映画レビュー0055 『JFK』

今回も、2度目の鑑賞。初めて観たのは15年以上前だった気がします。

当時は10代だったので、おそらく今とは解釈・理解度が違うだろう、ということでもう一度観てみました。

JFK

JFK
監督
脚本
ザカリー・スクラー
原案
ジム・ギャリソン
ジム・マース
出演
ローリー・メトカーフ
音楽
公開
1991年12月20日 アメリカ
上映時間
189分(通常版)
206分(ディレクターズ・カット版)
製作国
アメリカ
視聴環境
自己所有(DVD・TV)

JFK

「ケネディ大統領暗殺事件」の捜査に疑問を感じた地方検事が、独自の捜査を開始、一人の男を裁判にかける。

「陰謀論(に触れるのが)好き」にさせられた元凶の映画。

7.5

今回観たのはディレクターズ・カット版なので、3時間を超えるロングっぷり。両面のDVDとか今時レアだよ! 今の映画じゃないけど!

道中は地味なこともあり、さすがに途中は少し集中力が途切れました。

ケネディ大統領暗殺事件にまったく興味がない人は別として、まさかいまだに「オズワルド単独犯」を信じている人はいないでしょう。

(2017年追記:最近の話では結局オズワルド単独犯で確定しそうとかいう噂も…)

それだけずさん(というか意図的)な捜査を行った捜査当局、さらにその背後にあるであろう巨大な権力に対し、戦いを挑む一人の検事のお話です。どこかの国の証拠改ざん検事なんて足元にも及ばない、誠実で力強く、そして頑固な検事をケビン・コスナーが熱演しています。

やはりピークはラストの裁判シーン。一人、ひたすら演説する彼の熱意、そして真相に迫る検証の場面はグイグイ引き込まれます。

映画的に言えば、やはり演説での「種明かし」とそれを理解させる映像の差し込み方、その展開がうまい。

テーマがテーマだけに当然かもしれませんが、大仰なやりとりもなく、真摯に一人の語りで真相を描こうとする演出はすばらしいと思います。もっとも、元となった「クレイ・ショー裁判」が事実そうだったのかもしれません。

ゴルゴ13に「水素自動車が完成しないのは石油メジャーの陰謀だ」みたいな話が出てくるんですが、信じる信じないは別として、僕がそういった「陰謀論」を知る(読む)のが好きになってしまった大元にこの映画がある気がしますねー。それぐらい、10代の自分には衝撃的な映画でした。

事件に対する興味の有無でだいぶ感想が変わるとは思いますが、今観ても緊張感のある(こう言っては不謹慎ですが)面白い映画ではないでしょうか。

ココが○

これはもう、最後の裁判がすべてですね。最後の、とは言ってもかなり長いです。20分ぐらいは裁判シーンじゃないかなー。あの事件をなぞっていく展開はどうしても引き込まれます。

ココが×

道中は本当に地味です。固有名詞もたくさん出てくるので、何がなにやらわからなくなりそう。

あとはやっぱり長さでしょうか。手軽に観られる映画ではないので、観るには結構覚悟が必要です。

MVA

ケビン・コスナーの独壇場…ではありますが、今観ると裁判シーンでの動作の少なさがちょっと残念。

あと、声。少し軽いんですよね。ケビン・コスナーって。もう少し重みのある声ならもっとよかったのに、ってそれが残念で。

最近観ないので、がんばってねの意味を込めて彼でもいいんですが、今回はこの人に。

ゲイリー・オールドマン(リー・ハーヴェイ・オズワルド役)

ゲイリー・オールドマンが単に好きで、「あ、出てたのか!」っていうのもあるんですが、やっぱり(一応)大統領暗殺犯というデリケートな役柄で、しかも検証話でちょいちょい出てくる。かなり重要な役どころなんですが、さすがきっちり演じています。

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