映画レビュー0735 『天国は、ほんとうにある』

今回もネトフリ終了直前からでございますよ。それ意外書くこともございませんよ。と2本連続で書いておりますよ。

天国は、ほんとうにある

Heaven Is for Real
監督
ランダル・ウォレス
脚本
ランダル・ウォレス
クリストファー・パーカー
原作
トッド・バーポ
リン・ビンセント
出演
コナール・コラム
マーゴ・マーティンデイル
音楽
ニック・グレニー=スミス
公開
2014年4月16日 アメリカ
上映時間
99分
製作国
アメリカ

天国は、ほんとうにある

貧しいながらも幸せに過ごしていた牧師のバーポとその家族たち。ある日、4歳の息子・コルトンが生死をさまよう大手術の結果、周りの祈りも通じてか無事生還。その後、コルトンは事あるごとに「天国に行ってきた」と話をするようになり…。

ピークがイマイチ力不足。

5.0

そこそこ評判が良かったので観てみたんですが、ちょーっと日本人が観るにはやっぱり宗教臭が強すぎる感じはしました。クリスチャンの人とかが観ればまたちょっと違うのかなぁ。

一応事実に基づいた…というか、主人公であるトッド・バーポという牧師さんは実在していて、彼が実際に起こった出来事を記した本を原作とした映画のようです。

そのバーポさんは牧師なんですが、貧しいからか仕事をいろいろ掛け持ちしているらしく、いわゆる一般的にイメージするような「牧師」とはちょっと違う印象。トレーナー姿でお爺さんを看取りに行ったりしてましたからね。

ただ彼の説教は評判らしく、協会にもよく人が集まっているようです。いかにも人が良いんだけど、兼業していることもあってか良い意味で普通の感覚を持った人、という感じ。

そんな彼が、ある日男女混合ソフトボール大会で三塁ベースに滑り込んだ時にありえないような謎の大怪我をし、その後説教中に倒れちゃったりと大変な目に遭う…んですがこれは別に大して意味がなかったりして。なんだったんだあのエピソードは。

その謎のエピソードが落ち着いた後、一家でちょっとした旅行に行ったら息子がダウン。病院で診てもらったところ「今夜がヤマダー」バリに緊急手術となりまして、日頃篤い信仰で神の言葉を届けるトッドもこの時ばかりは神様へ「息子を奪うのか!?」と悪態をつき、奥さんは友人たちに「コルトンのために祈って」とお願いしてみんなで祈っていたところなんとか一命を取り留めます。

そんなわけで無事生還した息子・コルトンでしたが、それからというものの事あるごとに「天国に行ってきた」話をトッドへするわけです。

自分の知らない神の領域の話をする息子に戸惑うトッド。

少しずつ自分の神への向き合い方が変わってくる中、彼はその息子の話をどう消化し、牧師として関わっていくのか…というお話です。

まず息子のコルトンの経験についてですが、僕はてっきりこれは…いわゆる臨死体験とか幽体離脱みたいなものなのかなーと思っていたんですが、一応劇中で「死んではいない」、つまり臨死体験ではないと言っています。となるといわゆる夢みたいなもので、牧師の息子として信心深い家に育ったが故に天国や天使みたいなものを見たのかな、と思ったら彼が知るはずのない事実を話し始めるくだりもあり、どうやらこれも違うらしいぞ、と。

じゃあやっぱり本当に天国に行った神秘体験なのか…! と真偽が気になるところですがその辺はどうあがいてもわからないのでスルー。

この辺は神様関連の話でありながら皮肉なことに“悪魔の証明”的な側面があり、結局外野が信じようが信じまいが答えを知りようがないというお話です。

第三者による客観的な検証の上でどーたらこーたらならまだしも、結局は原作者が主人公なので余計に本当のところはわかりません。なので僕もその辺はスルーしてですね、あくまで映画としてどうかなと言う視点で観ていました。

で、全体的には真面目に丁寧に描いていたとは思うんですが、ただどうにも話が弱いんですよね。「息子が天国に行った話をする」だけを引力に展開するお話なので、上に書いた通りそこの真偽について判断しようがない以上はどうしても観ている側もフワッとした感覚で観るしかないんですよ。

ある程度説得力を持たせるようなエピソードも盛り込まれはするんですがどれも決定的ではないし、その上これまた上に書いた通り、そのエピソード自体書いている人が主人公(=コルトンの父であるトッド)なので、もうどこまで行っても「なるほど!」とはならないわけですよ。

話の真偽は別として…と言いつつも、結局はそこの描き方がどれだけ説得力があるのかっていうのはやっぱり重要で、「これはちょっと…信じざるをえないよね」となるとグッと感動させられる面も出てくると思うんですが、結局(トッドも自分の経験ではないこともあって)第三者的に観ているしか無いお話なだけに、やっぱりどっか入りづらい面がありました。

集中して観てはいるんだけど、ある意味でファンタジーっぽい話になっていっちゃうのは事実だし、そこを担保する力強い柱もないだけに…ゆるく眺めて終わるだけ、みたいな。

すごく真面目に作られているからこそ余計にそう感じる面もあると思います。軽快な面白さがあるわけではないので。だからそこまで惹きつけられないし、おまけにこっちは無宗教だし、という。なかなか心の置き所が難しい映画のような気がしました。

その上、一番のピークと言える終盤のシーンがどうにも力不足で、まったくグッと来ないんですよ。それっぽい音楽で盛り上げて、登場人物もそれっぽい表情で煽るんですが…話の内容としては特に説得力を持ったものでもないので、すごく上滑りした感動シーンって感じで。

これがもったいないと思いましたねー。なーんかグッと来ないまま終了しちゃって。これはやっぱり宗教観の違いもあるのかなぁ…。

そんなわけで特に引っかかるものもないまま終わった映画でした。

これを観ると、改めて「PK」の宗教的側面の描き方のうまさに唸りますね…。全然違う話ではあるんですが。

このシーンがイイ!

墓地でトッドがおばちゃんと会話するシーン。あそこが一番グッと来ました。

ココが○

本当に映画としては真っ当に、真面目に作っていると思います。

ココが×

原作は読んでいないんですが、おそらくはちょっと原作に素直すぎるというか…もうちょっと映画らしい盛り上げ方、ピークを持ってきても良かったんじゃないかと思います。

ホント序盤のトッドの怪我の話とかマジで不要だし、大真面目に言われるまま作りました、って感じがしました。なんとなく。

MVA

奥さんも良かったけど…無難にこの人かな〜。

グレッグ・キニア(トッド・バーポ役)

主人公の神父さん。

グレッグ・キニアは超久しぶりに観ましたが、やっぱりそれなりにいい年齢になって渋くいい男になってましたね。なんとなく「一般人っぽい神父さん」という雰囲気によく合ってたと思います。

あとはやっぱりトーマス・ヘイデン・チャーチが安定の良さ。この人いいよな〜。

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