映画レビュー1160 『ガンジスに還る』

今回もJAIHO終了間際シリーズより。

インド映画なのに2時間無いと言う衝撃…!

ガンジスに還る

Hotel Salvation
監督

シュバシシュ・ブティアニ

脚本

シュバシシュ・ブティアニ
アサド・フセイン

出演

アディル・フセイン
ラリット・ベヘル
ギータンジャリ・クルカルニー
パロミ・ゴーシュ
ナヴニンドラ・ベヘル
アニル・ラストーギー

音楽

タジダール・ジュネイド

公開

2017年4月7日 インド

上映時間

102分

製作国

インド

視聴環境

JAIHO(Fire TV Stick・TV)

ガンジスに還る

地味ながらしみじみ“最期”に思いを馳せる。

7.0
バラナシで死を迎えたいと言う父の“最後のわがまま”に付き合う
  • 死期を悟った父が「最期を過ごす場所」として有名なバラナシへ向かう
  • 仕事がありつつも仕方なく付き添う息子他家族との例によって再生的な物語
  • 宗教色と“ガンジス”そのものにインドらしさを感じる
  • ある程度お決まりのパターン感は否めず

あらすじ

最期の時を迎える父親と、それを見送る家族のお話。この手のお話はよくあるパターンではありますが、インドが舞台のものは初めて観たのでそう言う意味では新鮮でした。ただそれ以上の何かは無かったかな…。いい映画でしたけどね。

自らの死期を悟ったダヤはバラナシ(ヴァーラーナシー)で最期を迎えたいと家族に伝え、一人でも行くぞと強引にコトを進めようとした結果、渋々息子のラジーヴが一旦休暇をもらってついていくことに。

長いドライブの末に到着した親子は「解脱の家」と呼ばれる施設で“最期のとき”を待ちますが、父親は結構元気なもんで思いの外滞在が長引きます。

その間、同じ解脱の家に滞在する他の“お迎え待ち”の面々と親しくなりつつ、家族の問題やら仕事の問題やらがかぶさってきていろいろ大変なところですが…果たしてダヤの“旅立ち”はどうなるんでしょうか。

家族再生的にはベタなものの…

例によって詳しいところはまったく知りませんが、この映画の舞台となるヴァーラーナシーはインド最大の宗教都市であり、またこの物語で描かれるように「ここで死ぬ」ことが宗教的にもかなり大きな意味を持つようです。なんでも「輪廻から解脱」できるんだとか。だから「解脱の家」なんですね。

安易に解釈するのもよくないんでしょうが、イメージ的に「インド人としてはここで死ぬのが理想」みたいな有名な場所のようです。

で、自分の死期を悟った父親がその理想のために家族を巻き込んで現地へ赴き、そこでのいろいろを通して再度家族同士で関係性を見つめ直すようなお話になります。

最近僕が観たもので言えば「さようなら、コダクローム」なんかがまさにそうですが、いわゆる「最期が近付いたことで家族を省みる」よくあるパターンと言えばそうなります。

ただこの映画に関しては、父ダヤが家族を省みると言うよりも、ダヤの姿を見ることで息子ラジーヴの方がいろいろと気付き、心を動かしていく話のように見えました。そこはこの手の話としては少し珍しいかもしれません。

また、「死が近い者たちが住む施設」という環境もなかなか珍しく、そこで交流を深めていくこと自体がいろいろと考えさせられる面もあるので、こと「家族」に目を向ければ珍しくはないものの、「最期のとき」に目を向ければやっぱりインド独特の他の国にはない死生観のようなものが垣間見えるのは面白い…と言って良いのかわかりませんが、興味深い内容でした。

もう少し何かが欲しい

ただ正直に言って、僕としてはそこまで深くいろいろ受け取る感じもなかったので、あまり書くこともないという…申し訳ない。

いい映画であることは間違いないんですが、ただもう一歩何か欲しかったなぁと言うのは強く感じました。

現地(インド)の文化が知られる良さはあるものの、根底にある話はやっぱりどうしても似通ったものが浮かんじゃうし、裏を返せば「最期のとき」を描く以上ある程度ほっといてもいい話にはなってしまうだけに、そこの予想を良い意味で裏切るものがあったらな、と贅沢な客です。

これはもしかしたらもう少し歳を取ってから観るか、もしくはもうちょっと父親に対する愛情が強くないとグッと来ないのかもしれません。しかし僕のような…父との距離が遠いタイプの人間のほうが物語にすると(この映画のように)成立しやすいと言うのも皮肉なんですけどね。

でも仮に自分の親父が「死期が近いから○○連れて行け」って言っても連れて行かないだろうなー。断って5分で終了です。映画化ならず。

このシーンがイイ!

夜お父さんに連れ出されて会話するシーンが良かったなぁ。来世について話をするところ。

ココが○

丁寧に作られた映画だし、インド映画の割に短くて観やすいのは間違いなく良い点です。死生観が伺えるのも良い。

ココが×

上に書いた通り、もう一歩何かが欲しかったですね。絵面が地味なので興味を引きにくいのも少し厳しい面がありました。

MVA

これはまあほぼ一択でしたね。

ラリット・ベヘル(ダヤ役)

死期を悟ったお父さん。

どこかキュートさのある爺さん。ちょっとワガママで頑固だけど慈悲深い雰囲気がたまりません。

もう少しこのお父さんの過去の振る舞いとかがわかるエピソードがあればまた少し違ったかもしれないですね。現在の彼はただいいお父さんっぽいし。

いずれにしても雰囲気のある良い役者さんでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA