映画レビュー1185 『続・黄金の七人 レインボー作戦』

ということで続編です。

直前に公開しておいてなんですが、一応続編である以上前作のネタバレに触れることになってしまうのでそこだけはご了承ください。

続・黄金の七人 レインボー作戦

Il grande colpo dei sette uomini d’oro
監督
脚本
原案

マルコ・ヴィカリオ

出演
音楽
公開

1966年10月25日 イタリア

上映時間

97分(イタリア公開版)
90分(フランス公開版)
92分(スペイン公開版)
101分(日本公開版)

製作国

イタリア・フランス

視聴環境

JAIHO(Fire TV Stick・TV)

続・黄金の七人 レインボー作戦

趣旨が変わりすぎて興ざめ。

5.5
再びチームを組んだ面々、今度は誘拐任務を引き受ける
  • 強盗メンバーが何故か工作員として誘拐任務に従事
  • ただの犯罪者だったはずが潜水艦の乗組員になったり大活躍で何でもあり
  • もはや別物のパラレルワールド映画
  • ロッサナ・ポデスタ推しが目に余る

あらすじ

いやーこれはやられましたね。ものすごくがっかりでした。年末年始休暇に入って急いでレビューを書かないといけない忙しい時なのでもうレビュー書くのやめたいぐらい。

前作で騙し騙されの結果、結局何一つ儲からなかった面々はもう一度強盗するぞ…と新たなターゲットからこれまた豪快にまんまと大金をせしめますが、しかし脱出途中で捕まってしまいます。

連れて行かれた先にはFBIやらCIAやらの要人がおり、そこに現れたのは教授(フィリップ・ルロワ)とジョルジャ(ロッサナ・ポデスタ)。

なんでも教授の作戦遂行能力に白羽の矢を立てた諜報機関が彼とそのメンバーに南米某国の革命派リーダー「将軍」の誘拐任務を依頼したい、とのこと。

多額の報酬ともう一つの目的のため引き受けた教授は、ジョルジャ含めた前作のメンバーを引き連れ、また海軍(どの国のかは謎)の協力を受けながら“全権指揮官”として任務に向かうのでした…。

まったく違うベクトルのお話に

すごく私的な思いになりますが、僕は前作の終盤でボンクラっぷりを発揮した教授に「はー?」と思いつつ、それでもまたもう一度チーム組んでやると決めましたエンディングにちょっとワクワクしたんですよ。「おおっ? そうかまた騙されるかもしれない疑心暗鬼の中もう一度仕事するのか」って。そうなると6人も何らかの対策を考えるだろうし、相変わらず裏切りそうな不二子ちゃん的ポジションのジョルジャも腹に一物抱えてるんだろうなーって。

ところが、ですよ。1の続きの仕事はオープニングでちょろっと触れるだけであとは丸々全然別方向のお話になっちゃってもう超がっかり。お通しだけ美味しい居酒屋かよ!(美味しくもなかったけど)

前作でああいうことがあっただけに、それを踏まえて各人の立ち回りをいろいろ面白くできたと思うんですが、もうそんなことは綺麗サッパリ忘れてまったく強盗関係ないスパイの真似事をするだけの映画になってしまい、いくらコメディ仕立てとは言え何でもありじゃねーかと興ざめ。

まだ教授とジョルジャだけとかなら路線変更も納得ですが、なぜかただ教授にスカウトされただけのその辺のゴロツキ的な6人が普通に潜水艦に乗って操縦的なものを苦もなくこなす、っていくらなんでもやりすぎじゃないのと。

求めていたものと違った&なんでもありで丁寧さに欠けるキャラ使い、とこれだけでもダメだなーと思ったんですが、さらにそれに加えてひどいのがジョルジャ役のロッサナ・ポデスタをひたすら推す謎のファンムービー感。

彼女、出てくるたびに着てるものはおろか髪型や髪の色、目の色まで違うんですよ。目の色が変わるのはそれっぽい理由をつけてセリフにしていましたが、それにしてもなんで彼女のファッションショーを見せられなアカンねんと。前作で特に魅力的とも思っていなかっただけに余計に腹立たしい。

どうやら調べたところ、この当時監督とロッサナ・ポデスタは結婚した直後だったようで…早い話が公私混同なんですよね。奥さんをもっと売れるように仕向けたかったのか、はたまた単純に使って楽しかったのかはわかりませんが、それにしたって彼女のアピールが物語のノイズになりすぎていてより一層がっかり感を増幅させてくれました。

ネット上では「彼女を観る映画」という評判も多いようなんですが、こっちはそんなわけで前作の失敗を経た人間関係の深みを期待していただけにまったくベクトルの違う続編にそれはそれはひどく裏切られた思いでした。

大不満映画

そんなわけでひどくがっかりしたためにこちらからは以上です。マジで観なくてよかった続編。

終盤も一悶着あるんですがもうそんなのどうでもいいよと思うぐらいに前作を踏まえていないので、まったく楽しめませんでした。

繰り返しますが、僕は前作の“わだかまり”を踏まえた人間関係から来るまた違ったチーム間のいろいろを期待していたんですが、実際は同じメンバーでまったく違うミッションを描こうとしたようです。ただそうするにしては6人のキャラが弱すぎるし、彼らを使い回す必要があったのか甚だ疑問。

もう書けば書くほど不満が出る、「ダ・カーポ」に続く大不満映画だったのでこの辺にしましょう。とりあえず1だけ観れば良いと思います。

このシーンがイイ!

うーん、ここと言うのは無かったかな…。

ココが○

オープニングだけ前作の続きを感じられたのでそこだけは良かったと言えるかもしれない…。

ココが×

上に散々書いた通りですが、一番はやっぱり「前作騙しあった関係」がまったく無かったことにされている点ですね。前作すんなり山分けで終わってたならこれでいいと思いますが、あんなことがあってまた仲良くチーム組んで仕事するぞーってならないでしょ普通…。

MVA

がっかり映画だったので誰でも良いんですが、まあ一応この人に。

フィリップ・ルロワ(“教授”アルベール役)

前回と同じ人選です。教授。

この人の落ち着いた佇まいが結構好きなんですが、ただそれにしたって一民間人が軍事作戦の最高指揮官として辣腕を振るうと言うのはいささか信憑性に欠けるし、まあやっぱり物語が全然ダメですね。

とは言え他に選びたい人も特におらず…。消去法です。将軍も悪くなかったけど。

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