映画レビュー0867 『眠れぬ夜のために』
年末年始はネトフリ終了間際の映画がない(と言うよりは大量にあったら休みが潰れるので確認しないようにしていた)ので、古めの映画を追おうということで今回もBS録画より。
ちなみにこれ、珍しく録画翌日に観ました。それだけすごく期待しちゃう好きそうな映画だったんですが…。
眠れぬ夜のために

話は大したことがないんだけどこの頃らしい雰囲気の良さが好き。
- 夜中にたまたま出会った女性の逃走を手助けしたことで自らも追われる身になる男の話
- ジャンルとしてはサスペンスコメディなんだけどそんなにコメディしてない
- 殺し屋のデヴィッド・ボウイが見どころ
あらすじ
まだまだ若ぇジェフ・ゴールドブラム演じる主人公、エドは不眠症を患っていまして、夜眠れずに一度は出社するものの日中眠くて仕事にならん、ってことで一旦ご帰宅するんですがそこでは奥さんが男とイヤ〜ンアハ〜ンの真っ最中、より深い悩みを抱えることとなってしまい、またも眠れぬ夜、車でフラフラと外出。
着いた先はどうやら空港のようですが…駐車場に停めたところいきなり現れる美女。ミシェル・ファイファー演じるダイアナ、これまた若ぇ。
彼女はイラン系の殺し屋たちに狙われているようで、エドの車に飛び乗ったのも一つの縁、私を逃がして! ってことでエドも渋々彼女縁の各地へ送り届けようとしますが、どこも門前払いを食らった上にイラン人たちも追ってきてたりして休むヒマもございません。
明日も仕事だしできれば寝たい、でもそれどころじゃない事件に巻き込まれたエド。ダイアナを送り届けてさぁ帰るか…と思ったらまたも一緒に行動することになったりと「一夜限りの腐れ縁」の二人、彼女を追うやつらの狙いは、そしてなぜ彼女は狙われているのか、エドは無事帰って寝られるのか…! と言ったお話です。
巻き込まれ系サスペンスコメディ
監督は「ブルース・ブラザース」でおなじみのジョン・ランディス。共演にデヴィッド・ボウイやリチャード・ファーンズワースってことで「こりゃ観るしかねぇ!」と鼻息荒く録画翌日に観たわけですが、正直期待ほどの映画ではなかったかなと言う印象。
世に言われるジャンルの通り、一応は「コメディサスペンス」としてそれなりにゆるく、ちょこちょこクスリと笑いどころが挟まりつつ事件が展開するわけですが、ただコメディとしてもサスペンスとしてもやや中途半端な作りのような気がして、ハードルが高かったことも手伝ってややガッカリ感はありました。「ナイスガイズ!」がサスペンス的にもコメディ的にももっと小粒になった印象。
もう少し芯にある事件がしっかりとしたものであれば傑作と思えたような気もしないでもないんですが、やっぱり少し弱いサスペンスをカバーするようにこれまた少し弱いコメディを充てて双方を補うように進むように感じられ、最後の最後でドカンと大きな波が来ることもなく、割と淡々と進んで淡々と終わっちゃったなーという感じでした。
それでもやっぱり80年代らしい良さが好き
しかしですよ。
やっぱり80年代らしい雰囲気はこの映画にも存分に感じられ、なんなんでしょうね…本当に「80年代の匂いだよね」としか言いようのない無能な説明しか出来ないんですが、なんとも言えないオシャレさがあるんですよ。
エンディングなんか顕著だったと思うんですが、今だったら…多分この終わり方は無いと思うんですよね。
それは使い古されたからなのか、はたまたキメようとしすぎな雰囲気が恥ずかしく感じられちゃうからなのか、その辺は良くわかりません。わかりませんが…やっぱりこの時代ならではのオシャレさ、ある種の能天気さがすごく良いんですよね。決まるんですよ。
コレ、今の時代にやられたらやっぱりちょっと違うんじゃないかなとも思うし、「80年代の映画を観てるんだと言う先入観があるからグッとくる」みたいな不思議な感覚なんですよね。
ただ単に僕がこの頃の映画が好きだから上げ底で受け取ってる可能性もあるとは思うんですが…なんなんでしょうね。答えは出ないんですけども。
この辺に僕が「昔の映画も観たい」と思う原因があるのかもしれません。50年代ぐらいの手作り感溢れる雰囲気とかも好きだし、80年代に関してはきっとこの映画っぽいオシャレ感、調子の良さみたいなものが年代の色としてあるんでしょう。
不満はあれど嫌いじゃない
最近の映画と比べるとどうしても一つ一つの要素がスカスカな感じはしちゃうし、この映画の外の部分、描かれない部分の設定はまったくないんだろうなと感じられるぐらいに行き当たりばったりな脚本だし、やっぱり映画の雰囲気と同様、脚本自体もゆるいような気はしました。結構「アレはどうなんだ」「あの人たち結局なんなんだ」みたいなものはあったと思います。
ただ、それが良いような気もする。ギチギチじゃない、ノリで作ってちょっといい気分になれればいいじゃん、みたいな。今みたいに映画製作のプロジェクトが冒険できない、作りが計算高すぎて答えが見えちゃってる映画とはちょっと違う、もうちょっと個人の色が強く見えてくる作り、って言うのかなぁ。
こういう映画こそ娯楽映画、なのかもしれません。
このシーンがイイ!
ラストシーンかなぁ。「うわっ、この感じ!!」ってむず痒い嬉しさ、みたいな。
これを持って「話はイマイチだったけど許すか」って感じになりましたね。安い客ですよ。
あとは警察官に言われて住所書くところも好き。「んなバカな」と言いつつコメディ感が良かった。
ココが○
メインはほぼ夜のシーンなんですが、夜だからこそのオシャレ感は全編通してあった気がする。
あと僕は詳しくないのでほとんど気付きませんでしたが、結構な人数の映画人(監督等)がカメオ出演していたようで、この頃の映画人の見た目に詳しい人はその辺りも楽しめるっていうのはポイントでしょう。
ココが×
やっぱり…話がね。イマイチですよ。
笑いにしてもややブラックでシュールだった気がするし、少し差別的だったり暴力的だったり、ちょっと今の時代からすると笑いにつながりにくい面はあったと思います。
MVA
ジェフ・ゴールドブラム好きだし良かったんですが、ここは作り手の思惑に乗ってこの人にしましょう。
デヴィッド・ボウイ(コリン・モリス役)
謎の殺し屋。
やっぱりこの人は単純にかっこいいですよね。華がありすぎる。もうその佇まいだけで点が取れちゃうずるさ。
この映画も他の多くの出演映画と同様に大して出てこないんですが、それでも強く印象に残るのは…やっぱり「デヴィッド・ボウイゆえ」なんでしょう。


