映画レビュー0615 『アウトロー(2012)』

ただいまこのレビューを書いている時は11月頭なんですが、もうじき「ジャック・リーチャー」公開ってことで、それにタイミングを合わせてなんでしょう、少し前にBSで前作をやっていたため、一応観てみることにしました。公開当時はあまり好評では無かった記憶がありますが…はてさて。

アウトロー

Jack Reacher
監督
脚本
クリストファー・マッカリー
原作
『アウトロー』
リー・チャイルド
音楽
ジョー・クレイマー
公開
2012年12月21日 アメリカ
上映時間
130分
製作国
アメリカ

アウトロー(2012)

ある日、公園でライフル銃による連続殺人が発生。現場に残された物証から、元アメリカ陸軍のスナイパー・バーが容疑者として逮捕される。彼は取り調べの最中、メモ帳に「ジャック・リーチャーを呼べ」とだけ記した後、護送中に他の受刑者から袋叩きにされ、昏睡状態に陥ってしまう。そこにジャック・リーチャーその人が現れた。

至って普通、ダラダラ観るには悪くない。

7.0

元陸軍捜査官で、今は謎の流れ者になっているジャック・リーチャー。警察も検事もアテにならない、ってことで、彼がいわば「私的捜査」で事件を解決に導く物語です。

その辺の導入の経緯や彼の謎めいた人物像など諸々の感覚としては「イコライザー」にすごく似ている印象で、またたまたまこの映画の続編の予告編をついこの前劇場で観たんですが、そこからもかなり手練で敵はボッコボコにしてやんよ系に見えたので、ますます「イコライザー」感が強いんじゃないかなーと思いつつ観始めたんですが、全体的にはあそこまで振り切ってもいないし、笑っちゃうほど強くもなく、アクションなんだけどどちらかと言うとサスペンス寄りにシフトした映画という感じでした。

冒頭でライフルによる連続殺人が描かれ、その容疑者として一人の男・バーが捕まります。ただ彼が真犯人ではないことは観客にはわかっているので、「なぜ彼がジャック・リーチャーを呼んだのか」「ジャック・リーチャーとは何者なのか」が序盤の引力になるわけですが、そこで少しずつ、彼の強さや確かな捜査力を描きながら、真の悪に迫る“アウトロー”の正義を描いた映画、という感じでしょうか。

ジャック・リーチャーは経緯上、検事の娘であり、バーの担当弁護士であるヘレンとタッグを組んで捜査に携わり、徐々に真相に迫っていく過程も描くわけですが、ただ映画では交互に悪役側の描写も描かれるし、黒幕と思しき人物も早々に登場するので、ややサスペンス風に展開させつつも「誰がどうで何がどうなんねん…!」みたいなハラハラ感は薄く、少し中途半端というか…結局は「アクションのみじゃアレなんでちょっとサスペンス風にしてみました」的な感じかなーという気はします。

ま、この手の映画は本当に腐るほど作られてきていると思うので、なるべくかぶらないような路線を目指したんだろうと思いますが、オリジナリティという意味ではやっぱり少し弱いかな、と。

最初に書いた通り、入り口が「イコライザー」っぽかったので、あれぐらい振り切った何かを期待する部分もあったんですが、アレよりはある意味で真っ当な、リアリティのある物語と言えなくもないし、しかし反面娯楽としては中途半端なので、唸るほどたまんねーな、みたいな楽しみも無かったというのが正直なところ。

まあ、なんつーか普通です。ちょっと趣向を凝らそうとしたけど、普通のアクション映画。皆さん見慣れたトム・クルーズだしね。

これがもっと別の、意外な人物が主役だったりしたらまたちょっと違ったかもしれないんですけどね。例えばヒゲでおなじみのザック・ガリフィアナキスとか。お、シリアスな役もイケるやん! みたいな。そういう新味もなかったので、まあ頭空っぽにしてボヘっと観るにはいいけど、かと言ってわざわざレンタルとかしてまで観るほどのものじゃないなぁ、というような、割とよくあるポジションの評価に落ち着きます。

ただ、つまらないわけじゃないですよ。普通なだけに、フツーに楽しめました。トム様も別に演技が良くなかったとかじゃなくて、こういう姿を見すぎているので新鮮味がないな、っていうだけで。でもこれだったらミッション:インポッシブルでいいよなぁ、っていう気がしちゃうのも確か。

この映画ならでは、の何かが欲しかったですね。

このシーンがイイ!

これはねぇ、もうわかってたんですよ? わかってたんだけど、ここだよね、ってことで終盤車からある方が降りてくるシーン。ドアが開いて足元だけ写るんですが、もーね、この瞬間すぐわかるじゃないですか。大体。ああ、あの人来ちゃったのね、って。キャスティング的にね。で、笑っちゃうんですよやっぱり。「いやー、そうだろうけど…ズルいわー」って。

ニヤニヤしちゃいましたね。どうしても。映画好きなら誰でもそうでしょう。そして誰でも予想が付く、でもそこがいいっていう。

ズルいわ。でも嬉しかったわ。あのシーン。

ココが○

個人的に、ここ数年で「ただのアクション映画」ほど興味を失ったジャンルは無い気がしているんですが、それなりに楽しめたことを考えると、表面上だけでもサスペンスをまとったのは正解なのかな、と思います。これでただ「ジャック・リーチャーは強いよ」だけの映画だったら…観てられなかったかもしれない。

だからこそ、そんな雰囲気を全面に押し出した(予告編の)続編はどうなのか、ちょっと気になる。劇場には行かないけど。

ココが×

仕方ないんでしょうが、上に書いた通り「この映画ならでは」の何かがないのはやっぱり…。所詮観て消費するだけで、記憶に残らなそう。

MVA

コンビを組む弁護士がロザムンド・パイクなんですよ。あの。「ゴーン・ガール」の。

もーね、出てきた瞬間「うわ、ロザムンド・パイクだ」って身構えちゃうんです。トラウマレベル。で、身構えつつもニヤニヤしちゃうんだけど。裏切んねーかなーって。残念だたのヒロインでした。

予想はしていたものの、ただのヒロインだとこの人イマイチですね。別にそんなに綺麗、ってわけでもないし…。ちょっとおっぱいがカイデーな地味おばちゃん、って感じで…。その分「ゴーン・ガール」がすごかったとも言えるわけですが。いやあれはすごかった。ある意味最高。

で、トム様はいつも通りだし、その他配役も地味めなわけで…結局はこの人がかっさらっていくのは仕方がないのかな、と…。

ロバート・デュヴァル(キャッシュ役)

さすがに古い映画も結構観てきているので、それなりにこの人を観る機会も多いわけですよ。

もう結構なお爺ちゃんですが、やっぱり映画ファンであればもうこの人が出てきただけで嬉しいんですよね。オープニングの文字で観ただけで「うひょう!」って思いましたからね。「ロバート・デュヴァル出てるぅー!」って。役どころも(ベタですが)美味しいものだったし、もうホント製作者の想定通りなのが悔しいですが、選出。好きだからしょうがない。

ちなみに個人的な好みを抜きにして、一応フラットに評価するならサンディ役のアレクシア・ファストかな、と思います。端役ではありますが、印象的でした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA