映画レビュー0040 『インセプション』

今年の初めに「渡辺謙とディカプリオが共演する映画が公開になる」という情報を聞き、こりゃあ観ないといけないなとメモっておいたのがついに公開。ということで期待満々で先行上映に行ってきたわけですが、果たして…。

インセプション

Inception
監督
脚本
クリストファー・ノーラン
出演
トム・ベレンジャー
音楽
公開
2010年7月16日 アメリカ
上映時間
148分
製作国
アメリカ・イギリス

インセプション

他人の夢の中に入り込んでアイデアを盗むことができる男・コブ。彼が依頼された次の仕事は、盗むのではなく、「植え付ける(インセプション)」ことだった…。

クリストファー・ノーランは天才です。

10

年の初めから期待して劇場へ行ったという、ハードルが上がりきった状態だったにもかかわらず、もうこれは満点を付けざるを得ない映画でした。

いつもはウダウダ語っちゃうところですが、もう単純に

「この世界観スゴイ!」

「とんでもない話だ!」

「超おもしれぇ!」

とその辺のヤンキーみたいな感想を述べちゃうぐらい、すごかった。とんでもない映画でした。

ジャンルで言えば…SFサスペンスアクションって感じなのかな~。

「ダークナイトのクリストファー・ノーラン監督が~~」とかCMしてますが、ちょっとあの映画は性質が違うので、比較するならやっぱりこの監督のサスペンスである「メメント」と「プレステージ」になるでしょう。(他にもあるかもしれませんが、個人的に観たことがあるのはこの2つなので)

で、全体的なイメージとしては、「より完成度の高いプレステージ」といった感じ。

そもそも鑑賞前に、「プレステージ」は面白かったんだけど、時間軸の表現が(わざとっぽいですが)あまりにもわかりにくかったのが非常に残念だったのを強烈に意識していたので、今回もそういう作りじゃないのかなーと不安があったんですが、その辺はきっちりクリアしてきましたね。

具体的に言うとネタバレになるので避けますが、今回の話のキーの一つとして、「夢の多層化」というのがあります。

夢の中でさらに夢に入り込んでいく、という話なんですが、この舞台が、例えば1層目は豪雨の街、2層目は静かな高級ホテル、といった具合に舞台がはっきり変えられています。

結構頻繁に場面が行き来するんですが、そのおかげで非常にわかりやすく、わかりやすいからハラハラしやすい、という作りなのがすごくよかった。

とにかく中盤以降は終始ハラハラドキドキの連続で飽きさせません。

また、チームで仕事にあたる話なんですが、夢の多層化のロジックの関係上、大体どのキャラにも見せ場が用意されていて、その辺り(最近観たせいもありますが)「ミッション:インポッシブル」シリーズ(初期)のような、一人で全部やっちゃったよ! 的な残念感が無いし、また個々の役者さんの味わいも相まって非常に深みのある内容になっていたと思います。

これこそ未来の「スパイ大作戦」だな、と感じましたね~。

「夢」の扱い…というかルールもすごく上手くできていて、死ぬと目覚めるから死んでもいい、という設定が後々効いてくるのがまたウマイ。

やっぱり特殊な設定なので、序盤~中盤は説明っぽいシーンが続くんですが、それが無いと多分理解できないほどすごい世界観なので必要だろうし、またそういうチュートリアルでも面白く見せている技量(というかおそらく設定)がまたスゴイ。

1回観てすべてがわかるタイプの映画ではないと思いますが、それでも1回目でこれだけダレずに観せきれる作りはすごいの一言。

元々この監督のアイデアは天才的だったと思いますが、そこにさらに「うまく見せる技量」を身につけたと感じさせます。こりゃー今後も期待大、ですね。

ココが○

「プレステージ」の時と一緒で、結局平たく言えば「ただの夢じゃん」となりがちですが、でもそこに現実との絡み合いもいろいろ混ざっていて、それがもうすごく上手い。

誰もが記憶にあるでしょうが、実際に夢はアイデアが生まれる場所であったり、またトラウマが顔を出しやすい場所であったりすると思います。その辺の要素をうまく物語のキーにしている発想がさすがでしたね。

言われればわかるけど、自分で作るのはとてつもなく難しい、そういう物語を作り上げた監督の手腕はものすごいものがあると思います。

…本当にいくらでも書けちゃうので、この辺で…。

ココが×

難解である以上、どうしても人を選んでしまうとは思います。

映画で頭を使いたくないよ、っていう人(とか状況)には向いてません。

後は、どうしてもさらに上映時間が長くなるので仕方が無いんですが、もう少し「作戦会議」を観たかった。少し結論に至るまでが早かった(「○○だね」「それだ」みたいな)のが、尺の都合を感じさせちゃったかな、と。

でもこの辺は「あえて言えば」のレベルなので、この突飛な世界観を描くためには仕方がないのも十分わかります。

有り体に言ってしまえば、「四の五の言ってないでとにかく観ろや!」って感じ。

MVA

役者陣がまたいいんですよ。

超の付くメジャーどころはそんなにいなかったと思いますが、それぞれが(見せ場があったこともあり)それぞれ良かった。で、じゃあ一人誰を選ぶの、と言われれば、ディカプリオは他にもいい映画があるので…

渡辺謙(サイトー役)

かな~、やっぱり。

ただ、これははっきり言ってひいき目です。順当に行くなら、アリアドネ役のエレン・ペイジ(かわいかった!)か、アーサー役のジョゼフ・ゴードン=レヴィット(かっこよかった!)でしょうね。

ただ、渡辺謙はやっぱりすごく存在感があって。

どうしても同じ日本人である以上、フラットな評価というのはできないんですが、それでもすごく味があってよかったと思います。

あとは状況的に非常に難しい役柄だったと思いますが、その辺もしっかりこなしていて、観ていて誇らしいぐらいでした。

はっきり言って、この役が渡辺謙でなくても評価は変わらないぐらい、この映画自体最高に面白かったんですが、逆にそういう映画に日本人というハンデがありながらもこの役でオファーが来る、ということ自体がすごいことだと思うし、本当にこれからもいい映画に出て、がんばってほしいと思います。

ま、言われなくてもがんばるでしょうけどね!

っていうか結局ウダウダ語ってるっていう。

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