映画レビュー0765 『花のお江戸の無責任』

また最近低調な日々が続いている上にこの日は6連勤を終えたあとのこの週唯一のお休みだったということもあって、またも植木等大先生にご登場願おうということになりました。

こういうときは邦画のコメディって一番ラクで良いんですよね。最近のコメディはどうかなと思わなくもないですが、古いとなんか心地良いという。

ちなみにさすがにこの頃の邦画なだけに欧文タイトルは見つからず、例によってGoogle翻訳先生による直訳タイトルを入れましたがこれがなかなかオツな感じがしないでもない。意味がちょっと変わってはいるんだけど。

花のお江戸の無責任

Ideal irresponsibility of flower Edo
監督
山本嘉次郎
脚本
山本嘉次郎
原案
戸板康二
出演
草笛光子
進藤英太郎
音楽
宮川泰
主題歌
『無責任数え唄』
植木等
公開
1964年12月20日 日本
上映時間
89分
製作国
日本

花のお江戸の無責任

敵討ちのため江戸へ向かった古屋助六は、旅の途中でかごやに襲われる権八を助けたところ、その一部始終を見ていた幡随院長兵衛にうちへ来ないかと誘われる。かくして江戸での足場を得た助六は、日々のらりくらりと気楽に過ごしながら、敵討ちとなる男の行方を探し続ける。

悪くないんだけど割と普通な植木先生映画。

6.0

それなりに学のある方々にはおなじみという落語や歌舞伎の「船徳」「湯屋番」「鈴ヶ森」「助六」と言った古典芸能のエッセンスを取り入れた時代劇コメディ、とのことです。当然ながら僕はサッパリわかりません。

ちなみに主人公である植木等大先生演じる古屋「助六」、谷啓演じる相方の「権八」、そしてハナ肇が演じる二人を拾う親分「幡随院長兵衛」と言った面々もそれらの出し物に登場するおなじみの人物らしく、知っている人であれば「おお、あれのクレージー版が」的に楽しめるんでしょうが…今の時代にはそういう人の方が珍しいのも事実でしょう。

主人公の助六はオープニングで敵討ちのため江戸へ旅立つんですが、それなりの大金を持たされる上に城住まいっぽかったので、なかなか由緒正しき家柄っぽい感じ。ただ中身はおなじみ植木等大先生なので、極めて適当でその場しのぎ感の強い「無責任侍」と言ったところでしょうか。と言いつつ無責任感が強いのは序盤の江戸への道中ぐらいなもので、それ以降はそこまで無責任だぜという感じもないのがなんとも歯がゆい。

途中で上記権八との出会いを経て幡随院長兵衛の家に居候することとなり、この「面倒見の良い親分さん」的な長兵衛の元でトラブルを起こしたり敵対する組織の連中と戦ったりしながら吉原行ったりなんだかんだしーので敵討ちをしてやるぜ、というお話です。

僕は時代劇にはかなり疎い方で、簡単に言えばあんまり興味が惹かれないジャンルなので、もう時代劇という時点で結構見辛いと言うか少し意欲を削がれる部分があるんですが、その割にはしっかり最後までそれなりに楽しめた気はしました。この辺はさすが植木等大先生、クレージー映画ならではの良さなのかもしれません。

ですが僕が過去に観てきたクレージー映画の3本はすべて監督が古澤憲吾、今作はエノケン(この人の名前自体僕の世代でギリギリでしょう)映画を撮り続けた大御所・山本嘉次郎ということで、過去僕が観たクレージー映画のような(文字通り)クレージーさ、今で言うサイコパス系のような強烈なキャラクターではないため、キレ味に欠ける面は否めません。

ところどころで植木さんらしい機転を感じさせる度量の深さやネアカっぷりから来る世渡りのうまさを感じさせる点ではクレージー映画っぽいなと思う部分はありましたが、全体を通すとやはり「元ネタのある話をクレイジーキャッツが演じてみました」感が強い映画なのかなという気はします。個々のキャラクターによって作り上げられる登場人物というよりは、今まで演じられてきた有名な役をそれぞれが演じましたという感じ。この辺は時代劇であるという点も大きいんでしょう。

歌のシーンも少ないし、他のクレージー映画とは少し違う感じの映画ではあるんでしょう。詳しくない人間が言ってますが。

ただそれでも(時代劇に弱い人間が観ていながら)特に飽きずに最後までそれなりに楽しめたというのは、やはり古典的名作をベースにしているという点と、クレイジーキャッツ(というか植木等)の魅力に負うところが大きいんでしょうね。さすがです大先生。

そんなわけで僕がクレージー映画に勝手に求める「底抜けに明るいキャラクターに不安を吹き飛ばしてもらって少しでもポジティブになりたい」みたいな欲求に応えてくれるタイプの映画ではないものの、時代劇の入口としては悪くない映画のような気もします。特段今観る価値があるかと言われれば微妙な気はしますが、クレージー映画を追うのであれば一度観ておいてもいいかもしれませんね。

花のお江戸のネタバレン

このシーンがイイ!

特にココって言うのは無かった気がする。よって該当なし。

ココが○

個人的に時代劇の見辛さっていうのは仰々しい部分も大きいと思っているんですが、その辺の重さをいい感じに軽くしてくれるクレイジーキャッツの面々、っていうのは僕のような苦手な人が時代劇を観る上ではメリットなのかなと思います。もちろんそれは時代劇好きの人たちからすれば軽くて観ていられない、みたいなデメリットにもつながるんでしょうね。

ココが×

やっぱりクレージー映画なのでもうちょっと破天荒であって欲しい、かな…。サイコパス感が無いのはちょっと寂しい。

MVA

今回も当然…と行きたいところですが今回はこの人にしたいと思います。(前回と同じ展開)

ハナ肇(幡随院長兵衛役)

情に篤い親分さん。程よい軽さ、程よい人格者っぷりがとても良かったと思います。さすがクレイジーキャッツのリーダー。

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