映画レビュー1119 『ハッピー・ニュー・イヤー』
今回はネトフリウォッチパーティの候補として自信満々で提案したものの落選してしまい、即座に観たかったので即座に観ました。絶賛配信中です。
ハッピー・ニュー・イヤー
ファラー・カーン
シャー・ルク・カーン
ディーピカー・パードゥコーン
アビシェーク・バッチャン
アヌパム・カー
ボーマン・イラニ
アヌラーグ・カシャプ
ソーヌー・スード
ヴィヴァン・シャー
ジャッキー・シュロフ
ヴィシャル・ダッドラニ
ジョン・スチュワート
シェックハー・ラジアーニ
RDB
2014年10月24日 インド
180分
インド
Netflix(PS4・TV)
ザ・エンタメ! インド!
- 父を陥れた男に復讐するため、仲間を集めてダイヤ強奪計画を企てる
- ダイヤは世界ダンス大会開催地に持ち運ばれるため、ダンス大会に出場して強奪するプラン
- 地元からも応援されないおっさんチーム、しかしミラクルが起きる…!
- ヒロインが激カワすぎて衝撃
あらすじ
誰が言ったか「インド版オーシャンズ11」。13でもいいかも。確かにそんな感じで最高です。
地下で行われる闇格闘賭け試合的なもので八百長試合をしつつ暮らしているっぽい男、チャーリー(シャー・ルク・カーン)。彼は無駄にシックスパックアピールを経つつ「復讐するなら今だ」とばかりに他4人のメンバーを集めます。(ざっくりとした説明)
彼の復讐対象は、父に濡れ衣を着せて刑務所に送った男、グローヴァー(ジャッキー・シュロフ)。グローヴァーは世界ダンス大会の審査員としてドバイ入りし、また同時期にそこで時価300億(ルピー?)のダイヤモンドの管理を担当することになっております。
グローヴァーが管理する難攻不落の金庫「シャリマー」はチャーリーの父が開発した曰く付き。そして地下深くにあるシャリマーに乗り込むには、その上に建てられているホテルのとある部屋から閉鎖されたダクトを通って行くしかありません。
よって「グローヴァーに復讐するためにダイヤを盗む」には、彼がドバイ入りしてダイヤモンドを管理する世界ダンス大会の期間中、控室として使用される予定の部屋を利用する…つまりインド代表のダンスチームとして大会に出場するしか無いという難題…! しかしよくあるパターン…!
ダンスド素人の中年&若者+超美人先生という「チームダイヤモンド」は果たして計画を実行できるのか…! いやそりゃ代表には選ばれるんだろうけども…!
全員最高
インド版オーシャンズなだけに、舞台は世界ダンス大会と言うことで。そんな安易な理由でもないんでしょうが、ただインドっぽいなぁという舞台設定。
あらすじではざっくり端折りましたが、チームメンバーはリーダーであるチャーリーの他に、彼の旧友かつ父の部下でもあった「母親の悪口を言われると即座にブチ切れる」シックスパック担当その2・ジャグ(ソーヌー・スード)、同じくチャーリーの旧友かつ父の部下でもあった元金庫職人で金庫破りの名人・タミー(ボーマン・イラニ)、「金庫に唯一アクセスできる」グローヴァーの息子と瓜二つのためスカウトされた酔っぱらいのナンドゥ(アビシェーク・バッチャン)、ハッキング担当のオタクボッチでジャグの甥・ローハン(ヴィヴァン・シャー)、そして彼らド素人のダンスの先生として招聘された場末(とは思えないぐらいに豪華だったけど)のダンサー・モヒニ(ディーピカー・パードゥコーン)の6人。
ナンドゥはそれなりに青年っぽい感じではありましたが、その他のチャーリー、ジャグ、タミーは(いくら2人シックスパック担当がいるとは言え)おそらく40〜50代というダンス大会に出るには想像を絶するレベルのおっさんで、もう一人は冴えない(多分)DT少年というメンバー。彼らを教えるモヒニの苦労やいかに…と言ったところですが、彼女は彼女で決してトップダンサーではない(という設定の)ため、インド予選を勝ち抜くにも一苦労の予感でございますわね。
序盤は例によってインド映画らしいやや冗長なコメディパートが続きますが、しかしそれでも比較的ついていきやすいぐらいにわかりやすくキャラが立っている良さがあったような気がします。夜に観たせいかもしれませんが。(昼間観たらまた眠くなってたかも)
メンバー招集&紹介に始まる辺りも非常にオーシャンズっぽい感がありましたが、そこの辺りはやや空振り気味な感はありつつ、ダンスの練習を始める辺りから本番かな、という印象。
ダンス練習ではハリウッド映画リスペクト的なシーンも挟みつつ、テンポよく展開した後にようやくヒロイン(モヒニ)登場、ってことでモヒニが出てくるまでは前座みたいなものですね。そこから本腰入れて観ましょうという感じ。
んでもってまーモヒニを演じるディーピカー・パードゥコーンが超絶かわいい。かわいい感じも似合うし美人の感じも似合うしで相当なレベルの女優さんですねこれは…。
もっとも僕が初めて観ただけでインド女優としてはかなりメジャーな方ではあるんですが、それにしてもこれは世界トップクラスの美貌だなと衝撃を受けました。なんなら劇中の扱いが雑に感じるぐらいにレベルの違う美人っぷり。こんな人いたらダンス練習どころではないのでは…?
しかし他のチームメンバーも非常に良いキャラクターをしていて、モヒニかわいいし甥っ子もかわいい、いやでもおっさん(タミー)もかわいいしみんなかわいいのでは…? と最終的に全員かわいい全員最高と思えてきちゃうのがお上手。
シャー・ルク・カーンは「マイネーム・イズ・ハーン」でしか観たことがなかったので全然違うキャラクターに衝撃、タミーを演じたボーマン・イラニもどっかで観たよな〜と思ったら「きっと、うまくいく」の校長でまたも衝撃、と衝撃だらけの鑑賞でしたよ。当然一番の衝撃はディーピカー・パードゥコーンの美貌でした。選ばれたのはディーピカー・パードゥコーンでした。(綾鷹感)
映像の綺麗さも衝撃
またもう一つ衝撃だったのが、ものっっっすごい映像が綺麗なんですよ。
ちょうど最近いい加減テレビ欲しいな〜と物色中なんですが、「あれいつの間にか4Kに変えてたっけ?」と勘違いするぐらいに高精細、そして高彩度の映像。
多分編集でギラッギラに彩度を上げてるんじゃないかと思うんですが、インドらしい極彩色からさらに彩度を高めてカラフルで華やかったら無かったです。びっくりするぐらい目に優しくない。いや良い意味で。これずっと観てたらかなり疲れそうなレベルでギラギラなんですが、それがまた最高に綺麗なんですよ。4Kテレビの店頭デモ映像を観ているかのような高精細・高彩度感。キラッキラでギラッギラです。
同じ解像度でここまで変わるのか、と思うぐらい今までとはまったく違うレベルの華やか映像で、この辺りもさすがインド振り切ってるぜと感心しました。またその映像に合った内容なので気持ちが良いですね。金庫がやけに綺麗すぎてチープなのもご愛嬌ですよ。
話としては王道ではあるし、決して先が読めないハラハラ系と言うわけではないんですが、ただだからこそ良いと言うか、やっぱり全力でエンタメしてきてこっちはそれを全身で受け止めてサイコー! みたいなノリはインド映画だからこそ味わえるものだなぁと改めて感動しました。ある意味では純粋すぎて青臭く感じられるぐらいに真っ直ぐに楽しませてやる! みたいなインド映画のノリ、やっぱり素敵ですね。
ちなみに余談ですが、「いやーやっぱインド映画最高だわ」とニッコリ鑑賞を終えてIMDb見てみたらまさかの5.0という低評価でビックリ。厳しいぜ、世界…!
このシーンがイイ!
チャーリーご紹介のオープニング、泥まみれになったチャーリーにスローで水をぶっかけシックスパックアピール、さらに違う角度からもう一度…の時点で大爆笑したんですが、一番好きなシーンは文句無しでエンドロールです。もちろん詳細は書かないのでぜひ観ていただきたい。
それなりに映画を観てきた中で、一番好きなエンドロールでした。もうこれは確定。愛に溢れてて最高としか言えない。このエンドロールだけでこの映画が好きになるぐらいに良かった。
歌のシーンで言えば前夜祭的なパーティでの「俺たちインド人だぜ」的な歌が最高でした。モヒニがまたかわいいのなんのって。
ココが○
まあもう本当に全力のエンタメっぷりが凄まじいですよ。序盤なんかはちょっとギャグが空振ってたりもする(多分日本とインドのノリの違いも大きい気がする)んですが、それでも「全力で楽しませてやる」という姿勢でオールオッケー、すべてを受け入れざるを得ないパワー。
それと「世界ダンス大会」が舞台なだけにダンスも見ものだし、歌のシーンは当然良い。インド映画のパワーってなんなんだろう、ほんと…。
この映画は比較的新しい映画ですが、それこそ「ムトゥ 踊るマハラジャ」の時代から一貫してエネルギッシュだし問答無用のサービス精神がほとばしる作りが変わらないのがすごい。完全にオンリーワンですね。国としてオンリーワン。
ココが×
やや国威発揚的と言うか、インドのナショナリズムに訴えかけるような匂いが若干感じられたのが少し気にはなりました。邦画で「日本人は○○だから〜俺たちは日本人だ〜」とかやられたら興醒めな気がする。
この映画にそういう意図があったのかは不明ですが、あんまり自国称賛っぽい表現は無い方が良いかなと。ただ話的にそこに意味があったりもするだけに難しいところではあります。
MVA
気持ち的にはディーピカー・パードゥコーンなんですよ…むちゃくちゃかわいかったし出てくるだけで華やかになるオーラがすごくて。
ただキャラ的にこっちの人かなと…。
ボーマン・イラニ(タミー役)
ぽっちゃり金庫破りのおっさん。
こう言っちゃなんですが、一番見た目的にどうでもいい人なんですがキャラが良くてなんかかわいい。最終的には「おっさん最高!」っていう。最もダンスから遠いタイプのおっさんが頑張ってるだけでグッと来ちゃうと言う説も。
ただ甥っ子も最高だしナンドゥも最高だし、結局みんな最高になっちゃうのは上に書いた通り。全員愛すべきキャラクターを見事に演じていたと思います。