の普通の日常でしか無いんです。

僕は普通の人間の普通のお話は好きな方(しかもイギリス映画ならなおさら)ですが、それにしても何もなさすぎるというか…「彼女を変えるだけの分岐点になるドラマ」みたいなものがないので、やっぱりイマイチウーンっていう。

そりゃ僕だって実際日常に劇的なことなんてなにもないわけで、当たり前と言えば当たり前な日々を描いた映画なんですが…でもだったらなんで映画にしたんやという思いが無きにしもあらず。

天真爛漫とは言え周りが振り回されているような部分も(一部を除いて)ないし、そもそも話の中心は彼女と長い付き合いの友達だったり同僚だったり妹だったりするので、そこで新たに摩擦が起こったりもしなくて。「こういう人いるよね」の先に「こういう人ってこういう事態を引き起こすよね」まで行かないというか。

そういう面も一応出ては来るんですが、かと言ってそれがメインってわけでもなく、あくまでいくつかあるエピソードの中の一つなので、これまた普通の一般人の人生と同様、「そういうこともあるよね」という薄まったエピソードの一つに落ち着いちゃってまたモヤモヤ。

それもわかるんだけどさ。野球で言えば4回〜6回だけ見せられてる感じ、っていうんですかね。最初も最後も無いからどこで感情が高ぶるのかわからないまま終わっちゃって。

多分何らかの共感ポイントがあれば、グッと来る人もいると思うんですよ。同じ年代の独身女性とか。自分と似て無くても、こういう生き方の方が良いのかな、とか考えるきっかけになったりとか。僕はそういう部分がまったくなくて一つも響かなかったので、どちらかと言うと女性向けの映画なのかもしれないですね。

悪い映画ではないんですが…ただちょっと退屈だったなぁ。

ネタバレ・ゴー・ラッキー

思うに、カウンセラーの彼とうまく行かなければ(彼氏が出来なければ)もうちょっと共感できたのかなーという気もするんですよ。「それでも前を向いて私らしく」みたいな“それでも”感が出て。

ただあっさりうまく行っちゃってラブラブじゃないですか。そりゃそれで普通にある話だけど、でも「今幸せ」が強くなっちゃうとスコットが爆発したところであんまり響かない感じがしちゃうよなぁ、って。

もしや劇的にするためにスコットが意図的に事故を…! とか嫌な予感もしたんですが大ハズレ。でもこれは外れてよかったと思います。さすがにここで最後に死にましたはちょっとアレだし。

スコットは日々鬱屈してるらしい雰囲気が他人事ではないと言うか…我慢しながら生きてるんだな、ってちょっと同情的に観ていた部分もあったんですが、ただ好きになったにしては態度が変わらなすぎで最初から最後まで人当たりが悪いし、それで彼女を求めるのも無理筋すぎるでしょ、っていうのもあって結局「痛い人」の印象が勝っちゃったのが残念。徐々に柔らかくなって行ってたのにポピーに彼氏が出来ちゃった、だったらまたもうちょっと印象が違ったかも。もっともそんなのベタすぎる気もするけどさ。

こちらからは以上でーす。

このシーンがイイ!

最初のフラメンコ教室のシーンはなんか良かったですね。ここは主人公と同じような気持ちで観てた気がする。「えー!」って。

ココが○

地味にイギリスと日本の違いが見えたのは面白かったです。自動車教習が個人授業とか結構驚き。トラブル多くないのかな、ああいうの…。しかも「安い」って言ってる値段が結構高いし。でもまあ日本の教習所も高いか…。

整体的なところでも施術用の服に着替えたりしないで下着丸出しとかこれも衝撃でした。あれもトラブル多そうなんですけど…。

国の違いって面白い。

ココが×

やっぱり感情の持って行き場がよくわからないまま終わっちゃったのが辛かったですね。半分ぐらい観たところで「ああ、これ多分ずっとこんな感じの映画だ」って気付いてからがまた辛かった。

MVA

サリー・ホーキンスはさすがにお上手で、こういう人いそう感がすごい。やっぱり他の映画とは全然違うんだよな〜。

でも今回はこちらの方にしたいと思います。

エディ・マーサン(スコット役)

自動車教習の先生。

この人が一番セリフから背景が見える人だったので、その分こっちにも考えるヒントがあってよかったんですよね。

かなりDQNっぽいタチの悪そうな男の人でしたが、これまた「おみおくりの作法」と同じ人とは思えないほどに演技の幅が見えて良かった。こういうエディ・マーサンは初めて観たのでなおさら。エンラーハー。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA