映画レビュー0111 『素晴らしき哉、人生!』

第二回『午前十時の映画祭』にて上映の作品ですが、最寄りの劇場では来年公開で遅すぎるぜ、ってことで今回借りて観ました。

おそらく、自分が観てきた中で最古の映画です。(この時点で)

素晴らしき哉、人生!

It’s a Wonderful Life
監督
フランク・キャプラ
脚本
フランク・キャプラ
フランセス・グッドリッチ
アルバート・ハケット
原作
『The Greatest Gift』
フィリップ・ヴァン・ドーレン・スターン
出演
ドナ・リード
ヘンリー・トラヴァース
音楽
ディミトリ・ティオムキン
公開
1946年12月20日 アメリカ
上映時間
130分
製作国
アメリカ

素晴らしき哉、人生!

“世のため人のため”に働くジョージだったが、叔父のミスにより窮地に追い込まれ、失意を胸に自殺しようと川へ赴く。そこへ一足先に老人が川へ飛び込み、助けを求める…。

病んでるときのバイブル。

9.0

突然ですがアタクシ、自分の人生を素晴らしいと感じたことがありません。実はつい最近も、ひどく後悔させられる出来事があって、かなり落ち込んでました。「そんな時だし、気分転換になれば…」とこの作品をチョイス。

結果的には、救われた…というか、視野が狭くなっていた自分に気が付きました。この映画は、「自分に見えているものがすべてじゃない」というのが一つのメッセージなんだと思います。だからこそ、こういう話のファンタジーになっているんでしょう。

自分から見る自分の人生は、とても明るいものじゃない。でも、果たして本当にそうなのか。

人間は自分自身の周りのことすら、すべて見えてるわけではないんですね。割と僕は「すべて知ってる」気になるタイプなので、この映画は強く心に留めておくべき話だと思いました。

…と少しカタイ感じになりましたが、簡単な感想的に言えば、すごく温かくなる、人に優しくしたくなる映画ですね。人間も捨てたもんじゃないぜ、っていう。

現実には起こり得ないファンタジーなんですが、でもその起こり得ない部分のせいで嘘くさくなってるわけではなくて、むしろ理解を促すための演出をファンタジーに持ってきたような形なので、すごくわかりやすい話になってるし、安っぽくなってないのがイイ。「現実はファンタジーを取り除いても成立する」というのがミソ。

ご存知の方も多いとは思いますが、この映画は公開当時はあまりヒットしなかったようですが、現在のアメリカでは不朽の名作としてクリスマスに観るのが定番になっているらしいです。

そう言う話を聞くとまたすごくいいな、と。

前に「しあわせの隠れ場所」でも書きましたが、そういうところに日本人とアメリカ人の国民性の違いが出てくるのかな、と思います。幼少期からこんな映画に触れられる機会が普通にあれば、自己犠牲の精神を持った大人が増えて当たり前ですよ。

だから結果的に成功者は世間に還元するようなお国柄が出来るのかな、とその一端を知った気がしました。子供が出来たら観せたい映画の一つですね。

このシーンがイイ!

いろいろあったんですが、一つ選ぶなら結婚式の夜のシーン。すごくよかった。シチュエーションとか。

ココが○

さすが「不朽の名作」と言われるだけあって、全然古くならない話なのがいいですね。

舞台背景は当然古いけど、精神性は変わらないし、こういう心は今の時代も持ち続けるべきだ、とむしろ今の方が評価される、考えさせられる映画じゃないかと思います。

もう一つ、小道具の使い方。やっぱり本ですよね。あれはやられた。観た人しかわかりませんが、あの一文、超名文ですよ。あそこでドバーっと泣きました。

あと、オープニングがすごく良かった。画用紙をパラパラめくるだけなんですが、今でも全然おかしくないほど、オシャレでホッコリするオープニングでした。

ココが×

白黒で映像もイマイチ綺麗ではないし、音声も当然サラウンドとはなんぞや状態なので、そういうソフト面では当然ですが弱いです。まあ関係ないですけどね。話の内容からすれば。

余談ですが、最近白黒映画を観始めると、あの「プラン9・フロム・アウタースペース」でさえ「なんか名作っぽいな!」という気がするぐらい、白黒=わざわざ選ぶから良い映画、みたいな印象が自分の中で出来つつあります。僕も昔はそうでしたが、「古い映画はなぁ」とか「白黒はちょっと」と思ってる人は、食わず嫌いしないでぜひ古い映画も観てみてほしいです。

この映画もそうですが、時を経て今も残っている映画は、ただのノスタルジーではない、評価され続ける理由があるのがよくわかります。古い映画の楽しみを知ると、シネフィルへの道が一つ拓ける気がしますね。

MVA

まず書いておきたいのが子役。

主人公・ジョージの少年時代の子もよかったし、青年ジョージの子供たちがみんなかわいくて上手で! あのかわいさは反則ですね。

あとは奥さん役のドナ・リードも今観ても全然色褪せないかわいらしさが印象的でした。んで、一人選ぶなら

ヘンリー・トラヴァース(クラレンス役)

にします。

この人はもう役柄が美味しいんですが、よかったですねぇ~。

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