映画レビュー0759 『イップ・マン 葉問』

最近とんとテンションが上がらず、何をするにも気が乗らない…そんな状況を打破するにはこの映画しかない! ということでドニー師匠のお力を借りるべく、「イップ・マン 序章」に続く2作目の鑑賞です。

イップ・マン 葉問

Ip Man II
監督
脚本
出演
ホァン・シャオミン
ダーレン・シャラヴィ
ケント・チェン
音楽
公開
2010年4月29日 香港・中国
上映時間
109分
製作国
香港・中国

イップ・マン 葉問

香港で武館を開いたイップ・マン。最初は閑古鳥が鳴く状況だったものの、少しずつ弟子も増えていった矢先に「洪拳」の門下生たちと弟子たちの争いが始まってしまう。洪拳の師範であるホンに話をつけに行ったイップ・マンは、「香港の様々な門派から認められるため」に試験を受けるよう言われる。

展開はほぼ前作を踏襲、やや既視感はあるものの…やっぱりすげぇぜドニー師匠!

7.5

前作のラストで佛山を離れたイップ・マン、今作はその流れを継いで香港での生活からスタートします。

同郷のよしみということで、(おそらく)佛山出身の新聞社の編集長が使われていない屋上の料理屋を武館として貸してくれ、さぁ詠春拳を広めたるぞー! と思ったもののなかなか人が集まらない。とは言えさすがにイップ師匠、お金に苦労しつつも悠々と弟子入り志願者を待っていたところ、一人の荒ぶる青年が「俺を倒したら弟子になってやる」とやってきます。

当然ながら軽くあしらったところで今度は彼が仲間を連れてリベンジにやってきますが、これまた軽くあしらわれ、ついに負けを認めて「弟子にしてください!」ということでめでたく香港でのイップ師匠の生活が始まりますよ、と。

しかしどうも香港はいろいろなしがらみ故に各門派との取り決めがあり、不安定な円卓の上で一定時間、戦いを挑んでくる人間全員の挑戦を受けて戦い続け、彼らに認めてもらわなければならないという試練があるとのこと。やむなく舞台に上るイップ師匠、並み居る香港門派の師範たちを相手に試練を全うできるのか…という前半戦でございます。あとは観てどうぞ。

ということで香港移住以降のイップ師匠とその家族を描いた今作ですが、展開としてはひじょーーーに前作に似ています。

パトロン的な存在がいるのも前作同様だし、開幕でまず無鉄砲な輩が出てきてイップ師匠に挑むも撃沈、「やべぇなこいつつえーぞ」でより強力な敵との戦いに巻き込まれていくという流れも一緒。

敵役は前作が日本人将校、今作は香港を統治するイギリス人の警察署長。これまた前作同様、かなりわかりやすい悪役として描かれてはいるんですが、当然ながらイギリス人すべてがクソだぜというわけではなく「あくまで個人が問題アリ」という形で悪役を配している格好なので、まあ逃げ道も用意しつつわかりやすい勧善懲悪物語になっていると言って良いと思います。この辺は前作以上に「やっぱりわかりやすく国内向け価値観重視の作りなのかな」と感じました。

他に主要人物として、今作はあのサモ・ハン・キンポー演じるホン師範という人物が登場しますが、彼は当初イップ・マンと対峙する役柄ではあるものの、次第に「同じ中国人 vs イギリス人」というようなもっと大きな流れに巻き込まれる構図になることで同じ価値観を共有する戦友のような形になっていくため、これまた前作における戦時下での中国人同士の連帯につながる面があり、やはりだいぶ似通っている印象があります。

そんなわけで、総じて言えば前作のような「初見の強烈さ」が無い分、やや落ちる印象は否めません。逆に言えばこっちを先に観ていればこっちの方が面白く感じたかもしれません。

ただ、前作は戦争という大きな流れによって生活が激変したイップ・マンを描いていたためにいろいろと環境の変化も大きく、ダイナミックな展開が観られたと思うんですが、今回は敵こそ(力量的に)より強く描かれてはいるものの、バトル自体はそれなりに煽りつつもそこまで環境的に大きな意味があるとは思えず、少し弱いかなという気もしました。

もっとも前作が日本統治下での日本人、今作がイギリス統治下でのイギリス人なので、これまた一緒ではあるんですよね。ポジション的に。なので本当に似ています。かなり。

ただまあ、とは言えやっぱりドニー師匠演じるイップ・マンその人ですよ。これがもうねー、やっぱりかっこいいなんてもんじゃないんですよね。

少し線が細いからこそ重量級の打撃を受け流す姿に惚れ惚れしちゃうんですよね。相変わらず受け止めて捌き、同時に攻撃に移行する無駄のない動きがキレキレで最高です。もう何度構えを真似したことかわかりませんよマジで。鑑賞中。イップ・マンが構えたら毎回真似してた気がする。劇場じゃなくてよかった。

いい感じに力が抜けたフォームから捌いて攻撃という力のオンオフが見える動き、そして演技がめちゃくちゃかっこよく、もうこの動きを観るためだけに観てればいいか、みたいな。それぐらい説得力のある素晴らしい動きでした。

ということであとは特に言うこともございません。話はほぼ一緒、あとはドニー師匠の動きが観たいか否かで決めちゃっていいでしょう。あの動きに惚れたのであれば観て損無し。

おかげさまでしっかりテンションも上がったので良かったです。僕はねー、本当に詠春拳が習いたい。マジで。でも月謝は$100だと言われ、こう答えるわけです。

「私腹を肥やすためなら払えない」

ネタバレ・マン 葉問

このシーンがイイ!

やっぱり円卓の上のバトルはすごかったですね。あそこが一番の見せ場だったのは間違いないでしょう。よく撮るよなぁ。ただ各人が円卓に上がるときはかなりワイヤー感あったけど。

それと終盤一人のイギリス人が立ち去るシーンがあるんですが、あれはベタですがきちんとリアリティがあって良かったなと思います。

ココが○

一にも二にもドニー師匠。これに尽きます。これはルックスも含まれるので、実際のイップ・マンご本人に似てなかろうがいいんです。

もうほんっと詠春拳習いたい。あの構えから習得したい。

それと前作から引き続き登場の金の存在がなかなか良かったですね。

ココが×

やっぱり展開的に似通っている点は否定できないところなので、そこはどうしても残念です。

MVA

サモ・ハン・キンポーはさすが香港映画界のレジェンドなだけあって、今なお「あの体型でこの動き」感があってよかったですね。もちろん見せ方も上手いんだとは思いますが。

初弟子のホァン・シャオミンもイケメンだし動きも良かったんですが、まあやっぱりね。この人ですよね。

ドニー・イェン(イップ・マン役)

カンフーアクションでこの人を超える人って出てくるのか…! ってぐらいにぞっこんです。めちゃくちゃかっこいい。やっぱりあの線の細さから来る筋肉質な強さの表現が良いんでしょう。素晴らしすぎる。

となるとやっぱりこの手のカンフーアクションの始祖に当たるブルース・リー(ブルース・リーの師匠はイップ・マンですがそのイップ・マンを演じるドニー・イェンはブルース・リーに憧れていたということで)ももっと観ておかないと、とちょっと思いました。ただドニー師匠かっこよすぎるよマジで。

あと奥さん綺麗すぎ。これも相変わらず。

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