映画レビュー1260 『ゾンビ・ホロコースト』

今回はウォッチパーティより、1年以上ノミネートされていてようやく選ばれたこちら。

この手のゾンビ映画のジャンルってホラーにすればいいのかコメディにすればいいのかいつも迷う…。コメディ要素が大きいものはコメディ、ホラー要素が大きい(そもそもそんなゾンビ映画あるんだろうか)ものはホラーにしてるんですが、一応この映画はコメディ要素がそれほどでもない気がしたのでホラーにしました。が、くだらないのは変わらないのでコメディでもあります。

ゾンビ・ホロコースト

I Survived a Zombie Holocaust
監督

ガイ・ピグデン

脚本

ガイ・ピグデン

出演

ハーレイ・ネヴィル
ジョスリン・クリスチャン
ベン・ベイカー
リーニン・ヨハニンク
マイク・エドワード
サイモン・ウォード
マーク・ニールソン

音楽

マイク・ニューポート

公開

2014年8月23日 イギリス(ロンドン・フライトフェスト映画祭)

上映時間

104分

製作国

ニュージーランド

視聴環境

Amazonプライム・ビデオ ウォッチパーティ(iMac)

ゾンビ・ホロコースト

力の入ったグロゾンビ。

6.5
ゾンビ映画の撮影中、本物のゾンビが大量発生!
  • 例によっていろいろ問題だらけのB級ゾンビ映画撮影中、本物のゾンビがご登場
  • 当然撮影用と見くびった面々が続々とゾンビ化していく
  • お決まりのパターンで主人公と仲間たちが生き残りのため脱出を図るが…
  • 見どころは力の入ったビジュアルとエンディング…ぐらい?

あらすじ

僕はあまりこの手のゾンビ系B級映画は好みではないので少々厳し目に観ましたが、好きな人は好きだろうなぁという感じの映画でした。

個人的にはウォッチパーティでなければ途中でやめちゃう系だったかもしれないですね…。もう少し笑いが欲しいなぁというのが正直なところ。

人里離れた森にてゾンビ映画の撮影3日目。

遅れて現場入りした脚本家志望の雑用係・ウェズリー(ハーレイ・ネヴィル)は、最初の仕事として体調が優れず嘔吐を繰り返している役者のクライヴを村の病院へ連れて行くことに。

しかしそこでは何やら怪しい病が蔓延していたために受診拒否。やむなくクライヴを病院に置いて現場に戻ったウェズリーですが、現場は現場で何やら不穏な雰囲気が。

やがて例によって本物のゾンビが出てきちゃう系なわけですが、なにせゾンビ映画の撮影中なので全員本物とも思わずガンスルー。そしてそれが被害を広げていくわけですが、果たして彼らはどうなるんでしょうか。

グロへのこだわり

何やら既視感のあるあらすじ…そう、あの「カメラを止めるな!」の序盤とそっくりです。

ただ一応名誉(?)のために言っておくと、この映画はカメ止めよりも前に作られているのと、後半の展開はもちろん違うので「聞いたことあるようで知らない映画」的な感じでした。実際問題。

あまり触れられていない気がしますが、定番のキャラクターとは言えトラブルメーカーのヒロインもちょっと“それっぽい”し、もしかしたらカメ止めの序盤はこの映画にインスパイアされた…のかもしれないですね。知らないけど。

現場には“共演者食い”を企むクソマッチョ主演俳優や、前述のワガママヒロイン女優、高慢な監督とその腰巾着的な助監督といった個性強めの面々がおりまして、さらに主人公のウェズリーが一目惚れ的に意識しちゃう売れない女優で給仕係の女性だったり、やたらラグビーを推してくる元ラガーマンの先輩だったりいろいろご登場。

「どいつが最初に死ぬんかな」「誰が最後まで生き残るのかな」を予想するのもゾンビ映画らしいお楽しみと言えるでしょう。

展開的には総じてよくある予想できるパターンではあるものの、むしろそれがあってこそのゾンビ映画だと思うのでゾンビ映画好きとしては普通に楽しめるんじゃないでしょうか。

中でもグロ造形にはかなり力が入っている印象で、おそらく低予算映画だと思うんですがグロ描写にだけはそんな感覚を微塵も感じさせない気合を感じました。そしてそれはつまり僕にとってはありがたくないという。

自分の中では「ゾンビのグロは許容範囲内」という自分でもなんでなのかよくわかっていない謎ルールがあるんですが、そこを破ってくるぐらいにグロくて結構嫌でした。しかも割とちゃんと見せてくれるっていう。

逆に言えばそういうのが好きな人には結構たまらない(という表現で合っているのか不明)映画なのかもしれません。一部(場所的なアレもあって)モザイクかかっちゃってましたけど。

ただ好き嫌いは別として、割と惨劇っぷりをちゃんと見せて強調しているのは逆に新鮮な気もしたし、「よくあるゾンビ映画」っぽさがありつつもオリジナリティを感じさせてくれたのは事実なので、この手の映画としては一度通って損はないような気がしないでもなかったです。この手の映画に詳しくないのでわかりませんけども。

もっとも、その「惨劇っぷりをちゃんと見せる」おかげでコメディ感が薄く感じる面もあり、ゾンビ映画なのかコメディゾンビ映画なのかイマイチわからないような感覚もあって、あくまで個人的な好みの上ですがもうちょっとコメディに寄せてほしかったよなぁという思いも強かったですね。グロ強め✕コメディ浅めで自分に合わなかったような。

ただやってることは完全にコメディだったりもするし(マッチョ俳優の行動は大体コメディだったし)、「ここ笑うところだぞ!」という見せ方をしていないだけで中身はコメディと言えばコメディなんですよね。

にしてはグロが強いし…と堂々巡り。まあ自分には合わなかったんでしょう。

よくある展開だけどオンリーワン

正直まとめようにもまとめられない内容なんですが、まあ…ゾンビ映画好きなら一度は観てみてもいいんじゃないですかね、といったところ。

あまり他にないニュージーランドの映画だし、だからこそ出ている人たちも知らない人ばっかりで新鮮でもあるし、ニュージーランドらしく無駄に(と言ったらアレですが)ラグビー推してくるしで間違いなくオンリーワン感はありました。よくある展開ではあるんだけどオンリーワンという。

そんなわけでなんか妙に印象に残る部分もあったので、興味があったら観てみたらいいんじゃないでしょうか、といういつものパターンでお別れです。ご清聴ありがとうございました。

このシーンがイイ!

終盤のラグビーシーンは無駄に盛り上げてくる感じで笑っちゃいましたね。あそこはいいシーンかもしれない。

それと監督の狂気がピークに達するところもイイ。マジで狂ってます。

ココが○

思ってた以上に割と真面目にゾンビ映画しようとしていたと思うので、そこが良い点でしょうか。

それとエンディングへのつなぎもこれも定番ではありつつ良かった。

ココが×

やはり好みの上では必要以上にグロいのが嫌でした。

あとはやっぱりもっと笑いに寄せてほしかったなぁと思います。そういうのが観たかったという勝手な期待もあって。

MVA

監督さんも良かったんですが、おそらく大体はこの人かなぁと思います。

ベン・ベイカー(ターネイ役)

ラグビー推しの先輩。

妙にいいキャラしててよかったですね。

あとマッチョチンコ野郎もよかったです。脳筋っぽさが溢れてて。

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