映画レビュー1255 『ファイナル・プラン』
今回はウォッチパーティより。
リーアム・ニーソンのアクション…ということでおなじみ感ありつつ、さして期待せずに観たわけですが…。
ファイナル・プラン
マーク・ウィリアムズ
マーク・ウィリアムズ
スティーヴ・オルリッチ
リーアム・ニーソン
ケイト・ウォルシュ
ジェイ・コートニー
ジェフリー・ドノヴァン
アンソニー・ラモス
ロバート・パトリック
ジャスミン・セファス
タジー
『チェンジ』
ニック・アイシャム ft. ミランダ・グローリー
2020年10月16日 アメリカ
99分
アメリカ
Amazonプライム・ビデオ ウォッチパーティ(iMac)
犬映画以外の何物でもない。
- 恋人との出会いによって自首しようと決めた凄腕泥棒、FBIに金を横領され命を狙われる
- 激怒した強盗は一人復讐に出るが…
- 恋人のリアクションがいちいちおかしい
- 犬のかわいさだけで観る価値あり
あらすじ
映画としては結構不満も多く、「リーアムのおなじみアクション映画」という印象から一段落ちるぐらいの感じだったんですが、しかしそれを補ってあまりあるほどに犬映画だったので満足です。犬好きは必見と言っていいでしょう。
元海兵隊で爆弾のスペシャリストでもある銀行強盗のトム・カーター(リーアム・ニーソン)は、あるとき知り合ったアニー(ケイト・ウォルシュ)といい感じになり、交際から1年経った頃に過去を精算して彼女とともに生きようと自首を決意。FBIに連絡し、今まで盗んできた900万ドルをそのまま返す代わりに立件しないよう取引を持ちかけます。
応じたFBIは二人のエージェント、ジョン(ジェイ・コートニー)とラモン(アンソニー・ラモス)をトムの元へ派遣し、彼の情報から一部である300万ドルの保管先を発見。
しかしその金に目がくらんだジョンは「トムを消して全部いただこう」と画策、ラモンを半ば強制的に手伝わせて残りの金の在り処を聞き出そうとします。
いろいろありつつ逃げたトムですが、二人が彼の恋人であるアニーに手を出したことで激怒。反撃を開始するのであった…!
話はどうでもいい、犬を見せろ
「96時間」のヒット以来もはやこっちの映画ばかりになったリーアム・ニーソンのアクション映画です。
今作は銀行強盗ということで善人というわけでもないんですが、一応はそれらしく立ち居振る舞いは「いつものリーアム」っぽい感じでまあおなじみのやつですよ。
原題を直訳すると「正直な強盗」なんですが、タイトル通り「ワケアリで強盗だけど根は良いやつだよ」的な主人公になっております。
映画的にはもう本当によくあるパターンで特に言うこともないんですが、FBIが悪役であること(こういう話であればCIAや市警レベルならよくあるけどFBIは珍しい気がする)、その悪役が妙に良い人感も出さず徹頭徹尾クソ野郎というのはなかなか良いところですね。フォローしようがないレベルのクソ野郎で清々しいぐらいでした。
そして「自首の動機」でもある恋人・アニーの存在も大きいんですが、しかし彼女がなぜか「俺は強盗だったんだ」的な話も割と素直に受け入れちゃうバカっぽさがこれまた結構珍しい。珍しいというかザルというか。
偏見かもしれませんが、ステレオタイプ的に相手がまーだ若い女子なら「まあ若いしね」で流せなくもない。ギリギリ。
でもアニーのようなかなり良いお歳の女性が受け入れるには結構無理がある設定を割とスムーズに受け入れてしまうシーンがちらほらあって、ちょっと苦笑レベルのひどさもありました。「そこウットリするところ!?」みたいな。
なので話としてはもう毒にも薬にもならない、観ても観なくてもご自由に案件ではあるんですが…しかしそこに圧倒的な存在感を放つ存在がいたんですよ。
それこそが犬のタジーちゃん(♀)です。
彼女はFBIの重要キャラであるジェフリー・ドノヴァン演じるショーンの飼い犬で、彼はなぜか彼女を毎日勤務地にも連れてくるしパトカーの助手席にも座らせるぐらいずっと一緒です。絶対危ないだろと思うんですけど。
しかしそれが観客としてはありがたい限りで、もうショーンが出てくるたびに「タジー出てこい!」と期待が膨らみ、そして期待に応えるように見どころたくさん登場してくるタジー。たまりません。本当に。くぅーんとか言っちゃう。
しかもちょっと細かい話なんですが、タジーは映画に登場する犬としては珍しく(おそらく)ミックスなんですよ。おまけに我が家で飼っていた愛犬たちと同じく、シーズーとなにかのミックスかと思われます。
毛が巻いていたのでおそらくシーズー×プードルではないかと踏んでいるんですが、白黒の毛色といいちょっとした表情といい、一昨年お別れした僕の最愛の愛犬・ビビを思い出させるルックスがたまらなくて、もう個人的に彼女を目にするだけで心を鷲掴みにされました。
もうね、本当に今まで映画で観た犬の中でも最高クラスのかわいさでした。おまけにビビに似てるもんだから余計に感情移入しちゃって。
その上「絶対監督犬好きだろ」と思わせるぐらい「映画の添え物としての犬」レベルじゃないぐらいに出てくる。要は映画として必要ないレベルで出てくるんですよ。
犬が嫌いな人にとっては「余計だよ」なんでしょうが、犬好きにとってはもうファンサがすぎるぐらいにタジー映画になっていて、もう素晴らしく眼福でした。話がイマイチなだけに余計に。
鑑賞後にもタジーのことばっかり検索しちゃうぐらい骨抜きにされましたね。本当にかわいい。他の映画でも観たいしずっと元気でいてほしい。「ビビとの子どもが作れたら最高だったな…」とか考えちゃいましたね。繋がり皆無なのにね。
犬好きなら
ということで犬が好きなら観ろ、そうでないなら好きにしろ、というところ。
映画としてはあまりにも普通である上に最後もうちょっとガッツリやってほしかったなーという消化不良感が残る、決して褒められた映画ではないです。正直に言ってせいぜい★6がいいところ。
しかしあまりにもかわいいタジーと、そのタジーを推してくれた監督にプラス1.5点あげたい、そんな映画でした。そしてどうせだったらもっと見せてほしかった。
甘いところを見せるとどんどんワガママになるのが客ってもんです。
このシーンがイイ!
タジーが出てくるシーンは全部良いです。寝てるところも愛おしい。
ココが○
とにかくタジー。ここまで「映画上どうでもいい存在なのに妙に登場する」犬も珍しい。それだけ犬愛を感じました。
ココが×
話は本当に普通だし、せっかく悪役がしっかり悪役なのに消化不良感残しちゃうのがもったいない。もちろん(悪人でないという建前上)やりすぎるわけにもいかないのもわかるんですけどね…。
MVA
問答無用でタジーにしたいところですが、さすがにそれはやりすぎな気もするので代理としてこの方に…。
ジェフリー・ドノヴァン(ショーン・マイヤーズ捜査官)
FBI捜査官兼タジーの飼い主。立場的には悪い二人の先輩にあたるのかな?
彼はもうタジーとセットなので、「連れてくれてありがとう」「散歩してくれてありがとう」といろいろお礼を言いたくなる存在でした。そしてジェドノだけに確実な仕事感もあり。良かったです。